映画ランキング第4位は、1964年に公開された映画『博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか』です。とても長くて、インパクトの強いタイトルですね!
キューバ危機の冷戦情勢から核戦争が起き、10カ月で人類が滅亡するというブラックコメディ作品のようです。
視聴者のレビューとしてはとても良い評価を得ています。戦争という題材をダークなコメディ風にしつつも、戦争をする人間の愚かさを描いているようです。
スタンリー・キューブリックが撮影した最後の白黒映画と言われています。
スタンリー・キューブリック監督の映画ランキング第3位:フルメタル・ジャケット
映画ランキング第3位は、1987年の映画『フルメタル・ジャケット』です。ベトナム戦争を舞台にした戦争映画です。
戦争に狩りだされた若者たちが、どんどん理性を失っていく悲劇的な姿を描いた反戦映画のようです。
スタンリー・キューブリックは、多くの映画の字幕の翻訳チェックも自身で行っており、日本語の字幕もチェックを行っているようです。原文の直訳にこだわることも多く、このことで、かなり過激な名台詞も生まれたようです。
スタンリー・キューブリック監督の映画ランキング第2位:2001年宇宙の旅
映画ランキング第2位は、1968年に公開の名作『2001年宇宙の旅』です。SF作品で、ファンの間では、非常に難解な映画だと言われているようです。
音楽の演出や、アカデミー賞特殊効果賞受賞するなど、芸術性の高さでも評価を得ています。
謎の石版モノリスと知的生命体の接触から始まる哲学的なSFストーリーです。賛否両論ありますが、スタンリー・キューブリックの映画作品の中では一度は見てほしい映画です。
スタンリー・キューブリック監督の映画ランキング第1位:時計じかけのオレンジ
映画ランキング第1位は、1971年に公開された映画『時計じかけのオレンジ』です。近未来を舞台に描かれたSFストーリーです。
主人公の非行少年が、逮捕されて刑務所で「ルドウィコ療法」という施術を受け、強制的に暴力に拒絶反応を起こす「真人間」として世に戻ってくるのだが…というストーリーです。
映画界で初めてのドルビーノイズリダクションシステムを使用したステレオ映画として知られています。
暴力的な部分がエンターテイメントとして描かれてしまっている過激な表現があることから、イギリスでは映画の影響を受けた少年による事件が勃発し、スタンリー・キューブリック自身の要請で26年間劇場公開が禁止されていたほどでした。
しかしカメラワークや音楽を効果的に使用した演出などで、スタンリー・キューブリックらしい世界観を堪能することができる名作です。
スタンリー・キューブリック監督のお蔵入り・未制作作品!
実はスタンリー・キューブリック監督には、お蔵入り・未制作作品があるんです。ここでは、その幻のお蔵入り作品についてご紹介します。
ナポレオン
素敵な本を頂きました。制作途中で断念された魅力的な映画企画をまとめた、「幻に終わった傑作映画たち」(サイモン・ブラウンド編)。キューブリック『ナポレオン』、ケヴィン・スミス『スーパーマン』、アロノフスキー『イヤーワン』などなど…各タイトルに“幻ポスター”が収録され、目にも楽しいよ。 pic.twitter.com/VQkUpkrurL
— 小野寺系 (@kmovie) March 6, 2019
こちらは、スタンリー・キューブリックの未制作作品『ナポレオン』です。
出演は、オスカー・ウェルナーやオードリー・ヘプバーンなど有名な俳優を予定していたようです。1967~1971年あたりに制作・公開を行いたかったのではといわれています。製作費は600万ドルの大作です。
スタンリー・キューブリックは、4年間にわたり構想を考えていたようです。ナポレオンに関する当時のメモや資料、構成案などは、今までの作品で一番膨大な数に及んでいたということです。
しかし当時、ナポレオンを題材にした他の映画が赤字続きで、映画会社のMGMが実業家に買収されると、高額な製作費の提供を引き上げたようで、実現はしませんでした。
その後も、スタンリー・キューブリックはワーナー・ブラザーズとの契約で他の映画を製作しましたが、この『ナポレオン』を正式に撮影することはありませんでした。
しかし、この時集められた資料は『バリー・リンドン』などの他の名作に活かされており、無駄とはならなかったようです。
スタンリー・キューブリックの『ナポレオン』が、もし製作されていたらどのような作品になったのか気になりますね。
アーリアン・ペーパーズ
Very rare costume test photograph of Johanna ter Steege for Stanley Kubrick's never made film, The Aryan Papers pic.twitter.com/pjcHLQCDNj
— Martin Kessler (@MovieKessler) April 15, 2016
もう一つのお蔵入りは、スタンリー・キューブリックが87年の「フルメタル・ジャケット」を公開後に企画としてあたためていた作品『アーリアン・ペーパーズ』です。
こちらは、ナチスのホロコーストを題材に描かれる予定の作品でした。スタンリー・キューブリック自身が、ユダヤ人でもあったことから、この題材で映画を作りたいと思っていたのではないかと言われています。
企画倒れの理由は、当時スティーブン・スピルバーグ監督が制作していた「シンドラーのリスト」と題材がかぶっていたことで、制作見合わせとなったようです。