北欧の名前の特徴は?
北欧とは、スウェーデン・フィンランド・デンマーク・ノルウェーを中心とした、北ヨーロッパの国々のことを指します。言語はそれぞれ違いますが似通っていて、人種的にもゲルマン民族であり近縁となります。
北欧の名前の特徴は、宗教的な名前に関連した名前が多く、北欧諸国で文化が近いため、各国の人気の名前も同じものになる傾向があります。
また、北欧の名前は苗字にも大きな特徴があります。すべての国ではありませんが、父親の個人名に「~の息子」という意味の「son」や「sen」とつけて自分の苗字にしたり、「~の娘」という意味の「dotter」「datter」をつける決まりがありました。
性別で分けることをやめてからは、父親の個人名に「son」や「sen」をつけることが習慣となり、結果、北欧の人の苗字はほとんどが「son」や「sen」で終わるようになっています。
スウェーデン人のよくある名前
スウェーデンの正式名称は、スウェーデン王国。ノルウェーとフィンランドの間にある君主国家です。
キリスト教徒が多く、公用語はスウェーデン語、文字はラテン文字が使われています。
スウェーデンの名前の構成は、個人名の後に苗字が続きます。ミドルネームを持っている人も多く、キリスト教の聖人名をミドルネームとすることが多いです。
苗字
スウェーデンに多い苗字トップ5は以下となります。
1.Andersson(アンデルソン)
2.Eriksson(エリクソン)
3.Gustafsson(グスタフソン)
4.Johansson(ヨハンソン)
5.Karlsson(カールソン)
最後が「son」で終わる名字ばかりですね。これには理由があるんです。
長い間、スウェーデンでは、息子なら父親名に「son(ソン)」をつけたものが苗字となり、娘なら父親名に「dotter(ドッテル)」をつけたものが苗字となる慣例がありました。
例えば、Nils・Eriksson(ニルス・エリクソン)の息子はErik・Nilsson(エリク・ニルソン)で、娘はKristina・Nilsdotter(アナ・ニルスドッテル)となります。
同じ両親から生まれた兄弟姉妹でも、性別が違えば苗字が違っているのが当たり前でした。また、苗字は世代ごとに変わるので、一世代ごとに苗字は違っていました。
1901年に子供の性別に関わらず父親名にsonを続けたものを苗字とするよう定められ、その後、代々変化しない苗字を名乗るようになっています。その結果、スウェーデンには「son」で終わる名字が圧倒的に多くなっています。
また、1982年に夫婦別姓・同姓・複合姓を選択できるようになりました。
男性
スウェーデンで男性に多い名前、トップ5は以下となります。
1.Lars(ラーシュ)
2.Mikael(ミカエル)
3.Anders(アンデシュ)
4.Johan(ユーハン)
5.Erik(エリック)
1位のLars(ラーシュ)は、ラテン語の「Laurentius(ラウレンティウス)出身の男」という意味。同じ語源を持つ名前で、英語のLaurence(ローレンス)があります。2位のMikael(ミカエル)は、キリスト教の天使・ミカエルのスウェーデン語形です。
近年では、Lucas(ルーカス)、Liam(リアム)、William(ウィリアム)という名前が人気トップ3となっています。
女性
スウェーデンで女性に多い名前、トップ5は以下となります。
1.Anna(アンナ)
2.Eva(エヴァ)
3.Maria (マリア)
4.Karin(カーリン)
5.Kristina(クリスティーナ)
1位のAnna(アンナ)は、「恩恵」を意味するヘブライ語の女性名・Channah(カンナハ)が変形した名前。2位のEva(エヴァ)も、ヘブライ語由来で「命」を表します。
近年人気の名前は、Alice(アリス)、Olivia(オリヴィア)などがあります。
フィンランド人のよくある名前
フィンランドはスウェーデン・ノルウェー・ロシアに隣接している北欧の国。正式名称はフィンランド共和国で、公用語はフィンランド語。文字はラテン文字を使用しています。宗教はキリスト教徒がほとんどを占めます。
フィンランド人の名前の構成は、個人名の後に苗字が続く形式です。ミドルネームも持っているのが普通で、ミドルネームには祖父母の名前をつけることが一般的。公式の場でもお互いに個人名を呼び合うのが習慣となっています。
苗字
フィンランドに多い苗字トップ5は以下となります。
1.Korhonen(コルホネン)
2.Virtanen(ヴィルタネン)
3.Mäkinen(マキネン)
4.Nieminen(ニミエネン)
5.Mäkelä(マケラ)
フィンランドには約8万種類の苗字があるとされますが、その内の1万2,000種類程度が90%を占めています。
フィンランドの苗字は、「nen(ネン)」か「la(ラ)」で終わるものが大多数です。nen(ネン)もla(ラ)も、その場所に住む人という意味があります。
例えば「流れ」を表す「Virta(ヴィルタ)」にnenをつけた苗字であるVirtanen(ヴィルタネン)は、「川の近くに住んでいる人」という意味を持つ苗字です。日本の苗字も居住区を表すことがありますので、共通点が感じられますね。