お正月のしめ縄
毎年、お正月になると、家の門や玄関・そして神棚にしめ縄を飾っていますね。何故、お正月の時だけしめ縄を飾る暮らしが昔から続いているのでしょう。
それは、家に「年神様」という、お正月の神様をお迎えする為と、「年神様」を祭る場所を示す為、しめ縄を張っているのです。「年神様」は、新しい年を元気で、無事に過ごすための英気を与えてくれます。
しめ縄を作る為に、農家では秋の収穫の際に、ワラを蓄えておきます。ワラは、お米のついていた稲の茎や葉を乾燥させたものです。
ワラ打ち石の上で、横槌で打ってワラを柔らかくして、しめ縄を作ります。昔から農家の暮らしでは、五穀豊穣を祈っていたので、お米を守ってくれたワラを使って、一年の無事を祈るしめ縄を作ってきました。
お正月の暮らしに欠かせないしめ縄はいつからいつまで飾るの?
毎年お正月になると、しめ縄を飾っている家屋は多く見かけますね。そうした暮らしは昔から続いています。でも、そのしめ縄は、いつから飾るのでしょう?それは実は、場所や人によって異なります。
しめ縄は玄関の軒下や神棚に飾られます。大体は、28日頃からですが、場合によっては、25日くらいから飾る方もいらっしゃいますので、特に何日からと、限定された日は定められていません。
門松と同様に、29日や31日に飾るのは嫌われます。29日の9は苦に通じる、31日は元旦の前の日なので、人として神様に失礼だとされています。尚、神社では、30日から取り付ける所もあります。
しめ縄はいつまで飾ればいいの?
では次に、しめ縄はいつまで飾っておけばいいのでしょうか?昔から、松の内(元旦から7日、または15日まで)が過ぎたらはずして、1月15日の「どんど焼き」まで処分する暮らしを送ってきました。
昔は成人式が1月15日でしたので、成人式に「どんど焼き」というイメージが定着していましたが、平成10年から法の改正により、成人式は1月の第二月曜日になってきてから、分かりにくくなっていますね。
実は、1月15日は小正月なのです。正月には「大正月」と「小正月」があります。「大正月」は1月1日から1月7日頃までをいいます。その間に公式行事の多い暮らしを昔から、送ってきました。そして「小正月」は1月15日を中心として、地方での様々な行事を行う暮らしを送っていますね。
以上により、お住まいの地域で、「どんど焼き」で処分する為の回収日まで飾っているのが、一般的となっています。
鳥居のしめ縄は、何故いつまでも飾ってるの?
神社の鳥居って、いつまでもしめ縄を飾ってますよね。でも実は、それも神社によってまちまちなのです。会社も会社や人によって、経営方針が違うように、神社もしめ縄をいつから飾るか、いつ処分するのか神社や人によって異なって来るのです。
30日に取り付け始めて、31日には取り付け終わる神社もあれば、夏や秋のお祭りや神事の時に取り換える神社もあります。大体は、年に1回の割合のようですが、しめ縄が汚れてきたので処分する、という訳では無く、あくまでも、節目の時に取り換えるのが、神社では一般的のようです。
神社によっては、お正月の間だけや、1年中しめ縄を飾ってる所もありますので、バラバラで、よく分かりませんよね。要は地域や人によって異なると理解されると、分かりやすいのかもしれませんね。
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神木のしめ縄が、いつまででも飾ってる理由は?
お正月に三社参りをされて、気が付かれた方もいらっしゃるかもしれませんが、神社のご神木。さっきの神社では、神木にしめ縄があったのに、この神社では、しめ縄を飾ってない。そして1年中飾ってある神木もある。全く訳が分かりませんよね。
しめ縄は、神聖な場所と俗世間との境界線でもあります。
その為、“標縄”(しめ縄)とか、三筋、五筋、七筋とワラを垂れ下げる事から、“七五三縄”(しめ縄)とも表記されます。要は、清浄であるという印です。
この神木のしめ縄も、神社の鳥居のしめ縄同様、主に新しい年を迎える前、年末に変えられますが、その神社にとって大きな節目となる神事の時に取り換えられる事が多いようです。
お住まいの地域によって、神事も多種多様ですので、神のみぞ知る。という所ですね。
磐座(いわくら)のしめ縄も、いつまで?
皆様は、磐座(いわくら)ってご存知ですか?磐座って聞いたこともない方もいらっしゃるかもしれませんね。プチ登山や、バスハイクなどに行かれた時、山中や崖などに、しめ縄を飾っている大きな岩をご覧になった事はございませんか?
それが磐座という、神様の鎮座する所です。こんな山奥や切り立った崖に、何故しめ縄を飾っているのか、いつも飾っているけど、ずっとそのままなのか、不思議発見ですね。この磐座は人が踏み入れるのに大変な所に多々ありますが、神様の鎮座される所ですので、やはり重要な神事の際は、人としては、新しくしたいですよね。
取り換えるのに苦労はしても、信仰の力がそこに働いています。こちらも、大体年に1回ほどの割合で、古いものを処分し、新しいしめ縄を飾っています。