記事の目次
- 1.【はじめに】水晶ドクロって?
- 2.水晶ドクロの謎【そもそもオーパーツって何?】
- 3.水晶ドクロはどこがすごいの?① 300年かかる?
- 4.水晶ドクロはどこがすごいの?② そもそも加工できない?
- 5.水晶ドクロにまつわる伝承
- 6.水晶ドクロにまつわる都市伝説①
- 7.水晶ドクロにまつわる都市伝説②
- 8.水晶ドクロの出自は?
- 9.水晶ドクロの謎【おかしな点も?】
- 10.他にはどんな水晶ドクロがあるの?
- 11.結局水晶ドクロは本物?
- 12.本当は水晶ドクロはどうやってみつかった?①
- 13.本当は水晶ドクロはどうやってみつかった?②
- 14.本当は水晶ドクロはどうやってみつかった?③
- 15.水晶ドクロの時系列でわかるおもしろいこと
- 16.水晶ドクロに残る謎
- 17.水晶ドクロは今どこにあるの?
- 18.水晶ドクロの他にはどんなオーパーツがあるの?①ヴォイニッチ手稿
- 19.水晶ドクロの他にはどんなオーパーツがあるの?②黄金シャトル
- 20.【おわりに】水晶ドクロの夢
この街の宝石職人たちは長い伝統の中で顧客の情報を外に漏らさないというルールを徹底していたと言われます。
1度の取引が高価になりやすい宝石商とのやりとりなのでそういったルールには特に厳格だったのでしょうね、街自体が宝石の加工に依存した環境だったこともそれに拍車をかけていました。
また19世紀末という通信手段が発達していなかった時代のため、誰がつくったのか名乗り出るものは当然いませんでした。
「ドイツでつくられた水晶ドクロがフランスに渡った後マヤ文明で出土したと言われイギリスで有名になった」わけですから無理もありませんね。それほど人の手を長く渡っていたということもおどろきです。
本当は水晶ドクロはどうやってみつかった?③
その後イギリスで同じく古美術商をしていたシドニー・バーニーという人物が1933年にクリスタルスカルを購入し、彼はその後11年に渡り保有していました。
高値で売りたいとは思っていたようですがなかなか買い手がつかなかったのでしょうね、純粋な伝統工芸品とも呼べないため売却が難しかったのだと予想されます。
1943年にバーニーから購入したのが探検隊を率いていたヘッジスでした。ちなみに彼が購入する1年前にはオークションにも出されており、バーニーも手放したかったことがうかがえます。
こちらは公式記録としても残っているため確実とみなされています。実際にヘッジスがクリスタルスカルの実物を手にしたのは随分後だったのですね。
このようにスピリチュアルな現象とはある種無縁な来歴を持つクリスタルスカルですが19世紀末につくられた工芸品が人の手を渡りに渡った結果今でも保管されているというのはおもしろいですよね。
100年近くにも渡り都市伝説愛好者や考古学者の興味の対象となり続けていたクリスタルスカル。そう考えると解明されてしまったことが少し残念に思えるかも・・・?
水晶ドクロの時系列でわかるおもしろいこと
こうした形でスピリチュアルなオーパーツやパワーストーンなどの神秘的な力とは全く関係がなかったことが明らかにされました。
偽物であることが判明したクリスタルスカルでしたがここで時系列を少し整理してみるとおもしろいことが分かります。もともと1927年にミッチェル・ヘッジスとアンナ・ヘッジスがマヤの遺跡を発掘している際に見つけたとされていました。
ですが実際には1943年にミッチェル・ヘッジスが古美術商から買ったため、時系列的に見てみると少しおかしいですよね。20年弱ものあいだ現物を手にしていないことになります。
実はこのクリスタルスカル、1950年代になってようやく娘のアンナ・ヘッジスによって公表されたものでした。
1950年代になってから「私が17歳の誕生日にこんなものが発掘されたんです!」というおばさんがいきなりあらわれたのです。前述したように当時の証拠写真などは一切なく、あるのは現物のみ。
これではパワーストーンのようなスピリチュアルな感覚もオーパーツとしての神秘性も薄らいでしまうのは仕方ないことかもしれません。でもすごい度胸ですよね・・・。
水晶ドクロに残る謎
残念ながら偽物であるという結論がでたクリスタルスカルですが実はいくつかの謎を今も残しています。
こういった解決した後に残る謎というのもオーパーツにありがちですが非常に魅力的ですよね、もしかしたら結論が間違っていたのかもしれないという気分になることもあります。
オーパーツの持つスピリチュアル性とは縁遠い結果に終わってしまいましたが、クリスタルスカルの特徴である「水晶の石目を無視してつくられている」という要素については今も謎のままです。
他にも小さな謎はいくつかあるのですが記録があやふやだったり証拠がなかったりするためここでは割愛させていただきます。