時候の挨拶や季節の単語はどうやって使うの?
日本においての手紙では、季節や時節といったシチュエーションに応じて様々な言葉を使い分けます。
時候の挨拶は季節の単語を使って、文書の冒頭に書きます。その次に主文を書いていき、最後に結びの言葉で文書を終わらせます。
もちろん時候の挨拶や季語の単語は、文書を書く時の季節に応じたものを使用することと心得ましょう。
12月によく使われる季節の単語の意味
12月によく使われる季節の単語にはどんな意味があるのでしょうか。手紙やメールでよく使われる定番のものから、なかなか使用する場面がないものもあるでしょう。
単語によっては、上旬・中旬・下旬のように使用する時期やシチュエーションに決まりがあるものがありそうです。
どのような単語があって、どんな意味があるのか、期間に区切ってみていきましょう。
12月全般で使える「師走の候」「寒冷の候」
12月全般に使われる季節の単語には「師走(しわす)の候」や「寒冷(かんれい)の候」があります。
「師走の候」は、「今年も最後の月を迎えました」という意味で使います。師走とは「師が走る」という意味で、この師とは「法師」、つまりお坊さんを意味します。「年末にお坊さんがお経を読むためにあちこち移動して忙しい時期」という意味もあります。
「寒冷の候」は、「いよいよ寒く冷たい時期になってきましたね」という意味で使います。読んで字の如く、冬の厳しい寒さの到来を伝える意味もあります。
同じく12月全般で使える季節の言葉に「忙月の候」や「寒気の候」という言葉もあります。忙月は師走と、寒気は寒冷と同じような意味があります。
12月上旬「初冬の候」「初雪の候」
12月上旬によく使われる季節の単語には「初冬(しょとう)の候」や「初雪(はつゆき)の候」があります。
「初冬の候」には「冬を迎える時期になりました」という意味があります。この言葉を使う人が今いる場所や環境によって、冬の訪れを感じるタイミングは異なります。しかし相手に「冬を迎えていること」を伝える意味があります。
「初雪の候」には「初雪をみる時期になりました」という意味があります。雪深いところもあれば、ほとんど雪を見ない環境や地域があります。この言葉を使うことで初雪を見たことを伝える意味もあります。
同じく12月上旬に使える季節の言葉に「季冬」や「孟冬」という言葉があります。季冬は初冬と同じ意味で、孟冬は「冬が本格的になってきました」という意味があります。
12月中旬「霜寒の候」
12月中旬によく使われる季節の単語には「霜寒(そうかん)の候」があります。
「霜寒の候」には「霜が降りるほど寒い時期になりました」という意味があります。12月中旬になってくると気温もどんどん下がり、全国的に寒さがより厳しくなります。
そんな12月中旬頃から、霜が降りていることを見る機会が増えていくのでしょう。これからどんどん寒くなることを伝える意味もあります。
同じく12月中旬に使える季節の言葉に「大雪」という言葉があります。大雪は「大雪が降るような寒さになってきました」という意味があります。
12月下旬「歳末の候」
12月下旬によく使われる季節の単語には「歳末(さいまつ)の候」があります。歳の末が近づいていることから、「もうすぐ1年が終わる頃になりますね」という意味があります。
また「もうすぐ新しい1年を迎えますね」ということが伝わるので、「1年の区切り」や「入れ替わり」という意味もあります。「歳末セール」という言葉も、この意味で使われています。
同じく12月下旬に使える季節の言葉に「歳晩」や「冬至」があります。歳晩と冬至はともに歳末と同じように「年末が近づいてきた」という意味があります。
カジュアルな季節の挨拶に使用される12月の季節の単語
カジュアルな季節の挨拶に使用される12月の季節の単語にはどのようなものがあるのでしょうか。基本的には「寒冷」「初冬」「歳末」といったそれぞれの言葉を分解して使ってみるとカジュアルな季節の挨拶に使えます。
寒冷なら「冷たく寒い季節になってきました」、初冬なら「冬の始まりを感じる時期になりました」、歳末なら「歳も末となる時期になってきました」などです。
このようにアレンジしてみると、12月の季節の単語がカジュアルな単語に大変身します。
12月の時候の挨拶と結び文例【ビジネス向け表現の場合】
12月の時候の挨拶と結び文例をみていきましょう。まずはビジネス向けの表現の場合をみていきますが、12月でも上旬から中旬にかけてと中旬から下旬にかけてで違いがあります。期間が違うことで季節感も変わりますのでので、言葉の表現に注目してみましょう。
それでは12月上旬から中旬の場合と、12月中旬から下旬の場合の文例をみていきましょう。