アセクシャルの指向
先ほど少し指向について書きましたが、性的指向と恋愛的指向は、別の概念として使われることもあります。
まずは性的指向というのは、どの性別の人を恋愛対象にするかという指向になります。
これは自分の意志で形成されるものではありません。
誰かを好きになる時って、理由はありませんよね。
異性愛や同性愛、両性愛を大きなくくりとしています。
使い方としては、性的指向は異性愛、という感じで、性的欲求を持つのは異性にのみ、という意味あいになります。
恋愛的指向というのは、どの性別の人に対して恋愛感情を抱くかという指向になります。
恋愛感情は、プラトニックな「好き」になります。
性的欲求とは切り離されたところでの出会いや、ずっと一緒に居たい人、家族のような人、というイメージでしょうか。
この性的指向と恋愛的指向が一致している人もいれば、バラバラになる人がいるというのも特徴になります。
アセクシャルの人が受ける誤解
アセクシャルの人が、受けてしまいがちな誤解は、「冷たい人だ」と思われてしまうことです。
もしも友達や彼氏がアセクシャルかもしれない、と感じても、こんな誤解はしないでくださいね。
アセクシャルの人は、「誰も好きになることができない人」と勘違いをされることが多いからです。
しかし、アセクシャルは出会いもありますし、誰も好きになれないわけではありません。
確かに恋愛感情や性的欲求はありませんが、友情や家族愛などは持っているのです。
家族のことが大切だと感じたり、飼っているペットを可愛いと思う感情はしっかりと持っています。
出会いや友達、仲間を大切だと思う気持ちもあります。
ただ友達から彼氏へという、恋愛感情にはならない、というだけなのです。
恋愛へと気持ちが発生しない分、深い友情を築くことができる可能性はあります。
アセクシャルの人がイコール冷たい人、というイメージが払拭されるといいですね。
アセクシャルは生まれつき?
アセクシャルになる原因というのは、何か原因があるのでしょうか。
自分や友達、彼氏がどうしてアセクシャルになったのか、と原因を悩みに思っている人もいるかもしれません。
好きとか嫌いとかいう恋愛感情の原因というのはないですよね。
それと同じように、アセクシャルになる原因はありません。
原因はないので思春期になって、自然に自分の中の無性愛に気が付くのかもしれませんね。
先天的な原因があるのでは、とか後天的な原因があるのでは、という原因の説があるようです。
育った環境や出会いで少しは原因と呼べるものがあるのかもしれませんが、現在の時点でこれが原因というものはありません。
男性にも女性にも、アセクシャルの人がいることから、性別が原因というわけでもなさそうです。
アセクシャルはなおせる?
自分や彼氏、友達はアセクシャルかもしれない、と悩みを抱えている人もいるかもしれませんね。
そんな悩みに対して、「今はまだ、そういう相手との出会いがないだけ」「出会いがあれば変わる」と答える友達もいるかもしれません。
しかし本当にアセクシャルの人の悩みは、相手に巡りあうということではないところにあるので、悩みは解決していないのです。
例えばレズビアンの人やゲイの人は、以前は病気だと言われたり、気の迷いだと言われた時期もありました。
多数派でないことが、普通ではないと決めつけられていた時代もあったのです。
今ではそういう恋愛的指向や性的な指向を持っている人がいることが認知されてきています。