Bella Beauty CLINIC理事長
石川 佳奈先生
(ベラビューティークリニック(Bella Beauty CLINIC) 心斎橋院)
日本美容外科学会、日本美容皮膚科学会、日本化粧品学会所属 藤田保健衛生大学卒業。市民病院にて勤務後、大手美容クリニックにて美容外科、美容皮膚科の経験を積む。 現在はBella Beauty CLINIC理事長兼心斎橋院の院長として美容医療に携わる傍ら、美容医療に関する記事の監修も多数行っています。
提供元:Her ELEGANCE
夏に毛穴が開きやすくなる原因
夏に毛穴が気になりやすくなるのはなぜでしょうか。毛穴を引き締める方法の前に、まずは夏に毛穴トラブルが起こりやすい原因を紹介します。
高温多湿な気候
日本の夏は高温多湿な気候が特徴です。気象庁のデータによると、2020年8月の東京の平均気温は29.1℃、平均湿度は76%にもおよびます。
気温や湿度が上がるにつれて増えていくのが、皮脂の分泌。気温が上がることで、代謝が活発になることに連動し、皮脂腺の活動も活発化し皮脂分泌が増えるからです。
また、汗の蒸散により肌の水分量が下がってしまうことで、内部保護のため皮脂が多く分泌されるためです。
皮脂は毛穴を通って肌表面に出てくるため、皮脂の分泌が過剰な夏は毛穴は押し広げられた状態になります。また、夏は汗の量も増えることから、開きっぱなしの毛穴に汗で流れたメイク汚れや角栓などが詰まり、毛穴が目立ちやすい傾向にあります。
強力な紫外線
5~8月頃は1年で最も紫外線の量が増えますが、この強力な紫外線も毛穴を目立たせる原因です。
紫外線は肌の奥にある真皮層にまで達して、肌にダメージを与えます。こうした紫外線ダメージから肌を守るため、肌表面の角質層が厚みを増すことに。
すると、肌内部の乾燥を引き起こして、ターンオーバーが乱れます。その結果、肌表面に溜まった角質と皮脂が混ざり合って角栓を作り、毛穴を詰まらせるのです。さらに、角栓は放っておくと酸化してしまい、毛穴の黒ずみも引き起こします。
よく効いた冷房
高温多湿で肌の潤いは十分そうな夏ですが、実際には冬と同じくらい乾燥している可能性があります。その理由が冷房です。
蒸し暑い夏だからこそ欠かせない冷房ですが、冷房をかけた部屋は真冬と変わらないほど湿度が低いことも。一方で、保湿ケアをおろそかにしやすいため気づかないうちに肌の乾燥が進み、ハリや弾力が低下します。結果として頬がたるみ、たるみ毛穴を目立たせてしまうのです。
また過度に肌の乾燥が進むと、失われた水分を補うために皮脂の分泌量が増えます。そのため、角栓による毛穴詰まりにつながることも珍しくありません。
開いた毛穴を引き締めるスキンケアのポイント
開いた毛穴が気になったら、健やかな肌作りの土台となるスキンケアを根本から見直してみましょう。それでは、毛穴を引き締めるためのスキンケアのポイントを紹介します。
皮脂の取りすぎを防ぐ
毛穴を開かせる原因として知られる皮脂ですが、実は健やかな肌には欠かせない存在。と言うのも、皮脂には肌の表面をバリアして潤いを保つ働きがあり、少なすぎると乾燥肌の元となってしまうのです。
一方で、過剰な皮脂は毛穴の開きや肌荒れといった肌トラブルを引き起こしてしまいます。スキンケアをするときは過剰な皮脂を取り除くことを意識しつつ、必要な皮脂まで奪いすぎないように気を付けてください。皮脂量のバランスが良いと、自然と毛穴の引き締まった肌に近づきます。
おすすめなのが洗顔料の見直しです。スクラブの入った洗顔料で洗うと皮脂が落ちてすっきりした気分になりますが、繊細な大人の肌には刺激が強すぎる場合もあります。肌への優しさにこだわった洗顔料を使って、たっぷりの泡で包み込むように洗ってみてください。
メイク落としもクリームタイプやジェルタイプなど、肌への刺激が少ないものをセレクトするのが良いでしょう。
紫外線対策をおこなう
過剰に分泌された皮脂をそのままにしておくと、夏の強い紫外線を浴びるうちに酸化し、やがて毛穴の黒ずみや角栓につながります。また、紫外線を浴び続けると、肌は自らダメージを防ぐ目的から角質を厚くします。その結果、古い角質が溜まって毛穴を目立たせる上、さまざまな肌トラブルの原因にもなるのです。
つまり毛穴を引き締めるには、皮脂のバランスを整えると同時に、万全の紫外線対策を行うことが重要です。
日焼け止めクリームは外出時はもちろん、屋内で過ごすときにもきちんと塗るようにしましょう。帽子やサングラスなど、紫外線を防止するグッズの積極的な活用も大切です。