リードディフューザーとは、精油(エッセンシャルオイル)をアルコールなどで希釈したフレグランスオイルの入ったガラス瓶にリードスティックを挿し、香りを拡散させるアイテムです。本記事では、リードディフューザーの基本的な使い方やシーンに合わせたおすすめの精油の他、リードディフューザーの作り方を紹介していきます。
【基本】リードディフューザーの使い方
自宅で手軽に香りを楽しめるアイテムとして、リードディフューザーの人気が高まっています。まずは、リードディフューザーの特徴や基本的な使い方を紹介していきます。
リードディフューザーの特徴や魅力
リードディフューザーは、精油(エッセンシャルオイル)をエタノールなどで希釈したフレグランスオイル(以下、オイルと表記)が気化する性質を利用しています。容器に入れたオイルを細長い木製のリードスティックに吸い上げさせることで、香りを周辺に拡散させます。
リードディフューザーはおしゃれな瓶に入ったものが多いため、香りだけではなくインテリアとしても楽しめるのが魅力の一つ。また、水や電気が不要なため手間がかからず、さまざまな場所に置きやすい点もポイントです。
リードディフューザーの基本的な使い方
リードディフューザーの使い方はとても簡単。オイルが入った容器を開け、付属のリードスティックを入れて香りを広げたい場所に置いておくだけです。リードスティックを挿して1~2時間程度経つとオイルが気化し始め、空間に心地よい香りが漂います。
リードディフューザーは、使い始めて最初の1週間が最も香りが強い傾向にあります。それ以降はリードスティックの吸い上げ速度がゆっくりになっていき、香りが落ち着いていきます。
リードディフューザーを置く場所
リードディフューザーは、大きさによって香りが届く範囲が異なります。香りを漂わせたい空間の広さに合わせたものを選ぶと、香りが強すぎる、弱すぎるなどの失敗が起こりにくくなるでしょう。
例えば、リビングや寝室などの6~8畳程度の広さには、200mL程度のものが適しています。反対に、トイレや玄関などの狭い空間には60~100mL程度のものがおすすめです。広い部屋の一部分のみ香らせたい場合も、コンパクトサイズのものを使用してみてください。
また、リードディフューザーは直射日光を避け、暖かくて風通しの良い場所に置くと、香りが拡散しやすくなります。香りの成分は下から上に向かって広がる性質を持っているため、腰や胸の高さなど、鼻よりも低い位置に置いておくと、空気の流れとともに香りが広がりやすくなりますよ。
リードディフューザーを使う時の注意点
リードディフューザーを使用する際は、予め注意事項を確認しておくようにしましょう。オイルは精油やアルコールなど可燃性のものが材料なので、火器のそばに置いたり、直接触れたりしないようにします。小さな子どもがいる場合は、誤飲による事故が起こらないように気をつけてください。妊産婦の人は、精油の成分に注意が必要です。
また、ペットを飼っている場合は、リードディフューザーを使わない方が良いかもしれません。オイルの中に動物が代謝できない成分が入っていることがあったり、動物が苦手とする香りだったりするケースがあるためです。
その他、リードディフューザーの使用時にも気をつけるポイントがあります。木など、置く場所の材質によっては液垂れによる跡が残る恐れがあるため、トレーなどに乗せておくのがおすすめです。置く時は、リードスティックが周りのものに触れないようにします。オイルの影響で、触れているものが変質する恐れがあるためです。
リードディフューザーで香りを長く楽しむためのポイント
リードディフューザーの上手な使い方を知っておけば、香りが長持ちしやすくなるでしょう。ここでは、香りを長く楽しむためのワンポイントを紹介していきます。
リードの本数で香りを調整する
リードディフューザーの使い始めは、リードスティックがオイルを吸い上げやすいため強く香る傾向にあります。また、香りの強さはリードスティックの本数とオイルの量に比例します。そのため、使用し始めて香りを強く感じた時は、リードスティックの本数を減らして調整してみてください。
広く香りを拡散させる必要のない狭い空間で使用する際も同様に、リードスティックの本数を少なめにします。香りが弱いと感じたら、リードスティックを増やすと良いでしょう。
時間が経ったらリードをひっくり返す
リードスティックは時間経過とともに、毛細管現象という目詰まりを起こします。目詰まりをすると、オイルを吸い上げる力が弱くなってしまいます。オイルがまだ残っているのに香りが弱いと感じたり、オイルの減りが遅くなったと感じたりした時は目詰まりをしているかもしれません。そんな時はリードスティックをひっくり返して上下を逆さにすると、目詰まりを解消できます。
ホコリが付着していたら取り除く
粘性のある精油が使われたオイルの場合は、リードスティックにホコリが付いてしまうケースがあります。香りと同時に見た目も楽しみたいなら、定期的にホコリ取りをするのがおすすめ。
この時、リードスティックをティッシュやタオルで拭き取るのはNGです。ティッシュやタオルの繊維が引っ付いて、さらに汚れてしまうかもしれません。リードスティックに付着したホコリは、エチルアルコールなどの消毒用アルコールで落としましょう。
ドロつきを感じたら無水エタノールを加える
オイルに含まれる水分は、時間経過とともに気化していきます。水分が気化するとオイルの粘性が強くなり、リードスティックなどがドロドロになってくる場合があります。このような場合は、無水エタノールを精油に加えて水分を補充してみてください。
【シーン別】リードディフューザーにおすすめの精油
