第18位:1Q84 a novel BOOK3前編 10月-12月 (新潮文庫)
『1Q84 a novel BOOK3 10月-12月』は2009年から2010年にかけて発表された12作目の長編で、3部作の完結編です。当初完結編と呼ばれていたBOOK2から約1年後に発表されました。
BOOK3ではこれまでの語り手・青豆と天吾の他に、2人を調査する牛河という人物の章が加わって物語が展開します。牛河の章で語られる宗教団体「さきがけ」の姿、そして近くに存在しながら青豆と天吾が再会できなかった理由など、これまでの謎の真相が少しずつ明かされていきます。
第17位:世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド 新装版 下 (新潮文庫)
『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』は1975年に発表された4作目の長編で、「世界の終り」と「ハードボイルド・ワンダーランド」の2つの章が交互に展開される作品です。
下巻では対照的に見える2つの世界が、あるキーワードを通して関連づけられていく様子が描かれています。「世界の終り」で影を失った主人公、「ハードボイルド・ワンダーランド」で意識の核の真相を知った主人公、2人はどんな結末を選ぶのでしょうか。村上春樹さんの初期の傑作とも呼ばれる1作です。
第16位:国境の南、太陽の西 (講談社文庫)
『国境の南、太陽の西』は1992年に発表された7作目の長編で、小学生の主人公が1人の転校生と出会うことから始まる物語です。
この作品では主人公が小学生から中学生になり、そして大人になっていく様子が、様々な女性との出会いを交えて描かれます。特に思春期ならではのもやもやした心情を綴ったパートは、言葉にできない思いを巧みな比喩で表現していると、ファンから高い人気を集めています。1冊で完結するので入門編としてもぴったりです。
第15位:海辺のカフカ 下 (新潮文庫)
『海辺のカフカ』は2002年に発表された10作目の長編で、ギリシャ神話のエディプス王の悲劇と源氏物語などの日本の古典をベースに描かれた物語です。
父にかけられた呪いを解くために戦うカフカ少年と、猫と会話ができる知的障害の男性ナカタさん。最初は接点のなかった2人がある出来事をきっかけに接近していきます。
カフカの父を殺したのは誰なのか、佐伯さんの正体は…など提示されてきたさまざまな謎が少しずつ明らかになります。また物語が進むにつれ、カフカも少しずつ成長を遂げていきます。複雑な構成の作品ですが、読み終えた時の爽快感は格別です。焦らずじっくり読んでみて下さい。
第14位:世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド 新装版 上 (新潮文庫)
『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』は1985年に発表された4作目の長編で、「世界の終り」と「ハードボイルド・ワンダーランド」の2つの章が交互に展開される作品です。
村上春樹さんの自伝的小説であるこの作品は、冒険的な『ハードボイルド・ワンダーランド』と幻想的な『世界の終り』のほかに、もう1つ別の世界が描かれている点がポイントです。作品中に散りばめられたキーワードが、これらの世界をどう結びつけていくのでしょうか。展開を想像してから下巻に進んでみて下さい。
第13位:1Q84 a novel BOOK1 後編 4月-6月 (新潮文庫)
『1Q84 a novel BOOK1 4月-6月』は2009年から2010年にかけて発表された12作目の長編で、3部作の第1弾です。執筆にあたり、ジョージ・オーウェルの『1984年』にインスパイアされたと言われています。
スポーツインストラクターをしながら暗殺業も請け負う青豆と、小説家を目指す予備校講師の天吾、幼い頃離れ離れになった2人は月が2つある「1Q84」の世界に迷い込みます。そして天吾が出会った小説『空気さなぎ』をめぐって新たな謎が提示されます。目が離せない展開に、ページをめくる手が止まらなくなる1作です。