青空文庫のおすすめ短編ランキング第3位:千年後の世界/海野十三
日本SFの始祖の一人とされている海野十三さんの『千年後の世界』。
物語の主人公は若き野心にみちた科学者フルタ。自らを冷凍睡眠させ、一千年後の世界で目覚めた彼が見たものとは。日本、ひいては世界の未来をブラックユーモアたっぷりに描いたSF小説です。
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青空文庫のおすすめ短編ランキング第2位:銀河鉄道の夜/宮沢賢治
宮沢賢治さんの代表作の一つとされる童話作品『銀河鉄道の夜』。
孤独な少年ジョバンニが、親友カムパネルラと銀河鉄道に乗って遠い宇宙を旅する物語です。作中では宮沢賢治さんによるたくさんの造語や、美しい日本語によって語られる宇宙の神秘など、想像力溢れる内容となっています。
宮沢賢治の死によって未完の状態での原稿しか残されていないため、研究家や読者の間でも様々な解釈がなされており、それがまたこの『銀河鉄道の夜』という作品の魅力となっています。
青空文庫のおすすめ短編ランキング第1位:走れメロス/太宰治
1940年、『新潮』の5月号に発表された太宰治さんの『走れメロス』。
小学校の教科書にも掲載されているため、細い描写は覚えていなくても、ざっくりとした内容は知っている方も多いのではないでしょうか。
純朴な羊飼いの青年メロスが、人間不信のために多くの人を処刑している暴君ディオニス王に囚われた親友を救うために命を賭ける姿を描いています。
無垢な友情と、一度だけ親友を裏切ろうとしたことを正直に打ち明けるメロスの正直さが胸を打つ傑作です。
青空文庫のおすすめランキングTOP10!
青空文庫のおすすめランキング第10位:審判/フランツ・カフカ
チェコ出身のドイツ語作家であるフランツ・カフカが1914年から1915年までの間に執筆した言われる『審判』。この作品はフランツ・カフカの存命中には発表が叶わず、死後、マックス・ブロートの手にによって1925年に編集・公刊がなされました。
物語は、主人公・ヨーゼフ・Kが30歳の誕生日に突然現れた二人の男から自身が逮捕されていることを告げられ、理由の明かされないまま裁判を起こされ、様々な立ち回りも虚しく無残に処刑されてしまう姿を描いています。
青空文庫のおすすめランキング第9位:斜陽/太宰治
典型的な自己破滅型の私小説作家として人気の高い太宰治さんの『斜陽』。雑誌『新潮』の1947年7月号から10月号まで4回にわたって連載され、同年12月15日に新潮社より単行本として刊行されました。
当時すでに人気作家の仲間入りを果たしていた太宰治さんは、この作品で初版発行部数1万部、まもなく2版5,000部、さらに版を重ね、自身のベストセラーを記録しました。
戦後の昭和20年の日本を舞台に、当主であった父を失ったかず子とその母の暮らしを通して、上流階級の貴族の人々が没落していく姿を描いた物語です。
青空文庫のおすすめランキング第8位:破戒/島崎藤村
1906年に発表された島崎藤村さんの代表作『破戒』。
当時、詩人だった島崎藤村さんが小説家に転身して初めて書いた作品で、従来の小説家とは異なった視点で描かれた本作で島崎藤村さんは日本自然主義文学の先陣を切ったとされています。
物語はまだ身分や貧富による差別が横行していた時代の世相を反映し、被差別部落出身の小学校教師である主人公が周囲には秘密にしていたその出生に苦しみ、ついに告白するまでを描いた物語です。
かの文豪、夏目漱石さんはこの作品を指して「明治の小説としては後世に伝ふべき名篇也」という言葉を森田草平さん宛ての書簡に残しています。
青空文庫のおすすめランキング第7位:吾輩は猫である/夏目漱石
近代文学を代表する作家として日本の千円紙幣の肖像にもなった夏目漱石さんの名作『吾輩は猫である』。普段本を読まない人でもきっと、この題名だけは聞いたことあるのではないでしょうか。
「吾輩は猫である。名前はまだ無い。」の書き出しで始まるこの物語は、中学校の英語教師である珍野苦沙弥の家に飼われている猫を主人公のに、その「吾輩」の視点から珍野一家の日常風景や、そこに集う彼の友人や門下生たちの人間模様を描いたユニークな物語です。
ちなみにこの主人公「吾輩」のモデルは、夏目漱石さんが37歳のときに夏目家に迷い込んで住み着いた野良の黒猫であると言われています。
野良猫でありながら、夏目漱石さんはこの猫をたいそう可愛がり、猫が死んだ後には庭の桜の樹の下に墓を立て、この時の様子を『猫の墓』という随筆に残したほどでした。そんな裏側のエピソードも含めて読むとさらにこの作品が楽しめるかもしれません。
青空文庫のおすすめランキング第6位:変身/フランツ・カフカ
チェコ出身の作家、フランツ・カフカの代表作であり、実存主義文学の一つとして数えられる『変身』。多数の映画監督によって何度も映画化されており、世界的に人気の高い作品でもあります。
物語は主人公の男、グレーゴル・ザムザが、ある朝目覚めると突然巨大な虫になっており、男とその家族の顛末が描かれています。
同時代を生きたアルベール・カミュの「ペスト」とともに不条理文学の代表的な一作としても知られています。