鮮やかな小花がボール状に集まる姿が愛らしいゼラニウム。観賞用として世界中で愛されていますが、実はゼラニウムから抽出される精油のフローラルな香りも人気。さらにゼラニウムのアロマには、女性に嬉しい効果があると言われています。この記事ではゼラニウムの効果効能と、アロマを生活に取り入れる方法、相性の良い精油で作るオリジナルブレンドを紹介します。
監修者:公益社団法人 日本アロマ環境協会認定環境カオリスタ、アロマテラピー検定1級 藤巻慧子
WEBメディアディレクター。コンテンツSEOに特化したライターの育成も行う。自分自身の心身の健康のため、精油を学ぶ。心地よさを重視した、感覚ファーストな香り選びが得意。好きな精油TOP3はネロリ、コリアンダー、イランイラン。
ゼラニウムの香りとは
南アフリカやエジプトなどを原産国とするゼラニウムは、赤やピンク、オレンジ、パープルなど、色鮮やかな花をほぼ1年中楽しむことができる多年草です。公園などで誰もが目にしたことがあるほどポピュラーなゼラニウムですが、香りについては詳しく知らないという人も多いことでしょう。そこでまずは、ゼラニウムの香りについて解説していきます。
バラに似た甘さにグリーンの青みを併せ持つ香り
ゼラニウムには数多くの種類がありますが、その中でもアロマとしてよく使用されるのが「センテッドゼラニウム」や「ハーブゼラニウム」、「ローズゼラニウム」と呼ばれる品種です。ゼラニウムの精油は、バラのような華やかでフローラルな香りが特徴的。青みがかったグリーン系の爽やかな香りは「グリーンフローラル」とも呼ばれます。
また、同じゼラニウムでも育った環境によって土壌も気候も異なるので、香りにも微妙な違いが生まれます。ゼラニウム精油の香りの強さは中〜強で、ややしっかりとしているため、アロマテラピーとして取り入れるなら少量からスタートするのがおすすめです。他の精油とブレンドする時は、相性を見極めることも大切です。
植物としてのゼラニウム
ゼラニウムは南アフリカ原産の植物で、200種を超える種類が存在します。寒さに弱いフウロソウ科の多年草です。ゼラニウムは日本でも観賞用として栽培されており、和名は「テンジクアオイ」。ゼラニウムの精油は花が開く前の葉から、水蒸気蒸留法で抽出されます。
ゼラニウム精油に期待できる効果・効能
華やかさと爽やかさを併せ持つゼラニウムの香りは、ルームフレグランスとしても人気です。しかも、ゼラニウム精油は香りが良いだけではなく、女性に嬉しいさまざまな効果や効能も期待されると言われています。それでは、ゼラニウムのアロマがもたらす効果について見ていきましょう。
ホルモンバランスを整える
女性の体は、女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンのバランスが非常に重要。ゼラニウムの香りは、エストロゲンに作用すると言われています。ホルモンバランスの乱れを整えてくれるので、生理不順やPMS(月経前症候群)といった、女性ならではの悩みを和らげるのに効果的であるとされています。
ホルモンバランスが乱れていると、夜に深く眠れなかったり、精神のイライラやめまいが続いたりしてつらいもの。「女性特有の体の不調をなんとかしたい」と感じているならば、ゼラニウムのアロマを試してみてはいかがでしょうか。
イライラから解放し安眠をサポートする
ゼラニウムには、心の緊張をほぐし、不安感やストレスを和らげる働きがあります。ゼラニウムの香りに包まれると、自然と心が穏やかになり、リラックスしていくのを感じる人も多いでしょう。
気持ちが高ぶってなかなか寝付けない時や、イライラして心がささくれ立っているのを感じる時など、心を落ち着かせたい時にゼラニウムのアロマがサポートしてくれます。
美肌やエイジングケアに役立つ
ゼラニウムに含まれる成分の特長の一つとして、お肌への優れた作用が挙げられます。ゼラニウムの精油は使える肌質を選びません。保湿効果や皮脂バランスの調整作用があり、シワやしみ、エイジングケア効果に期待ができるなど、スキンケアに欠かせない存在です。
また、ゼラニウムは抗炎症作用があると言われており、肌荒れなどを繰り返す弱ったお肌を強くしてくれる効果が期待されます。さらに、保湿効果や皮脂バランスの調整作用もあるとされるため、シミやシワの改善を始めとするエイジングケアや、スカルプケアなどにも役立つと言われています。
