『1Q84 a novel BOOK3 後編 10月-12月』は2009年から2010年にかけて発表された12作目の長編で、3部作の完結編です。特定の主義主張に対する精神的囲い込みに、いかに対抗するかがテーマとなっています。
「1Q84」の世界でさまざまな試練に見舞われた青豆と天吾は、果たして再会できるのでしょうか。作品はBOOK3で完結と言われていますが、実際には本文に登場する小説『空気さなぎ』の作者の行方など解決されていない謎もあり、ネットなどで議論が巻き起こっています。読み終えた後に自分の解釈と比べてみるのも面白いですよ。
第24位:神の子どもたちはみな踊る (新潮文庫)
『神の子どもたちはみな踊る』は2000年発表の連作短編集で、ひょんなことから耳の欠けた男の跡をつけることになった会社員の物語です。
この作品は『地震のあとで』という副題がつけられた、阪神大震災にまつわる物語を集めた短編集。少し不思議な世界観と、救いを感じられるラストに心が暖まる1冊です。また登場人物がどこでリンクしているか、探しながら読むのも楽しい作品です。
第23位:1973年のピンボール (講談社文庫)
『1973年のピンボール』は1980年に発表された2作目の長編で、翻訳家の「僕」と「鼠」の章に分かれて物語が平行に展開されていきます。
この作品は時系列が前後している描写が見られるので、時々整理しながら読むのがおすすめです。また謎めいた文章や人物の回想が断片的に織り込まれることで、不思議なムードを醸し出しています。
何冊にもまたがる長編が多い村上春樹さんの作品の中では短い方なので、初心者でも手に取りやすいでしょう。
第22位:ねじまき鳥クロニクル 改版 第1部 泥棒かささぎ編 (新潮文庫)
『ねじまき鳥クロニクル 第1部 泥棒かささぎ編』は1994年に発表された8作目の長編です。3部作のうち第1部で、専業主夫の男性が飼い猫と妻の失踪の謎を追う物語です。
第1部では女がキーワードになっており、占い師姉妹のクレタとマルタや近所に住む女子高生のメイなど、様々な女性が登場します。村上春樹さんの作品で女性は男性に変化をもたらす存在となることが多いので、これらの女性キャラが主人公にどんな影響を与えるか、注目しながら読んでみて下さい。
第21位:スプートニクの恋人 (講談社文庫)
『スプートニクの恋人』は1999年に発表された9作目の長編で、主人公とその片想いの相手「すみれ」、そして「すみれ」が片想いする女性との三角関係から始まる物語です。
恋する女性と一緒に仕事するようになった「すみれ」。彼女が出張先のギリシャで主人公に残した文章とは…。報われない恋心をファンタジックな展開を交えて描いたストーリーに胸が切なくなります。村上春樹さんの作品の中でかなり難解な1冊なので、焦らずに読むのがおすすめです。
第20位:1Q84 a novel BOOK2前編 7月ー9月 (新潮文庫)
『1Q84 a novel BOOK2 7月-9月』は2009年から2010年にかけて発表された12作目の長編で、3部作の第2弾です。オウム真理教の林泰男死刑囚に関心を持ったことが、執筆のきっかけの1つと言われています。
運命に導かれて「1Q84」の世界に迷い込んだ青豆と天吾。BOOK2では宗教団体「さきがけ」の秘密、目に見えない存在「リトル・ピープル」などが物語の謎を加速させていきます。天吾が父親と再会する場面は、リアルな描写が感情を揺さぶります。
第19位:1Q84 a novel BOOK2後編 7月-9月 (新潮文庫)
『1Q84 a novel BOOK2 7月-9月』は2009年から2010年にかけて発表された12作目の長編で、3部作の第2弾です。朝日新聞が選ぶ「平成の30冊」の第1位にも選ばれました。
「1Q84」の世界を舞台に、少しずつ距離を縮めていく青豆と天吾。幼い頃に離れてしまった2人は再会を果たせるのでしょうか…。当初はBOOK2で完結予定と言われていたこの作品は、衝撃的なラストで大きな話題を集めました。