高温期11日目にフライング陰性からその後陽性になることも？

妊娠検査薬の検査結果が擬似陰性（陽性であるにもかかわらず、結果が陰性になる現象）になる原因として、尿の濃度の低さが挙げられます。
尿の濃度は、水分を多量に摂取したあとに薄くなります。低濃度の尿はhCGホルモン濃度も低いため、実際は陽性だったとしても、結果は陰性になりやすいのです。

尿の濃度が一番高いのは、朝、起床直後です。妊娠検査薬を朝一番で使用すれば、擬似陰性の可能性を低くできます。

擬似陰性の原因で、見落とされがちなのが「多胎児の可能性」です。実は、妊娠検査薬は、尿中のhCGホルモン濃度が高すぎても、正確な検査結果を得られなくなります。高濃度なhCGホルモンが妊娠検査薬の反応上限を超えると、結果は陰性になります。
したがって、フライングでもない適正な時期の検査結果が陰性であったとしても、その後２児の母になった、という可能性も充分ありうるのです。

また、単胎児の場合でも、妊娠してから１０週間を過ぎると、hCGホルモン濃度が高くなりすぎて、陰性になってしまうということがあります。

「子宮外妊娠」という言葉があります。これは、受精卵が子宮ではない場所へ着床してしまう症状です。この場合、妊娠していたとしても、hCGホルモンが正確に測れず、陰性になることがあります。

ただし、異常妊娠であったとしても、時が過ぎれば陽性の反応が出るものです。時間を置いて再び検査すると、陽性になっていることが多いようです。

ここまで、高温期１１日目に陰性であった女性が、実は陽性であったケースをいくつかご紹介しました。様々な理由が考えられましたが、やはり、高温期１１日目に陽性・陰性の正確な結果を得るのは難しいのでしょうか？

そこでご紹介したいのが、チェックワンファストという妊娠検査薬です。こちらは、生理予定日から使用可能な妊娠検査薬で、通称「フライング検査薬」とも呼ばれています。
つまり、通常ならば生理予定日１週間後に使うべき妊娠検査薬が、その１週間前から使用可能なのです。言い換えれば、高温期１４日目から使用可能、ということになりますね。

さきほども書いたとおり、チェックワンファストは、生理予定日からの使用が可能な妊娠検査薬です。そのため、高温期１１日目に使用した場合は、やはりフライング検査ということになります。正確な検査結果はあまり期待できないでしょう。

しかし、チェックワンファストを購入した女性たちの口コミを見ると、生理予定日２～３日前に検査をして陽性が出て、その後妊娠が発覚したというケースが多くあります。
この原因として挙げられるのは、女性のホルモン分泌量の個人差です。
ホルモン分泌量が多い女性であれば、生理予定日前のフライング検査でも、チェックワンファストで陽性反応が出る場合があるようです。

生理予定日を待って、すぐにチェックワンファストを使用した場合、検査結果の線が非常に薄く出る場合があります。
有るか無いか、非常におぼろげな線を見て、陽性か陰性か、判断に苦しむこともあるでしょう。

線が薄くなる原因は、次の２つが考えられます。
（１）hCGホルモン濃度が検査可能濃度に達していない
（２）尿を充分量かけていない

フライング検査薬のチェックワンファストといえど、検査可能なhCGホルモンの限界があります。分泌されているホルモン濃度が極端に低い場合は、たとえ妊娠していたとしても、検査結果がハッキリ陽性にならない場合があるのです。
また、検査のときに尿を充分かけていない場合も、hCGホルモンが検出されない原因となります。

チェックワンファスト以外の妊娠検査薬の場合は、高温期１１日目に検査をすると「蒸発線」が現れる可能性があります。
蒸発線とは、検査に使用した尿が乾き、薬剤の部分が浮き上がって見える線を指します。色が無いのが特徴で、ほぼ透き通って見えます。
蒸発線が現れたとしても、ほとんどの場合は陰性です。妊娠している可能性はきわめて低いでしょう。蒸発線が現れた後も、妊娠の可能性が捨てきれない場合は、日を置いて再度検査をしてみましょう。