『かくれ脱水』って何?どうして冬になりやすいの?
冬の乾燥による健康リスクの一つに「かくれ脱水」があります。かくれ脱水とは、自覚症状がなく体重の1%相当の水分が体から失われ、脱水症の一歩手前の状態になっていることを言います。 冬にかくれ脱水になりやすい主な原因として、下記が挙げられます。
かくれ脱水の主な原因① 体感温度が低く、喉の渇きが感じにくい
冬は気温が低いため、体感温度が低くなります。そのため、のどの渇きに気付きにくく、水分補給が怠りがちになってしまう人は少なくありません。また、外出先や夜間のトイレを減らそうと、水分補給を控える人も冬に多く見受けられます。
かくれ脱水の主な原因② 不感蒸泄の増加
冬は湿度が低く空気が乾燥しやすいため、皮膚や呼気から水分が失われる「不感蒸泄」(ふかんじょうせつ)が増加します。「不感蒸泄」とは、発汗以外の皮膚や呼気からの水分喪失を言います。
ちなみに、不感蒸泄の量は常温安静時には健常成人で1日に約900ml(皮膚から約600ml、呼気による喪失分が約300ml)程度と言われています。
かくれ脱水の主な原因③ 冬も汗をかいている
気温の低い冬は、夏よりも基礎代謝が上がるため、実は汗をかきやすい体質になっています。暖房の効いた部屋や車の中、厚着による発汗、満員電車、入浴、軽い運動などで実はいつのまにか汗をかいていることが多くありますよね。
このような3つの原因が合わさり、冬はかくれ脱水が多く発生する季節と言われています。わたしたちは水分補給を怠る中で、気づかぬうちに水分を失い、脱水症状に近づいているのです。
【かくれ脱水チェックリスト】かくれ脱水を放置するとどうなる?
まず、脱水状態になると、喉や気管・鼻の湿り気が無くなり、付着した異物(細菌やウィルス)を外に押し出す繊毛活動がうまく働かなくなることで、風邪を引きやすくなります。
この繊毛活動の一つには「たん」が出るという作用がありますが、脱水により「たん」が出せなくなり肺炎を引き起こす場合もあります。
また、水分不足のため血液がドロドロになり血栓ができやすくなり、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こすリスクもあります。また、浴室では上昇した体内の熱を放出できないため浴室熱中症になる恐れもあるため注意が必要です。
【要注意!】冬の汗には夏の2倍のミネラルが含まれている
さらに、冬の汗には、夏に比べて約2倍のミネラルが含まれています。夏は、暑さに慣れる過程で汗腺が鍛えられるため乾きやすいサラサラとした汗をかくことができるようになります。
一方で、秋冬は汗をかく機会が少なく、汗腺機能が低下しているため、ミネラルが再吸収されずベタベタとした汗をかきます。そのため汗に含まれるミネラル成分は夏の約2倍に増加し、ミネラル不足に陥りやすくなります。
健康を維持するミネラルが体内で不足すると、体の組織機能が正常に働かなくなるため慢性的な疲労など様々な不調の原因にもなってしまうのです。
【かくれ脱水チェックリスト】意外と気づいていないかも!
《かくれ脱水チェックリスト》
- 口の中の粘つき。つばが少なく、飲み込みずらいことがある。
- 皮膚のかさつき、つやのなさを感じる。
- 便秘になる。便秘薬を使う頻度が増えた。
- 足(脛)のむくみがある。または靴下のゴム跡が10分以上残る。
- トイレが近くなるため、外出前・就寝前は水分補給を控える傾向がある。