妊婦の方は、目薬も慎重に選びましょう
妊娠の方が、ものもらいや目の疲れ、もしくは花粉症による症状を覚えたとします。そんなとき、赤ちゃんへの影響を考えると、市販の目薬を使うことをためらってしまうことも多いでしょう。
目薬の成分表示を見ても、一般人にとっては意味の分からない薬品の名前ばかりが並んでいます。薬剤師や登録販売者など、相談できる人がいる店舗で買えば間違いはありませんが、コンビニやインターネットで買うときはそうも行きません。
妊婦の方は、目薬のどの成分を避ければ大丈夫なのか。その基礎知識を得ておくことは、赤ちゃんの発育にとっても重要なことなのです。
妊婦の方が目薬を使うときの注意点
中でも気をつけなくてはならないのは、妊娠16週間くらいまでは、できるかぎり市販薬を使うことを控えなくてはならない、という事実です。この期間は、赤ちゃんの臓器が作られるとても重要な時期です。薬の影響が大きく出る期間でもあるので、ものもらいや花粉症になったとしても、安易に薬に頼ることは避けるべきなのです。
どうしても目の症状が辛いというときは、医師に相談しましょう。自己判断で市販の目薬を買うことは避けてください。
妊娠してから16週間を過ぎたら、適正に選ばれた市販の目薬を使えば大丈夫です。
局所的に使う目薬は、薬の成分が目から直接吸収されるため、全身作用が少ないことが特徴です。ただし、たった1滴の目薬の使用でも、その内の微量は体内を巡る血液中に流れてしまいます。用法・用量を守らない無闇な乱用は絶対に避けてください。
妊婦の方が使える「市販」の目薬は、ある?
妊娠16週間を過ぎた妊婦の方が、ものもらいや花粉症で目の異常を感じたときは、わざわざ医師の診察を受けなくても、市販の目薬で症状を抑えられることがあります。しかし、かならず避けなくてはならない薬の成分もあるので、それだけはしっかり記憶にとどめておかなくてはなりません。
ここからは、目の症状別に、妊婦の方が気をつけなくてはならない注意事項についてまとめて行きます。市販の目薬に含まれている成分についてもご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
妊婦が使える目薬(1)【花粉症】
花粉症で、目のかゆみやかすみに悩まされる妊婦の方も多いでしょう。実は、妊娠してから花粉症の症状が酷くなった、という方も多いと聞きます。
これは、妊娠してホルモンバランスが変わり、体質が変化した結果です。花粉症が悪化したり、突然花粉症を発症するケースもあります。
妊娠中の様々な悩みに花粉症の辛さも加わるのでは、ストレスはとても大きくなってしまいます。手軽に買える市販の目薬で、少しでも早く症状を抑えたいですね。
後述しますが、花粉症に効く目薬には、妊婦に使ってはいけない成分が含まれることがあります。その成分さえ避ければ、妊婦の方でも市販薬で花粉症の治療をしても大丈夫です。
妊婦の方が避けるべき目薬の成分【花粉症】
プラノプラフェン
花粉症による、目のかゆみや異物感を取り除く効果のある成分です。アレルギーを抑えるための目薬にもよく使用されています。
こちらの成分は、出産を遅らせる恐れがあり、「妊婦」や「妊娠していると思われる人」の使用がなされないよう、目薬の添付文書に記載がされています。
そのため、この成分の含まれる目薬は絶対に避ける必要があります。添付文書や成分表示をよく読み、プラノプラフェンが含まれないか、必ずチェックしてください。
その症状、本当に花粉症?
実は、くしゃみや鼻水などの症状が出ても、その原因が花粉症ではない場合があります。そのとき考えられる病気の一つは、「血管運動性鼻炎」です。
花粉症と似た症状を引き起こしますが、その主な原因はストレスです。妊娠によるストレスがたまり自律神経が乱れると、鼻粘膜がむくんでしまうことがあるのです。その結果、くしゃみや鼻水を伴う鼻炎を発症します。
花粉症か血管運動性鼻炎かの区別は、素人には判別しにくいです。「花粉症にしては症状が重い」と感じたときは、まず病院で医師の診察を受け、どちらの症状なのかを診断してもらいましょう。目薬を買うのはそれからです。