バイオレットリキュールを使うカクテル
バイオイレットリキュールとは、ミオイスミレという花を原料に使用したリキュールのこと。ニオイスミレは「スイートバイオレット」という園芸種のスミレの花のことです。スミレの色と香りを写し取ったと言われる、紫色の美しいリキュールが、バイオレットリキュールです。
バイオレットリキュールの中でも有名なのが、「パルフェタムール」と「クレームドバイオレット」でしょう。
パルフェタムールは、バイオレットリキュールの元祖とも言われていて、18世紀にフランスで生まれました。
パルフェタムールとは「完全な愛」という意味。ニオイスミレの他にも、バラやアーモンドを用いて香りづけされ、異性を惑わせる媚薬と言われて親しまれていたという歴史があります。
19世紀のアメリカで誕生したのが、クレームドバイオイレット。スミレの香りを強調したものです。
現在でもこの2つのリキュールが主流とされ、カクテルごとにそれぞれ「パルフェタムール系」「クレームドバイオイレット系」に分かれています。
バイオレットフィズ
バイオレットリキュールを使ったカクテルの中でも、おそらくもっとも有名なのが、このバイオイレットフィズでしょう。
アルコール度数は15%前後で、レモンの爽やかな香りがして飲みやすいカクテルです。ジンを使うレシピもあります。
・パルフェタムール45ml
・レモンジュース15ml
・シュガーシロップ5ml
・ソーダ適量
ソーダ以外の材料をシェイクして、氷入りのグラスに注いで軽くステアすれば出来上がり。
「私を覚えていて」という切ないカクテル言葉があり、別れのカクテルとしても有名です。
紫水晶
薄田恒さんの創作カクテルで、1964年に発表されたカクテル。アルコール度数35.8%というかなり強めのお酒なので、飲みすぎに注意したいですね。
・ドライジン30ml・ウォッカ20ml・パルフェタムール10ml
・ミントチェリー1個
紫水晶とは、宝石のアメジストのこと。「アメジスト」というカクテルもありますが、別のものとなります。
20th・センチュリー・リミテッド
ピンクがかった美しい紫色のカクテル。ジンベースでレモンジュースが入っているので、スッキリ爽やかな味わいのカクテルです。
・ドライジン25ml
・パルフェタムール9ml
・ホワイトキュラソー9ml
・レモンジュース17ml
・レモンピール
レモンピール以外の材料をシェイクしてグラスに注ぎ、レモンピールを飾りつければ感性です。
アティ
食前酒として嗜まれることが多い、アティ。ジンベースの辛口カクテルです。
・ドライジン40ml
・ドライベルモット20ml
・パルフェタムール5ml
・アニゼット3ml
すべての材料をシェイクしてグラスに注ぎます。
「Atty」とは「attorney」のことで、「弁護士」という意味があります。甘くなく、ちょっとお堅いイメージのカクテルですね。「個性」というカクテル言葉もあります。
ユニオン・ジャック
ユニオン・ジャックとは、イギリス国旗のこと。イギリス国旗をイメージして作られた、ジンベースのカクテルです。甘みが強く、アルコール度数は33%もあり、少々強めのカクテルです。
・ドライジン40ml
・パルフェタムール20ml
材料はいたってシンプル。作り方もシンプルで、ステアすれば出来上がりです。
アズール
アズールは、青色という意味。その名の通り、青紫色が美しいカクテルです。アルコール度数は30%を超えているので、酔っぱらわないように注意が必要ですね。
・ウオッカ40ml
・パルフェタムール20ml
・ブルーキュラソー5ml
・レモンジュース5ml
すべての材料をシェイクして出来上がりです。
ブルー・ムーン
女性人気がとても高い、ブルー・ムーン。青紫色の美しい見た目と甘さが人気を集めています。アルコール度数24.5%と、カクテルの中では飲みやすい方なのも人気の理由の1つでしょう。
・ドライジン30ml・パルフェタムール15ml・レモンジュース15ml
ブルームーンとは、青い月。あまり見ない現象であることから、「めったにないこと」「幸福な時間」というカクテル言葉を持っています。転じて「叶わない恋」「受け入れられない提案」といった意味もあり、告白を断るときに使われるカクテルとしても有名です。