記事の目次
- 1.新生児の赤ちゃんとは?
- 2.新生児の赤ちゃんの原始反射とは?
- 3.新生児の赤ちゃんの哺乳反射の一覧
- 4.新生児の赤ちゃんの押し出し反射
- 5.発達の目安にもなる原始反射
- 6.反射中枢が脊髄にある原始反射一覧
- 7.新生児の赤ちゃんのガラント反射
- 8.新生児の赤ちゃんのバビンスキー反射
- 9.新生児の赤ちゃんの歩行反射
- 10.新生児の赤ちゃんの手掌把握反射
- 11.新生児の赤ちゃんの足底把握反射
- 12.新生児の赤ちゃんの交叉伸展反射
- 13.新生児の赤ちゃんの屈筋逃避反射
- 14.反射中枢が脳幹にある原始反射一覧
- 15.新生児の赤ちゃんの引き起こし反射
- 16.新生児の赤ちゃんの非対称性緊張性反射
- 17.新生児の赤ちゃんの緊張性迷路反射
- 18.新生児の赤ちゃんのモロー反射
- 19.赤ちゃんの対称性緊張性頚反射
- 20.赤ちゃんのパラシュート反射
- 21.【おわりに】原始反射は未熟な人間の赤ちゃんにとって大切な機能
■参考記事:新生児の吐き戻しの原因は?コチラも参照!
新生児の赤ちゃんの押し出し反射
哺乳反射という生命維持に必要な原始反射の種類一覧を見てきましたが、哺乳反射と関連深い原始反射に、押し出し反射というものがあります。押し出し反射は固形物が口内に入って、赤ちゃんの舌に触れた場合に、それを舌で押し出そうとする原始反射です。新生児の赤ちゃんは、液体を飲み込むための哺乳反射と同時に固形物の異物を押し出す原始反射を持って生まれてきます。
新生児時期などの低月齢のうちは固形物を噛んで飲み込む力が未熟なため異物などを誤飲する危険性も高いため、持って生まれた押し出し反射によって、それを回避、予防していると考えられています。
そして押し出し反射は乳首では出現せずに哺乳反射の妨げにはならないのです。押し出し反射が消失する頃が、離乳食の初め時と考えられています。赤ちゃんの神秘的な力はお母さんの子育ての手助けにもなっているのですね。
■参考記事:新生児の母乳量の目安って?コチラも参照!
発達の目安にもなる原始反射
生まれたての人間の赤ちゃんは、運動機能が未熟な状態です。他の哺乳類に比べても、非常に未熟な状態で生まれてくるために、子育てにも時間がかかります。目もほとんど見えず、泣く以外の方法で自分の意思を伝えることもできません。未熟な赤ちゃんが胎外の環境に適応できるために備わっている大切な機能が原始反射なのです。上記の哺乳反射一覧では、そんな赤ちゃんが自力でお母さんの乳首を探し当て吸い付き、母乳やミルクを飲むための生命維持のための機能が認識できました。
原始反射には生命維持の役割の他にも運動機能の発達にもとても大切なものです。原始反射の無意識の動きを繰り返すうちに、赤ちゃんの中枢神経や筋力が成長し、自分の意志でその動きを実行できるようになるのです。生まれた時は反射によって飲んでいた母乳やミルクも、やがては自分の意志で飲むことができるようになるのです。
原始反射は、健常な赤ちゃんが持って生まれてくる機能ですので、その有無や強弱や、出現の仕方を子育てを通して観察することで、その赤ちゃんの特徴や発達の目安にもなります。反射中枢の場所別に色々な原始反射の一覧を見ていきましょう。
反射中枢が脊髄にある原始反射一覧
原始反射の中で、その反射中枢が脊髄にある種類の一覧をご紹介します。
反射中枢が脊髄にある原始反射の特徴は、同じ刺激に対して常に同じ反応を示すということです。
いったいどのような反射なのでしょうか?
新生児の赤ちゃんのガラント反射
新生児の赤ちゃんに、とても大事な原始反射の種類の一つにガラント反射というものがあります。このガラント反射は反射中枢が脊髄にある種類の原始反射です。赤ちゃんのガラント反射とは、赤ちゃんを膝の上に乗せてうつ伏せに寝かした状態にし、指先で肩甲骨から背骨に沿って上から下にゆっくりこすると、赤ちゃんがこすった側へ体をクネッと曲げる動きのことを言います。
ガラント反射の他に、ギャラン反射や側弯反射とも言います。ガラント反射は赤ちゃんが、刺激から逃れるための大切な原始反射です。また、ガラント反射は胎児時には子宮の中で動いたりするためにも必要な反射運動です。
ガラント反射が出現する時期は在胎32週くらいです。ガラント反射は胎内での運動にかかせない動きでもあり、生後もガラント反射を繰り返すことで赤ちゃんのバランス感覚が養われると言われています。もし、ガラント反射が全く見られない場合は背骨に異常がある場合もあります。