中東で多い名前の特徴とは?込められた意味や読み方を詳しく解説!

中東で多い名前の特徴とは?込められた意味や読み方を詳しく解説!

サウジアラビア・アラブ・イラク・イラン・エジプトなど、西アジアとアフリカ北東部の地域を中東と呼びます。敬虔なイスラム教徒が多いこの地域では、名づけ方法も独特で難解。今回は、アラブ諸国を中心とした、中東地域の名前について解説します!

記事の目次

  1. 1. 中東の名前の特徴
  2. 2. 中東の名前の呼び方とは?
  3. 3.中東に多い男性の名前6選
  4. 4.中東に多い女性の名前6選
  5. 5.中東で人気の赤ちゃんの名前もご紹介!
  6. 6.中東の名前は家族の思いが込められている

中東の名前の特徴

中東とは、サウジアラビアやイラクなどのアラブ諸国と、トルコやイランなど非アラブ国の総称です。

曖昧な定義ですが、ここでは、主にアラブ諸国に住む人々について取り上げることにしましょう。

特徴①男性と女性で構成が異なる

アラブ圏に住む人の名前に関して、1番の特徴は、複合名でしょう。

男性の場合、1つの単語でできている単一名、2つの単語でできている複合名、3つの単語でできている複合名の3種類に分けられます。

単一名は、Ali(アリ)、Muhammad(モハメド)、Sultan(スルタン)などがあります。

2つの単語から成る複合名は。Alireza(アリレザ)やAbdullah(アブドゥラ)など。AlirezaはAli(アリ)・Redha(レザ)という単語からできていて、AbdullahはAbd(アブド)・Allah(アッラー)という単語からできています。

3つの単語から成る複合名は、Aladdin(アラジン)やMuhiddin(ムヒッディン)など。AladdinはAla(アラ)・al(アル)・Din(ディン)という3つの単語が隠れていて、MuhiddinはMuhyi(ムヒ)・al(アル)・Din(ディン)と分けられます。

女性名は、一部を除いて単一名が多いので、複合名はほぼ存在しません。

特徴②苗字はなく名前の後ろに父名をつける


アラブ圏の人には苗字がありません。苗字がないため、結婚によって名前が変わることもありません。

名字の代わりに、本人の名前の後に父親の名前と祖父の名前をつける習慣があります。王族や首長一族は、本人名と父親の名前の間に入れる文字があり、男性ならbin・ibn・benを入れます。クウェートの首長一族のみ、aliを使います。

世界を震撼させたウサマ・ビン・ラディンを例に上げると、本名はUsama bin Muhammad bin Awad bin Ladin。「ラディンの息子アワドの息子モハメドの息子ウサマ」という意味です。

女性の場合は、本人名と父親名の間にbintを入れます。

一般人の場合は、本人名と父親名の間に文字を入れることはほとんどありません。

特徴③部族名を名乗ることもある

アラブ圏は、部族社会です。それぞれの部族を大事にしているので、父親名と祖父名の後に部族名を入れます。

前述したウサマ・ビン・ラディンについても、Usama bin Muhammad bin Awad bin Ladinという本名の最後にあるLadin(ラディン)は、曾祖父ではなく部族名です。

部族名であり曾祖父名でないのに、どうして、「~の息子」を表すbinを入れているのでしょうか?

それは、何代も前の先祖であろうと息子の息子として続いているのだから問題ないという考え方があるからです。このように、bin・ibn・benは、必ずしも「息子」という意味ではなく、「子孫」という広い意味で使われることもあります。

特徴④家名を名乗ることもある

社会的地位の高い一族の場合は、家の名前を名乗ることがあります。日本でいうところの苗字にあたりますが、エリート階級の家出身でないと名乗ることはまれです。

家名は、家業名や先祖の出身地、祖先につけられていたニックネームなどさまざまな成り立ちがあります。

特徴⑤宗教的な意味合いをもつ名前もある

中東に暮らす人々の主な宗教は、シーア派やスンニ派などの宗派は違いますが、ほとんどがイスラム教です。

イスラム教徒の名前には、宗教的な意味合いを持ったものが多く存在します。例えば、予言者ムハンマドやその子孫らの名前をそのまま拝借したり、唯一神アッラーをたたえる言葉を使ったりするのです。

特に、キリスト教徒が多く存在する地域に住んでいた人たちが、自身を敬虔なムスリムであると表明するために名付けに利用していたとされています。

こうした名前は3語からなる複合名がほとんどなので、一部を除いて単一名が基本である女性には使われません。

中東の名前の呼び方とは?

一般人には苗字がなかったり、父親名や祖父名、部族名をつけるなど、中東の人の名前は長いものも多いです。

では、普段はどのように呼び合っているのでしょうか?

ファーストネームを呼ぶのが一般的

一般市民の間では、本人名のみを使って呼び合うのが普通です。もしくは、本人名と父親名で呼び合います。呼び捨てでも構いませんし、敬称をつけても構いません。男女の区別もありません。

ただし、王族や主張一族など、地位の高い人については注意が必要です。

地位の高い人に対しては、本人名に敬称をつけるか、本人名と父親名と祖父名に敬称をつけた呼び方のみ許されます。

敬称についても各国や各部族について決まったものがあります。また、1つの国家の王族でも、その血筋によって敬称が異なるという複雑さがあります。

誤った短縮には注意が必要!

中東に暮らす人々は、ほんとどがムスリムです。ムスリムの人の名前はイスラム教に由来している名前が多く、3語から成る複合名がほとんど。

敬虔なムスリムにとって、信仰している神に由来した名前を間違った場所で区切られ短縮されることは、侮辱であり神への冒涜でもあります。

複数の言葉がくっついた名前だと、どこで区切っていいのか分からなくなってしまいますが、間違えた場所で区切ると大変なことになりますので、気をつけましょう。

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中東に多い男性の名前6選

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