天使ってどんな存在?特徴や豆知識
「天使」と聞いて、どんなイメージを思い浮かべますか?
大抵の人は、白い服を着た翼を持つ人間の姿や、けがれのない無垢な幼児の姿を思い浮かべるでしょう。絵画や石造から得られるイメージですよね。ですが、実は、中には、人間とは似ても似つかぬ異形の天使もいるんです。
ちなみに、小さな羽根を生やして弓矢を持っているのはcupid(キューピッド)。angel(エンジェル)という意味の天使とは、別の存在と考えられています。
今回は、実はあまりよく知らない天使という存在について、詳しく解説していきましょう。
そもそも天使とは?
天使とは、天から使わされる存在のこと。つまり、神の使いのことです。
天使には階級があり、それぞれが司るものや担う役割は違います。しかし、すべての天使に共通していることは、神・ヤハウェを崇拝し、人間と神との懸け橋となり、神による正しい統治世界へと導くことを使命をしていることでしょう。
また、天使と対になる存在である悪魔との戦いに赴くことも、重要な役割です。
宗教的な意味合いも持つ
天使と聞けば、キリスト教を思い浮かべる人がほとんどですが、実際には、イスラム教やユダヤ教、ゾロアスター教にも天使は登場します。キリスト教・イスラム教・ユダヤ教・ゾロアスター教における神は同じく唯一神・ヤハウェであり、根本的には同じ宗教だからです。
しかし、各宗教にしか登場しない天使がいたり、同じ天使を表すであろう存在がまったく別の名前で呼ばれていたり、1つの宗教では1人として描かれている天使が別の宗教では全く別の2人として描かれていたりと、その定義は複雑です。
中には、唯一神である神と同一視されている天使もいるほどです。宗教や宗派によって、まったく違う存在であると考えてもよいでしょう。
キリスト教においては、天使は、人間と神との懸け橋のような役割を果たします。例えば、イエス・キリストが誕生する前、聖母マリアに対して「あなたのお腹の子供は神の子供ですよ」と伝えたのは、天使・ガブリエルです。
人間にとっては生きている間だけでなく、死後の魂を天界へと導く役割を果たしてくれるのも天使です。キリスト教・イスラム教で死を司る天使・アズライールは、死後の人間の魂を迎えにきてくれるとされています。
下位ほど人間に近い姿をしている
天使とは、人間でとは違う存在です。そして、天使が仕える神は、人間とはほど遠い存在です。
天使には階級があり、神に近い上位階級の天使ほど、人間とはまったく違う姿形をしているとされています。上級の天使たちの姿は人間離れしていて、翼だけの天使や、複数の顔を持つ天使もいます。
天使と聞けば翼の生えた人間型の姿をイメージする人が多いですが、これは中級以下の天使の姿とされています。
「神と接触できる」上級天使三隊の名前と役割
神・ヤハウェの傍に仕え、直接的な関りを持つ天使は3人いるとされています。
上級天使と呼ばれ、人間と接触することはありません。そのくらい、位の高い天使なのです。彼らの役割は神を守ることであり、人間と関わる必要はないからです。
上級第一位:セラフィム
熾天使・セラフィムは、神に最も近いとされている天使。神・ヤハウェと同一とみなされることもあるほどです。
6つの翼を持ち、神への愛で体が燃えているという特徴があります。神を守ることが役割です。
堕天使として有名なルシファーも元々はこの熾天使という階級にいた天使でした。
しかし、自分が神より偉大な存在であると勘違いして反旗を翻したことで、地獄であるコキュートスに幽閉されています。このとき、多くの天使がルシファーを支持し一緒に堕天したという言い伝えもあります。
上級第二位:ケルビム
智天使・ケルビムは、2番目に位の高い天使です。炎の剣を持ち、神殿の門を守護する役割を担っています。
8つの翼を持つとされ、顔は4つ。水を表す鷲の顔・土を表す牡牛・風を表す人間・火を表す獅子という、四大元素を象徴した顔を持っています。足は車輪の形です。
上級第三位:スローンズ
座天使・スローンは、燃え盛る車輪の姿をした天使。神の台座となり、神を乗せることが役割とされています。