妊娠初期に基礎体温が下がるなんてことあるの?
基礎体温を測ることで、妊娠しやすい時期(排卵日)、生理開始日、妊娠の可能性など、いろいろなことがわかります。
一般的には、基礎体温の高温期が14日以上続くと妊娠の可能性があり、高温期から低温期に入ると生理が始まるのが通常です。
でも、高温期を経て基礎体温がガクンと下がってしまった場合、生理が来てしまうのかもと不安になってしまう方もいるでしょう。
実は、妊娠初期には基礎体温が下がるケースがいくつかあります。
今回、妊娠初期に基礎体温が下がる原因や生理と妊娠における基礎体温の低下の違いを説明します。妊娠初期における基礎体温の変化や基礎体温が下がる原因を知り、慌てることのないようにしましょう!
妊婦の健康管理・指導、出産後の体調・メンタルケアから乳児指導まで母子保健に関する一連の管理・指導活動を行う助産師資格を取得する助産学専攻科、助産師資格を有してキャリアアップをする大学院の教授。
所属:東京医療保健大学
医療保健学部 看護学科/助産学専攻科、大学院 医療保健学研究科
職位:教授
学位/資格:博士(医療福祉経営学)、MBA(経営学修士)、看護師・助産師 等
専門分野:母性看護学・生殖発達看護学 (女性学)・臨床助産学・助産教育学・臨床教育方法 等
■参考記事:妊娠初期の寒気、原因は?コチラもチェック!
女性の基礎体温の変化
そもそも、基礎体温とは目覚めてすぐの状態のような、体の活動が活発化していない状態で計った体温を指します。
そして基礎体温はホルモンバランスの変化によって上がったり下がったりを繰り返します。特に女性には排卵周期と呼ばれるホルモンの働きが大きく左右する期間があり、0.3~0.5℃、基礎体温の変化が女性には見られます。
妊娠していない場合の基礎体温の変化
妊娠していない場合の女性の基礎体温は生理周期によって変化しています。
女性の体は、生理が始まると基礎体温が0.3~0.5℃下がる「低温期」に突入します。
この間、女性の体では体温を上げる役割を持つ「黄体ホルモン」の分泌が低下するため、体温が下がってしまうのです。
そして生理が終わり排卵が完了すると今度は基礎体温が上がる「高温期」という期間に突入します。
女性の一般的な生理周期は25~35日。約14日ごとに女性の体は「低温期」と「高温期」という2つの期間で基礎体温を変化させながら妊娠に備えた体づくりを行っているのです。
基礎体温が下がったのに生理が来ない場合は妊娠?それとも病気?
女性の基礎体温は低温期に入ったら生理が始まる合図です、しかし、何らかの理由で生理が遅れる場合もあります。
1週間程度の生理周期のズレはよくあること、生理周期の乱れには生活習慣の見直しを
生理周期の乱れで考えられる原因は2つ。
1つは、体調や生活リズムの乱れ。もう一つは表面化される基礎体温と、経血の排出にはタイムラグによるもの。
体は生理になる準備をしていても、数日から1週間ほど生理が来ないのは、実によくあることです。それは決して異常ではなく、通常でも十分あり得ることです。
いつも安定した周期で生理が来る人からすると不安になるでしょうが、睡眠をしっかりとり、適度に運動して、体を温めるようにしましょう。
ただ、2週間ほど経っても生理が来ないなら、病院を受診するようにしましょう。
生理予定日に基礎体温下がって出血しても妊娠の可能性があることも!
生理予定日の前後で基礎体温が下がり出血があるとそれはほとんどの場合「生理」であるといえます。
しかし、中には生理予定日に基礎体温下がって出血してもそれは生理の経血ではなく、「着床出血」で出血している可能性もあるのです。
その場合は血の量や色に注目しましょう。
おりものに交じったような茶色の血が出ている場合や、いつもの生理と比べ経血が極端に少ない場合など、明らかにいつもの生理とは異なる症状が出ている場合は妊娠の可能性も考えられます。
しかし、子宮やホルモンバランスに何らかの異常がある可能性もあるため、いつもと違うと感じたら病院に行って診てもらうようにしましょう。
■参考記事:着床出血とは?妊娠初期の出血について