【医師監修】産後に体重が減らない原因は?産後の体重の減り方の目安と対処法

【医師監修】産後に体重が減らない原因は?産後の体重の減り方の目安と対処法

出産後、体重計に乗ってみたら、思っていたほど減っていなかった、という人は多いのではないでしょうか?産後の体重の減り方や減るペースはどのような感じで、どのような対処法があるのでしょう。東京医療保健大学の米山万里枝教授にお話を伺いました。

記事の目次

  1. 1.出産後の体重、思ったよりも減っていない…
  2. 2.妊娠中に体重はどのくらい増えている?
  3. 3.産後の体重の減り方は?理想的な体重を戻すペース
  4. 4.産後に体重が戻らない原因とは?
  5. 5.産後の体重増加は第2子以降はますます戻らない?!
  6. 6.産後のダイエットで痩せる方法
  7. 7.産後の体重コントロール 絶対にやってはいけないこと!!
  8. 8.体重の減りすぎには要注意!!
  9. 9.産後のダイエットは無理せず自分のペースで!!

出産後の体重、思ったよりも減っていない…

無事に出産も終わって、お腹にいた赤ちゃんも外の世界へやってきました!お腹に赤ちゃんを守るベッドの役割をしてくれていた羊水や胎盤も、赤ちゃんと一緒にほぼすべて外に排出されて、お腹もようやくぺったんこに。さて、体重も妊娠前に戻っているのかと思いきや…。

出産後に体重計に乗ると、妊娠前の体重には戻っていないことに、がっかりするお母さんたちが多いと言われています。この体重はいつ戻るのでしょうか?

実は妊娠中というのは、お腹の赤ちゃんや羊水、胎盤だけではなく、赤ちゃんを育てるためや、厳しい出産に備えるためのエネルギーを蓄えようと、血液や脂肪も増えるのです。

産後の体重の減り方は血液は出産の際に出血を起こすので、それで減ることが多いのですが、脂肪は出産後もほぼそのまま残ってしまいます。

いったい産後の体重はいつ戻るのか、体重の減り方や減るペースはどのくらいが理想的で、なかなか体重が減らない時の原因や対処法にはどのようなものがあるのでしょうか?

監修者は…米山万里枝教授
妊婦の健康管理・指導、出産後の体調・メンタルケアから乳児指導まで母子保健に関する一連の管理・指導活動を行う助産師資格を取得する助産学専攻科、助産師資格を有してキャリアアップをする大学院の教授。

所属:東京医療保健大学
医療保健学部 看護学科/助産学専攻科、大学院 医療保健学研究科
職位:教授
学位/資格:博士(医療福祉経営学)、MBA(経営学修士)、看護師・助産師 等
専門分野:母性看護学・生殖発達看護学 (女性学)・臨床助産学・助産教育学・臨床教育方法 等

■参考記事:産後に痩せない理由…、コチラもチェック!

産後に痩せない原因は?ダイエットや母乳育児で痩せられるの? | Lovely[ラブリー]のイメージ
産後に痩せない原因は?ダイエットや母乳育児で痩せられるの? | Lovely[ラブリー]
産後に痩せない。出産すると痩せると聞いていたのに…なぜ?産後1ヶ月ならともかく、1年経っても痩せないと不安になってしまいますね。期間ごと(1ヶ月、3ヶ月、半年、1年)の産後の状態、産後に痩せない原因、そして効果的なダイエット方法についてお話します。

妊娠中に体重はどのくらい増えている?

出産後に体重はいつ戻るのか、体重の減り方はどのくらいの減るペースで落ちればいいのかを見ていく前に、妊娠中と言うのは、体のどこにどのくらいの体重が増えるのか見ていきましょう。

出産直前の妊婦さんの体重というのは、妊娠前と比べると7kgから10kgくらい増えているのが目安だといわれていますが、この妊娠中の体重増加の内訳というのどのようになっているものなのでしょうか。

出産直前の妊娠中の体重増加の内訳は次の通りです。

赤ちゃんの体重 約2.5kg から4.0kg
胎盤      約0.5kg
羊水      約0.5kg
血液      約2.5kg
子宮と乳房   約1.5kg

このほかに、赤ちゃんに栄養を送り、出産に耐えるエネルギーを蓄えるために、妊娠中は、水分や脂肪体に蓄えるようになるために、ここに挙げた数字の合計よりも体重が増えるものです。

ただし、脂肪の量も血液と同じ約2.5キロぐらいまでの増加であれば理想的な目安の範囲内ですが、それ以上に太ってしまうのは太りすぎといっても良いでしょう。

産後の体重の減り方は?理想的な体重を戻すペース

出産すると、赤ちゃんだけではなくて、大量の出血も起こり、羊水と胎盤の一部が体の外に排出されます。出産後の体重の減り方は赤ちゃんの体重+1kgぐらいお母さんの体重が減っているものです。

意外にこの減り方では少ないと感じる人も多いかもしれませんが、出産とともに胎盤のすべてが排出されるわけでありません。また、大きくなった子宮は、出産後数ヶ月かけて収縮していくので、すぐに軽くなるわけではありません。

乳房は出産後の授乳に備えて準備を整えていくので、ますます大きくなってきます。体についた脂肪は、出産のエネルギーとしてだけではすべてを使い果たすわけではないので、そのまま体についたままになります。

産後1か月は体重は減りやすい!!

しかし、出産後1ヶ月は悪露も続いていて、体から水分が排出されやすくなるために、ひどいむくみなどが起きなければ、体重の減り方は順調な時期です。

産後1ヶ月の産褥期は、出産後の体を休めて回復させるためのとても大切な時期になります。特に産後1ヶ月は体をゆっくりと休めることが大切です。放っておいても体重は減るペースが速いので、産褥体操や、栄養のバランスが取れた食事をとること以外の、産後ダイエットなどは特に考える必要はない時期になります。

■参考記事:産後1ヶ月の過ごし方は?コチラも参照!

産後1ヵ月の過ごし方の注意点!【生活上の注意】 | Lovely[ラブリー]のイメージ
産後1ヵ月の過ごし方の注意点!【生活上の注意】 | Lovely[ラブリー]
出産までにも気をつけるべきことはありますが、産後1ヶ月の回復期も大切な期間です。 思う以上に産後すぐは、体力を消耗し疲労も残っています。産後1ヶ月は「産褥期」といい、元の体に戻る重要な時期です。無理をしないように、過ごし方の注意点をまとめました!

産後2か月から6カ月が体重の分かれ目!!

産後1ヶ月というのは順調に体重が落ちるものです。出産とともに体の中の老廃物があらかたデトックスされてしまう人もいるので、お肌もツヤツヤになり、人生で一番美しい自分を味わうことができる時期ともいえるかもしれません。

その後に順調にダイエットを重ねて、子供を産んだ後も、数ヶ月で体のラインを戻して、子供が自慢できるキレイママになる人も沢山います。その一方で、精神的に強くなるだけではなくて、体の方も見事な太っ腹母ちゃんに大変身してしまうお母さんも沢山います。

次のページ

産後に体重が戻らない原因とは?

Related article /

関連記事

Ranking /

人気の記事
Copyright (C) Lovely