アンサーソングも1つの文化
一方でディスられたらその返事としてアンサーソングを返すというケースも多くありました。
アンサーソングには相手のディスに対しての返答の意味が含まれており、一見しただけではタイトルから分からないこともあります。
直接歌詞にして論争に持っていったアーティストもいれば、ミュージックビデオの音源に入らない部分で感謝の気持ちをあらわすアーティストもいました。
日本でディスる、アンサーするアーティストの例は?
リップスライムのアンサー例
先ほど例にあげたリップスライムのBLUE BE-BOPという曲でもミュージックビデオの最後に
「Thank you for your kind advice and support!」とメンバーが手を合わせるシーンが挿入されています。
これはリップスライムが「売れそうな曲ばかりつくってる」と批判したアーティストに対してのアンサーだと言われています。親切なアドバイスありがとうございますという感謝の意味を示すアンサーを返したんですね。
キングギドラのメンバー
非常に有名で名前は聞いたことがあるという方も多いのではないでしょうか。起こすトラブルも多く、まさにジャパニーズヒップホップといった印象です。
メンバーの1人、ZEEBRAが公開処刑という曲の中でDragon Ashのkjをディスったという話は当時(2002年あたり)有名でした。
DEV LARGE
デヴラージというアーティストも他のアーティストとのビーフ(論争)がありました。
上記したキングギドラのメンバーの1人とも歌詞で使う英語や略語について熱い論争を繰り広げています。
ディス→アンサー→再ディス→再アンサーというマッチポンプのような状態になっていたのが特徴的で覚えています。
何かもうここまでくると音楽より先に相手に直接電話した方がはやいんじゃないかと思ってしまいますね!
ディスるってなんでネットで使われるようになったの?①
単語がはやった理由は?
「ディスる」という言葉の背景にある事情は分かりました。
でもヒップホップアーティストの暮らしと私たち一般人のような暮らしには大きく違いがありますよね。黒人音楽ならなおさらのことと思います。
何故ディスるという文化がヒップホップとは直接関係ない我々の暮らしに根付いたのでしょうか。
少し柔らかいイメージに
先ほどの説明で用いた政治へのメッセージを含む意味や差別貧困への意見というものと日本人が使うディスってちょっと違いますよね。
本来の黒人ラッパーが英語で行うような明確で荒々しい個人に向けた批判という意味のディスよりは現代の日本人が使っている「ディスられた」はより軽い意味を持つ印象があります。
日本人にとっては英語を用いての略語などはそういった少し柔らかなイメージを持たれがちです。
「誰々に悪口を言われた」というと陰口だったり人格否定のイメージだったり、我々が日本人だからかもしれませんが非常に攻撃的な印象を受けます。
「誰々にディスられた」というと行動や好みなど、軽いできごとや言動について気軽に反対意見を出したというイメージを持つ人が多いのではないでしょうか。
Related article /
関連記事