日本を代表する小説家「村上春樹」のプロフィール
名前:村上春樹(むらかみはるき)
生年月日: 1949年1月12日 (71歳)
出身地: 京都府 京都市
デビュー作: 『風の歌を聴け』(1979年)
1979年『風の歌を聴け』で群像新人文学賞を受賞。アメリカ文化の洗礼を受けた80年代カルチャーの到来を告げるような作風が注目を浴び、同時代にデビューした村上龍さんと共に、ダブル村上として時代を代表する作家と認められました。
1987年『ノルウェイの森』を発表し、この作品は430万部の大ベストセラーとなったことから、村上春樹ブームが起き、以来、新作を出すたび話題となるようになりました。
代表作は『羊をめぐる冒険』、『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』、『ねじまき鳥クロニクル』、『海辺のカフカ』など多数。国内のみならず海外でも人気が高く、世界的に影響力をもつ作家の一人だと言われています。
村上春樹の名言ランキングTOP15!
世界的な影響力を持つ作家が宿す言葉のキレ味は、ほんの一行に凝縮して現れます。数々のベストセラーを記録した村上作品は物語が面白いだけではなく、たった一行の味わい深さをとっても文学としての価値を高らしめています。
今回は、村上作品に登場した人生の滋味となる名言を TOP15のランキングとしています。それではごゆっくりとどうぞ!
第15位:「強い人間なんてどこにも居やしない。強い振りのできる人間が居るだけさ 」(風の歌を聴け)
作品名:風の歌を聴け
出版社:講談社
発売日:1979/01
形式:長編
1979年、群像新人文学賞を受賞し、文壇に鮮烈なデビューを果たした第1作です。同年、芥川賞候補として選出されましたが、惜しくも受賞とはなりませんでした。以降も村上春樹さんは芥川賞は受賞することはありませんでした。
主人公の僕と鼠が、ビールを飲みながら語りあうという平淡でありながら繊細な物語の中に現れる一節です。この作品には、さらりと流れる時間の中に、掲題のようなキラリと光り響くフレーズが散りばめられています。独特のリズム感の中に詩的な会話が繰り返される本作は、村上春樹さんの繊細な抒情が裏打ちされ、村上文学の端緒を垣間見ることができます。
第14位:「どれほどこっそり息を潜めていても、そのうちに誰かが必ずあなたを見つけ出します」(1Q84)
作品名:1Q84
出版社:新潮社
発売日:[BOOK1,2] 2009/5/29、[BOOK3] 2010/4/16
形式:長編
2009年に発表された作品で、『1Q84』とは、逆の方向から1984年を描いた近過去小説という形式のものです。「こうであったかもしれない」世界と「そうではなかったかもしれない」世界が浮き彫りになってくるという、形而上的恐怖が描かれた作品といえるでしょう。
掲題の名言は、捉え方によってはとてつもなく恐ろしい言葉にも聞こえるし、また違った捉え方によっては、孤独を救うとても優しい言葉にも聞こえてきます。「こうであったかもしれない」「そうではなかったかもしれない」、捉え方によって人生は転換して見えてくるという深さに打たれる作品です。
第13位:「人間というのはある場合には、その人間が存在しているというだけで誰かを傷つけてしまうことになるのだ」(国境の南、太陽の西)
作品名:国境の南、太陽の西
出版社:講談社
発売日:1992/10
形式:長編
「ダンス・ダンス・ダンス」から4年ぶりとなった長篇書下ろし小説です。一人っ子という同じ境遇で寂しい少年期を過ごした男女が、25年後に再会し、激しい恋に落ちるというロマンス。
人間と人間の関係性という逃れられない宿命を一言で言い切った名言です。特段傷つけたり傷つけられたりという行為がなかったとしても、存在そのものが痛みを与えうるという、人間そのものの罪業みたいなものを感じさせて、胸が打たれる言葉です。
第12位:「悪い予感というのは、良い予感よりずっと高い確率で的中する」(1Q84)
1Q84
出版社:新潮社
発売日:[BOOK1,2] 2009/5/29、[BOOK3] 2010/4/16
形式:長編
村上春樹さんの長編12作目です。BOOK1, BOOK2, BOOK3,と全3巻にまたがる大長編ですが、そのどれもがベストセラーを達成、活字不況が叫ばれて久しい中、全巻ミリオンセラーという記録を樹立しました。
執筆の背景には、90年代に起きたオウム真理教による地下鉄サリン事件や阪神・淡路大震災の影が色濃く映されるなど、現代の日本の現実世界の惨禍までが取り込まれた、たいへんスケールの大きい物語となっています。
そうした作品の概要を踏まえて、掲題は「なるほど、その通り!」と言いたくなる名言ですね。文学の言葉とは大方詩的な言葉に分類されるのだとしても、言い得て妙なる言葉です。これは良いことよりも悪いことの方が記憶に深く残るという感覚を言語化したような響きとでもいいましょうか、人間精神のある一面を的確に捉えた言葉だと思います。