リードディフューザーの香りを置く場所に合わせて、より魅力的な空間を作ってみてはいかがでしょうか。ここでは、使用シーン別におすすめの精油を紹介していきます。
リビングにはラベンダーやペパーミント
人が集まるリビングは、万人受けしやすい香りを選んでみてください。主張が強い香りは鼻につきやすいため、注意が必要です。特におすすめなのは、ハーブ系に属するラベンダーやペパーミント。ラベンダーはリラックス効果が高いことで有名です。
ペパーミントはすっきりと清涼感のある香りで、気持ちをクリアにしてくれるでしょう。花粉症や鼻が詰まっている時にもおすすめです。
寝室にはネロリやフランキンセンス
寝室に使う精油は、安眠効果や心を落ち着けてくれるものがおすすめ。フローラル系のネロリは、ビターオレンジの花から抽出される精油です。優雅な香りが、きっと心を癒やしてくれるでしょう。
樹脂系のフランキンセンスは、少しスパイシーで落ち着きのある香りが魅力です。心が穏やかになり、温もりを感じながら眠りにつけるかもしれません。
トイレにはレモングラスやティートリー
トイレには消臭効果や殺菌効果の高い精油が最適です。レモンに似た香りのするレモングラスは、ハーブ系の精油。消臭効果が高く、爽やかな印象の香りです。グリーン系に属するティートリーは、消臭・殺菌効果に優れています。清涼感のある香りで、清潔感を演出できるでしょう。
玄関にはオレンジ・スイートやヒノキ
毎日出入りする玄関だからこそ、良い香りに包まれたいもの。玄関の香りは来客がある時にも良い印象を与えやすい、万人受けするものがおすすめです。
シトラス系のオレンジ・スイートとウッディ系のヒノキ精油は、どんな人にも受け入れられやすい香りです。オレンジ・スイートは明るい印象を与え、ヒノキは清々しさを演出してくれます。
精油(アロマオイル)の使い方はこちらの記事で詳しく紹介しています。
リードディフューザーの作り方
リードディフューザーは、手作りすることも可能です。ここから紹介する材料や作り方、コツを参考に、リードディフューザー作りに挑戦してみてはいかがでしょうか。
手作りリードディフューザーの材料
まずは、手作りリードディフューザーの材料と注意点をチェックしていきましょう。
<材料>※50mL容器分
- 無水エタノール:50mL
- お好きな精油:5mL(100滴前後)
- ガラス製の容器:1個
- リードスティック:3〜6本(お好みで)
もし可能であれば、グリセリンを追加してみてください。グリセリンを加えることで、より長持ちしやすくなります。
<注意点>
精油やエタノールの成分で溶けてしまう恐れがあるため、プラスチック製容器の使用は避けてください。ガラス製の容器は家にある空き瓶などで問題ありませんが、口が広いものはオイルを蒸発させやすいため、なるべく口の狭いものを選ぶのがおすすめです。
精油やエタノールの成分で溶けてしまう恐れがあるため、プラスチック製容器の使用は避けてください。ガラス製の容器は家にある空き瓶などで問題ありませんが、口が広いものはオイルを蒸発させやすいため、なるべく口の狭いものを選ぶのがおすすめです。
リードディフューザーの作り方
①ガラス瓶に無水エタノールを注ぐ
口が狭くて注ぎにくい場合は紙コップを折り曲げたり、ろうとを使ったりして注ぎます。なお、無水エタノールは引火性があるため、使用や保管は火気の近くを避けてください。
口が狭くて注ぎにくい場合は紙コップを折り曲げたり、ろうとを使ったりして注ぎます。なお、無水エタノールは引火性があるため、使用や保管は火気の近くを避けてください。
②精油を加える
無水エタノールの量によって、精油を何滴入れるかは異なります。無水エタノールと精油の最適な比率は10:1です。例えば、無水エタノールを50mL使用するなら、アロマオイルは5mL(約100滴)となります。より丁寧に作りたい場合は、ガラスビーカーで精油と少量の無水エタノールを混ぜてから加えるのがおすすめです。このひと手間によって、粘度の高い精油を混ぜやすくなります。
無水エタノールの量によって、精油を何滴入れるかは異なります。無水エタノールと精油の最適な比率は10:1です。例えば、無水エタノールを50mL使用するなら、アロマオイルは5mL(約100滴)となります。より丁寧に作りたい場合は、ガラスビーカーで精油と少量の無水エタノールを混ぜてから加えるのがおすすめです。このひと手間によって、粘度の高い精油を混ぜやすくなります。
③グリセリンがある場合は、加える
量の目安は全体の10%程度です。無水エタノールが100mLの場合、グリセリンは10mLが適量となります。
量の目安は全体の10%程度です。無水エタノールが100mLの場合、グリセリンは10mLが適量となります。
④リードスティックを挿す
ガラス瓶にリードスティックを挿したら完成です。リードスティックが長すぎる場合はカットして調節しましょう。
ガラス瓶にリードスティックを挿したら完成です。リードスティックが長すぎる場合はカットして調節しましょう。
リードディフューザー作りのコツ
リードディフューザーで使うオイルは直接肌に付けるものではないので、香りの強さで精油の量を調整しても問題ありません。使用する容器のサイズにもよりますが、香りが強すぎる場合は無水エタノールを増やして薄めてみてください。柑橘系などの持続しにくい香りや、香りが強くない精油は、作る際に少し多めに入れておくと良いでしょう。
リードディフューザーの使い方を知って、香りをより楽しんで
リードディフューザーは香りだけではなく、インテリアとしても楽しめるアイテムです。シーンに合わせてオイルを変えると、空間の印象を変えたりメリハリを作ったりできるでしょう。お気に入りの香りを、リードディフューザーで楽しんでみてください。
【こちらの記事も読まれています】