加えて、ゼラニウムに含まれる成分にはデトックス作用も。体内の余分な水分や老廃物の排出を促す効果を期待できるので、むくみやすい体質の人はゼラニウムの精油を使ったマッサージオイルでマッサージするのがおすすめです。
ゼラニウムのアロマを取り入れる方法
期待される効果が多いゼラニウム。だからこそ、自分に合った方法で取り入れると、ゼラニウムの効果をより実感しやすいでしょう。ここからは、目的別にゼラニウムのアロマを取り入れる方法を紹介します。
アロマでリラックスバスタイム
不安や落ち込み、イライラなど、心の不調を改善したいなら、バスタイムでの利用がおすすめです。
バスタブにたっぷりのお湯をはり、ゼラニウムの精油を2~3滴ほど混ぜてみましょう。湯気とともに、ゼラニウムの香りが優しく広がります。気持ちが安らぐのはもちろん、お湯につかることによって血流が良くなるため、頭のてっぺんからつま先までリラックスできるでしょう。
アロマディフューザーで心を癒す
癒やしを与えてくれるアロマバスタイムに加えて、普段使いとしておすすめなのが、お部屋で使うアロマディフューザーです。ゼラニウムの香りはややしっかりとしているのが特長。そのため、ルームフレグランスとして使う時には、その時の自身の心の状態をみながら、他の精油とブレンドしてみてください。
アロマディフューザーを持っていない場合は、肌触りの良いタオルに精油を数滴なじませる方法もおすすめです。お風呂上がりに使ったり、ベッドサイドに置いたりするだけで、ゼラニウムのアロマを充分に楽しめます。
スキンケアで美肌を目指す
スキンケアで美肌を目指したいなら、「スチームケア」を取り入れるのがおすすめです。熱いお湯をはったボウルにゼラニウムの精油を1~2滴加え、蒸気を顔に1~2分あてるとゼラニウムの保湿成分が浸透してスキンケア効果が高まると言われています。
マッサージオイルでむくみを解消
足や腕のむくみを改善したいなら、ゼラニウムの精油を使ったオイルマッサージに挑戦してみましょう。
マッサージ用のオイルは、ホホバオイルなどのキャリアオイル10mlに対して、ゼラニウムの精油2滴ほどを目安に作ると良いでしょう。精油は空気に触れると酸化しやすいので、効果を最大限に活かすためにも、都度ブレンドするのがおすすめです。
マッサージはゆっくりと気持ちを落ち着けながら行います。両方の手のひらでマッサージオイルをしっかり伸ばしたら、気になる部分にやさしくなじませていきます。深呼吸をしてアロマをしっかりと感じながらマッサージするのがポイントです。
ゼラニウムと相性の良い精油で作るオリジナルブレンドアロマ
香りはシトラス系やウッディ系など、全7種類のグループがあり、ゼラニウムはそのうちの1つであるフローラル系に分類されます。精油を使う際は、1種類だけでももちろん良いですが、複数を組み合わせることで、香りに奥行きが生まれます。
精油のブレンドは意外と簡単なので、好みの香りを組み合わせて自分だけのオリジナルブレンドを作ってみましょう。ここではゼラニウムと相性の良い精油を紹介します。
前向きな気持ちになりたい時におすすめのブレンド
フローラル系のゼラニウムは、柑橘系と相性抜群です。柑橘系のレモンには心の不安や混乱を取り除き、明るい気持ちにさせてくれる効果があるため、ゼラニウムと合わせれば落ち込んだ気持ちを前向きにしてくれるでしょう。
精油をブレンドする分量は、レモン5滴:ゼラニウム2滴:ペパーミント1滴がおすすめです。
ぐっすり眠りたい時におすすめのブレンド
エキゾチックな香りが特徴のイランイランも、ゼラニウムと相性が良い精油の1つです。イランイランには鎮静作用があるので、安眠したい時におすすめ。また、同じフローラル系のラベンダーも安眠作用があります。
イランイラン1滴 + ゼラニウム1滴 + ラベンダー2滴の分量でブレンドすると良いでしょう。同じ種類のブレンドは香りがまとまりやすいので、初心者にもおすすめです。ぜひ挑戦してみてくださいね。
心のコリや疲れに…ゼラニウムのアロマ
華やかさと爽やかさを併せ持つゼラニウムのアロマは、心身のバランスを整えるのに役立ちます。忙しい家事や育児、仕事の疲れを癒したい時におすすめです。「最近疲れているなぁ」と感じたら、ゼラニウムのアロマを生活に取り入れてくださいね。
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