ローズマリーは強い抗酸化作用や血行促進作用があるハーブです。健康や美容に効果があると言われており、食品や化粧品など、用途の幅が広いのも特徴。正しい使い方を守れば、さまざまな良い効果が得られるでしょう。本記事では、ローズマリーの特徴や効果・効能の他、精油の取り入れ方や注意点などを紹介します。
さまざまな効能を持つローズマリー
ローズマリーはハーブの一種で、非常に長い歴史を持つ植物です。まずは、ローズマリーの特徴や歴史、香りなどを詳しく解説していきます。
ローズマリーの特徴
ローズマリーはシソ科に属する常緑低木の植物です。主な原産地は地中海沿岸。温暖で乾燥した土地でよく育ち、自宅での栽培も十分に可能です。基本的に花を咲かすのは11月から5月にかけてで、品種によっては夏に開花するものもあります。花の色も品種で異なりますが、青や白、ピンクがほとんどです。小さい花をたくさんつけるローズマリーの花言葉は「思い出」「追憶」です。
花も可愛らしいですが、一番の特徴は力強い香りを放つ葉の部分と言えるでしょう。ハーブとして長い歴史を持つローズマリーは、効果効能から「若返りのハーブ」とも呼ばれてきました。
ローズマリーのこれまでの歴史
ローズマリーは、古代エジプト時代には既に存在していたと考えられています。また、古代ギリシャ時代では神に捧げる植物として利用されていました。ローズマリーは供物としてだけではなく、人々の生活の中に取り入れられていた歴史も持っています。古代ギリシャでは記憶や思い出の象徴だったため、学生達がローズマリーで作られた冠を被って勉強していたそうです。
この他にも、中世ヨーロッパでは恋占いや結婚式でローズマリーが使用されています。このような歴史から、ローズマリーは人々の文化や慣習に寄り添い、深く親しまれてきた植物と言えるでしょう。
ローズマリーの用途
古代からローズマリーは神秘的な力を持つと信じられ、魔除けや儀式の際に使用されてきました。その他にも、香料や薬草、料理などにローズマリーが使われることも。現在でも飲食物や化粧品、アロマテラピーなど、さまざまなシーンや製品に取り入れられています。
ローズマリーの香り
ローズマリーは、力強く存在感のあるグリーンの香りが特徴的。ハーブらしい刺激もしっかりと感じられます。爽快感が強く、みずみずしさがあるのも魅力です。スッキリとした爽やかな香りが好みの方は、ぜひローズマリーの香りを試してみてください。
ローズマリーの効果・効能
ローズマリーは、健康や美容など人体にさまざまな良い効果をもたらすと考えられています。ここからは、ローズマリーの効果・効能をチェックしていきましょう。
抗菌・抗酸化作用
ローズマリーにはポリフェノール由来の成分が複数含まれているため、強力な抗菌・抗酸化作用が期待できます。老化の原因の一つは、体内の活性酸素の増加。ローズマリーは老化の元となる活性酸素を除去する成分を多く含んでいるため、アンチエイジングにも効果的だと言われています。そのため、「若返りのハーブ」と呼ばれているのです。
血行促進
ローズマリーには、血行促進作用もあります。これは、弱った血管を強くするはたらきを持つジオスミンという成分が含まれているためです。血行促進で全身の血流が良くなると、代謝の促進にもつながります。
アレルギー症状の緩和
ローズマリーに含まれるロスマリン酸と呼ばれる成分は、花粉症などのアレルギー症状の原因となるヒスタミンを抑制する作用を持っています。そのため、ローズマリーには花粉症やアレルギーの抑制効果も期待できます。花粉症などの症状が辛い時に、ローズマリーを取り入れるのも良いかもしれません。
リフレッシュ効果
上述したロスマリン酸には、不安を和らげる効果もあると言われています。気分を高揚させてくれるので、軽い鬱症状などの改善効果も期待できます。
また、ローズマリーの強い香りは中枢神経を刺激するため、集中力を高めたい時などにも最適です。気持ちを切り替えたい時や眠気を覚ましたい時に、ローズマリーを活用してみてはいかがでしょうか。
人気のハーブ、ローズマリーの活用方法
ローズマリーはさまざまな活用方法があるハーブです。ここからは、ローズマリーを日常的に取り入れるアイデアを紹介していきます。
料理や飲み物に取り入れる
ローズマリーを料理やハーブティーとして取り入れて、体の内側から効果を得る方法です。ハーブティーはお湯300ccに対して、ローズマリーをティースプーン2杯程度入れるだけ。葉は、ドライタイプよりも生の方が苦味が少なく飲みやすいです。
ドライタイプのハーブは生のものより香りが強いため、魚や肉の臭み取りにおすすめ。ローズマリーハーブは料理の下処理でも大活躍してくれます。
入浴剤として使う
生のローズマリーをお風呂に入れるのもおすすめです。血行促進効果が期待できます。生のもの(フレッシュハーブ)を使用する場合は、ネットなどにローズマリーを4本程度入れてください。ネットに入れる前に軽く洗って、枯れている葉やゴミを取り除いておきます。ローズマリーの香りに癒されながら、全身の血流を良くして代謝を上げましょう。
