黒色は道教で魔除けの色だったことから、黒豆には厄を祓い、無病息災を願う意味が込められています。
また、「まめ」という言葉には「まじめ」「元気」「健康」という意味もあるので、まめに(まじめによく)働き、まめ(元気で健康)な暮らしが送れますように、という願いが込められています。
③田作り
田作りとはカタクチイワシの稚魚を乾燥させ、醤油、砂糖、みりんを煮詰めて味付けしたものです。
田作りの語源は、昔はイワシが田植えの肥料に使われていたことから「田を作る肥料」として田作りと言われるようになりました。
イワシを撒いた田んぼは栄養が豊富で豊作になりやすかったため、田作りには豊作祈願の意味が込められています。
そのため田作りは、別名「ごまめ(五万米、五真米)」とも呼ばれます。
また、田作りはカタクチイワシの稚魚を使っていることから、子孫繁栄を祈願する意味も込められています。
④紅白かまぼこ
紅白かまぼこの紅は新年の慶びと魔除け、白は清浄さと神聖を表しています。
おせち料理の紅白かまぼこは紅白を交互にして市松模様にしたり、孔雀形に切るなど、様々な飾り切りの形があります。
紅白かまぼこは縁起の良い色であることと、かまぼこの半円形が初日の出に似ていることからおせち料理に取り入れられています。
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⑤栗きんとん
栗きんとんの歴史は室町時代に栗を餡子にしたものを丸めたお菓子が始まりとされ、明治時代に現在の栗に餡子を和えた栗きんとんになったとされています。
栗きんとんは漢字で「栗金団」と書き、「金団」は金の団子という意味であることから、栗きんとんの黄金色は財宝に見立てられます。
栗きんとんの餡子には栗以外にさつま芋が使われ、黄金色を鮮やかにするためにクチナシの天然色素を使うこともあります。
そして栗は昔から「勝ち栗」と呼ばれる縁起物であることから、栗きんとんには運担ぎと金運成就の意味が込められています。
⑥伊達巻
伊達巻は魚のすり身に卵黄を加え、砂糖やみりんで味付けして焼き上げたものです。
伊達巻の伊達には華やかという意味があり、「見た目が華やかな卵焼き」ということで伊達巻と呼ばれるようになったと言われています。
伊達巻は見た目が巻物に似ていることから、「学問や文化の教養を身に付けて、賢い人になれますように」という願いが込められています。
そして卵が使われていることから、子宝に恵まれるという意味もあり、丸い形は仲の良い家族を表すので、子孫繁栄と家庭円満の意味を表しています。
⑦ちょろぎ
ちょろぎとは、しそ科植物の茎にできる塊です。
おせち料理では、黒豆と一緒に入っていることが多いです。
販売されているちょろぎは大体赤色をしていますが、これは梅酢で着色されたもので、本来のちょろぎは白色しています。
ちょろぎは「長老喜」「千代老木」などと漢字で書くことから、健康長寿を願って食べられます。
⑧ブリ
ブリは大きさによって名前が変わる魚です。
モジャコ→ワカナ→イナダ→ワラサ→メジロ→ブリというように、成長するにつれて名前が変わっていくことから、出世魚とされています。
出世魚であるブリの縁起の良さにあやかって、立身出世できるよう願いを込めて食べられます。