そもそも朝鮮人とは?
朝鮮半島をルーツとする人たちのことを朝鮮人と呼びます。朝鮮というと北朝鮮を思い浮かべる人もいるかもしれませんが、朝鮮半島は韓国も含めた範囲のことを指します。そのため、朝鮮人とは韓国人も含む人種のこと。
現在、朝鮮半島は軍事境界線で仕切られており、南側は大韓民国、北側は朝鮮民主主義共和国になっています。台湾や香港といった中華圏では、朝鮮人ではなく漢民族と呼ぶことも。これは、韓国への配慮によるものです。
朝鮮人はハングルを用いて言語表現をおこない、名前についても同様にハングルで表記します。日本人にとってハングルはあまり親しみのないものですが、どのようにして名前を表記しているのでしょうか。
今回は朝鮮人の名前についてご紹介します。お隣の国とも言われている韓国を含めた朝鮮人の名前について詳しくチェックしていきましょう。
朝鮮人の名前の特徴や名付け方
まずは、どのような特徴が朝鮮人の名前にあるのか見ていきましょう。日本では、漢字や平仮名などを用いてさまざまな意味を込めた名前を子供につけるのが一般的です。一方で、他の国では日本とは全く異なる名前の付け方をすることもあります。
名前の付け方を知るということは、その民族についての理解を深めるということにもなります。どのようなことを大切にして朝鮮人は名前をつけているのか学んでみてはいかがですか。基本的な情報についてご紹介します。
苗字は「姓」250種類ほどしかない
朝鮮人は、苗字のことを姓と表します。また、法的な書類などに名前を記載する欄には「姓名」と書かれているのが一般的。日本では「氏名」とされることもあるので、そういった点でも日本との違いをうかがえるのではないでしょうか。
朝鮮人の姓は250種類ほどしかないと言われています。ちなみに日本人の苗字は10万種類を超えます。このことからも朝鮮人の姓の少なさを感じるのではないでしょうか。そのため、朝鮮人は同じ姓の人と出会うことが多くなります。
朝鮮人の姓は一文字から二文字で表されることがほとんど。三文字の姓はないとされています。日本人は三文字の苗字も珍しくないので、そういった点からも朝鮮人との違いがあると言えます。
朝鮮人の姓で最も多いのが一文字です。「キム(金・김)」や「イ(李・이」といった姓は朝鮮人に多いとされています。他にも「パク(朴・박)」、「チョン(鄭・정)」といった姓が挙げられます。
朝鮮人の姓は。「キム(金・김)」が全体の1/5とも言われています。そのくらい同じ姓の人が多いということなのでしょう。朝鮮人の人に関しては、同じ姓の人と出会うことがたくさんありそうです。
兄弟・姉妹・いとこで同じ文字を使う
朝鮮人の名前は、兄弟・姉妹・いとこで同じ文字を使うのが基本です。日本では、祖父・父・息子と同じ文字を使う事例が見られることが多いのではないでしょうか。
戦国武将として有名な織田家を例に挙げてみると祖父の織田信定・父の織田信秀・息子の織田信長といったように「信」の文字を共通して使っていることがわかります。これと似たようなことが朝鮮人の名前でもおこなわれているということです。
ただし、朝鮮人の場合は同じ世代の兄弟姉妹やいとこの間で同じ文字を使うのがポイント。これは「行列字(항렬자)」と呼ばれ、朝鮮人の名前を決めるときの大切な基準になります。
例えば最も年長の長男が영택なら、次男が순택、いとこが군택といったように、それぞれ「택」を名前に使われます。親から子へ同じ文字が受け継がれるのではなく、年長者から同じ世代の兄弟姉妹・いとこへと同じ文字が引き継がれていきます。
行列字は、兄弟姉妹やいとこが同じ世代の同じ家系にある人であるということを表すための重要な慣習です。日本では名前を親が決めることが多いですが、朝鮮人の場合は宗親会と呼ばれる会が開かれ、名前が決められます。
宗親会には始祖の子孫にあたる人たちが集まり、名前を考えます。朝鮮人にとって子供の名前を決めることは、一族全体の重要事項であると言えるでしょう。
名前の長さは最大5文字まで
朝鮮人の名前において、以前は字数制限はありませんでした。しかし、字数制限がないためにどんどん長い名前が作られるようになってしまったため、1993年に制限が設けられることになりました。
現在は最大5文字までの名前にするように定められています。そのため、1993年以前に名前をつけられた人は、想像以上に長い場合があります。
長い名前として知られているのが「박 하늘별님구름햇님보다사랑스러우리」です。「空や雲、星、太陽よりも愛おしい存在」という意味なのだろう。また、この人の姉の名前はさらに長い22文字であることで話題になりました。
帰化した外国人が70文字の名前をつけたこともあるのだそうです。こうした長い名前をつけた人は、名前を省略した通称を使っていることが多いそうです。
前述した「박 하늘별님구름햇님보다사랑스러우리」さんは「하우리(ハウリ)」という名前を日常生活では使っています。このように、日本人ではあまり考えられないような名前のつけ方が好まれているようです。
家系で最も序列が高い人が名前をつける
朝鮮人は、家系を重んじる民族です。家系における最年長の意見は絶対とされており、それは子供の名前をつける場合にも同様です。日本では両親が子供の名前を決めることがほとんどですが、朝鮮人の場合は家系の男性年長者が名づけをします。
Aさんに子供が生まれた場合、Aさんの祖父が健在であれば父親が名前を決めます。祖父が亡くなっているのであればAさんの父親が名前を決めるのが基本です。
もし、祖父も父親も他界している場合、伯父さんが最年長であれば伯父さんが名前の決定者になります。日本では伯父さんが名前を決めるパターンはあまりないかもしれませんが、年長者を重んじる朝鮮人ではこのようなパターンも考え得るでしょう。
このため、両親がつけたいと思っていた名前とは違う名前になることもよくあります。年長者には逆らえないので、意に沿わない名前でもそれに合わせなければならないことも。
こうした朝鮮人特有の名前の付け方を知らない外国人が配偶者だった場合、驚いてしまうことも多いはずです。朝鮮人の名前の決め方は独特であると言えるのではないでしょうか。
朝鮮人の男性に多い名前10選
それでは、朝鮮人の男性に多い名前からチェックしていきましょう。朝鮮人の名前にはいろいろなパターンがあります。日本と同じように人気の名前のあるので、参考にしてみてはいかがですか。
서준(ソジュン)
서준(ソジュン)は、漢字にすると「西準」になります。漢字だとあまり意味が分かりませんが、響きが男の子らしいということで人気です。俳優のパク・ソジュンなど芸能人にもつけられていることが多い名前です。