ハーブチンキを作る
ローズマリーをアルコールに漬け込んだハーブチンキは、古くからアンチエイジングに用いられてきた方法です。作り方は、ドライローズマリーと無水エタノールを瓶に入れて漬け込むだけ。使用する際は、必ず精製水で15倍程度に薄めてくださいね。
消臭・芳香剤として使う
カットしたローズマリーの枝を、1週間から10日ほど日陰で吊るして乾燥させるだけで、ポプリになります。また、ローズマリーはそのまま吊るしておくだけでも、お部屋の消臭や芳香剤として利用できます。手軽でフレッシュな消臭剤として活用してみてはいかがでしょうか。
ローズマリーを精油で取り入れる方法
ローズマリーの精油も、ハーブと同様に取り入れやすいため人気があります。続いては、ローズマリー精油を生活に取り入れるアイデアをチェックしていきましょう。
アロマバスを楽しむ
生のローズマリーと同様に、精油もお風呂に取り入れられます。ローズマリーの効果効能である、血行促進作用が期待できるでしょう。使い方は簡単。お湯を張った浴槽に、ローズマリー精油を3~5滴垂らすだけです。
ヘアケアグッズとして使う
ローズマリーの精油をシャンプーに混ぜたり、精製水で薄めたりしてトリートメントとして使用するのもおすすめです。頭皮の血行を促進することで、いきいきとした美しい髪に導きます。
また、ローズマリーの精油を使って、オリジナルのヘアオイルも簡単に作れます。清潔な容器にホホバオイルや椿油などの植物油30mLを入れ、ローズマリー精油を3滴ほど加えるだけで完成です。手作りヘアオイルは、1ヵ月を目安に使い切るようにしましょう。
ルームフレグランスを作る
ローズマリーの精油は、アロマを楽しむのに最適。アロマポットやディフューザーなどのアロマグッズと一緒に使えば、簡単にお部屋をフレッシュな空間にできます。ハンカチなどに精油を少量垂らして持ち歩くのもおすすめです。
その他、ルームフレグランスを自作することも可能です。瓶に無水エタノール50mLとローズマリー精油を5mL入れ、リードスティックを5本ほど差すだけで、インテリアとしても人気のリードディフューザーが完成します。
また、スプレー容器に無水エタノール5mLとローズマリー精油を10滴入れ、精製水45mLと混ぜてよく振ると、ルームスプレーの完成です。手作りのルームフレグランスで、お部屋を快適な空間にしてみてはいかがでしょうか。
他の精油とのブレンドを楽しむ
ローズマリー精油を他の精油とブレンドして、香りの違いを楽しむ活用方法です。ローズマリーは最初に強く香りを感じる、トップノートに属します。そのため、ブレンドする精油は香りが持続するミドルノートや、ベースノートに適したものを選ぶと長く変化を楽しめるでしょう。
ローズマリーと特に相性が良いのは、ユーカリやジュニパーベリーといったウッディ系の精油。その他にも、ラベンダーやフランキンセンスもおすすめです。
ローズマリーを使う際のポイント
ローズマリーにはさまざまな健康・美容効果が期待できますが、量や使い方を守らなければトラブルを招く恐れがあります。ここでは、ローズマリーを使用する際の注意点や保存方法を紹介していきます。正しい知識でローズマリーを取り入れて、心身にプラスの効果を得ましょう。
刺激が強いため注意が必要
ローズマリーはハーブの中でも作用や刺激が強い部類に入ります。精油などを使用する場合は使用量を守らないと、肌トラブルの原因となってしまう場合も。
また、ローズマリーの使用を控えたい人もいます。妊娠中は子宮収縮、高血圧の人は血圧を上昇させる危険性があるので注意が必要です。あわせて、授乳中の人、小さい子ども、てんかんのある人は刺激が強すぎるので使用を避けましょう。
その他、ペットを飼っている場合も注意しなければなりません。犬には問題ありませんが、猫にとってローズマリーは有毒なので、使用する場所に猫を入れないようにするなどの配慮が必要になります。
正しい方法で保管を
生のローズマリーは、保存方法に注意が必要です。保管は高温多湿を避けた場所で行い、なるべく早く新鮮なうちに使い切るのがポイントです。短期間で使い切れるか不安な時は、水洗いしてからしっかりと水気を切り、立てた状態で容器に入れて冷凍保存するのもおすすめ。量が多すぎる場合は、1週間吊るしてドライハーブにしておくのも良いでしょう。
ローズマリーの効果・効能を活かして健やかな日々を
ローズマリーは高い抗酸化作用や血行促進作用を持っているため、美容や健康のために積極的に取り入れたいハーブです。正しい使い方で活用すれば、きっと良い効果をもたらしてくれるでしょう。自然から生まれた植物の力を、日常生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。
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