②サハル
サハルは、アラビア語で「夜明け」という意味があります。夜明けというと新しいことが始まるイメージであり、辛いことが終わるというイメージもありますね。
名前の由来として、とても素敵ですね!
③ナディア
アラビア語で「穏やかさ」「繊細さ」を表すナディアという名前も、人気があります。
また、ナディアには「湿った」という意味もあり、アラブの乾燥地帯に暮らす人々にとっては有難いもの・希少なものを連想させることも、人気の理由の1つでしょう。
元々、ナディアはロシアやブルガリアで「希望」という意味があって人気がある女性名でしたが、中東でも人気が出ています
④ガミラ
ガミラという名前は、言語によって呼び方に違いがあり、ジャミラ・ジャミーラ・ジェミーラなどの呼び方があります。
男性形のジャミールという名前もあり、男性名・女性名ともにイスラム圏で人気があります。ガミラ・ガミールと呼ぶのは、主にエジプトとなります。
ガミラはアラビア語で「美しい」を表す女性名です。日本語の名前で「美」を使うのと同じ感覚のようですね。
⑤マリカ
マリカはアラビア語で「女王」という意味を持つ名前。高貴で気高いイメージがあり、理想の女性像として娘に名付ける人が多いようです。
中東では、「高貴な」という意味を持つ「アスマ」や、「崇高」を意味する「サミア」という名前も人気があり、女性には気品が重要と考えられていることが分かります。
⑥ハーラ
ハーラはアラビア語で「熱帯」を意味する名前です。
イスラム教とは関係がなく、気候を表している名前です。
中東で人気の赤ちゃんの名前もご紹介!
中東で人気の名前【男の子編】
ここからは、中東で近年人気が出てきている名前をご紹介します。
中東で人気がある子供の名前、まずは男性編からご紹介しましょう。
人気の名前は、モハメド・ウマル・アハメド・ユーセフ・アリ・アダムなど。
モハメドはイスラム教開祖の名前であり、ウマルはイスラム教3代目統率者の名前。アハメドはアラビア語で「賞賛」を意味し、モハメドの異名でもあった名前です。
ユーセフは預言者ヨセフのアラビア語読みで、アリはムハンマドのいとこであり、イスラム教5代目統率者でありシーア派の初代統率者でもあった、アリー・イブン=アビー=ターリブ・イブン=アブドゥルムッタリブに由来しています。
アダムは、ヘブライ語で「土」という意味があり、キリスト教では最初の人間アダムを指し、イスラム教では預言者とされています。
敬虔なムスリムが多いことから、男児名はイスラム教と関係の深いものが人気。昔からある伝統の名前が多く、流行り廃りは存在しないようです。
中東で人気の名前【女の子編】
次に、近年人気がある子供の名前、女性編です。
人気があるのは、マリヤム・サラ・ファティマ・ノア・リーム・リーンなど。
イスラム教由来の名前は、マリヤムとファティマのみ。マリヤムはイスラム教の預言者であり、ファティマはイスラム教開祖であるモハメドの四女の名前です。
サラはヘブライ語で「王女」を意味し、サンスクリット語では「本質」という意味があります。ノアはヘブライ語起源の名前で「動き」という意味があります。
中東の名前は家族の思いが込められている
いかがでしたでしょうか?
中東の名前は、一般人だと、苗字に当たる部分がなく、代わりに父親名や祖父名をつけるのが一般的です。また、部族や家柄を名前で表現することもあります。
しかし、それだとどうしても名前が長くなってしまいがち。そのため、本来なら自分の名前・父親の名前・祖父の名前という3つからなるところを、自分の名前・父親の名前だったり、自分の名前・祖父の名前にしたりするそうです。直系の男親との繋がりの強さを感じさせます。
さらに、長男が生まれると親の方が「〇の父親」という意味の名前に改名することもあります。これは、男児をもうけて一人前になったお祝いなんだそうで、徹底した長男主義が根付いていることが伺えますね。
名前に関しても、男性名は崇拝するイスラム教に由来する名前が多いのに対し、女性名はイスラム教由来のものは少なく、自由に名付けられるようになっています。その分、親の願いが込められているので、どちらも親の愛情を感じられる名付けといえるでしょう。