てんとう虫は世界的にも幸福の象徴として有名な虫の1つとされています。「てんとう虫が止まると幸せになれる」「病気の人にてんとう虫が止まって飛び去ると病気を持っていってくれる(治る)」などと言われ、縁起の良い虫の代表でもあります。
またてんとう虫は太陽に登って飛んでいく様から「天道虫」と書かれることがあり、古来より信仰の対象ともされていた太陽に向かっていくてんとう虫は縁起が良い虫とされてきました。
また現実的な面においても、農家の方々にとってては、農業の害虫であるアブラムシを食べてくれることから益虫としても深い関わりのある虫となっています。
てんとう虫は英語で「Ladybug(レディバグ)」と呼ばれており、これは聖母マリアから由来されているという説もあるほどに幸福と深い繋がりを持った虫と言えます。
コガネムシ
漢字で「黄金虫」と書くことからも想像できるようにコガネムシは金運上昇の象徴としてよく紹介される虫となっています。その光沢のある姿から昔より金運との密接な繋がりを持った虫とされています。
タマムシ
タマムシはその光沢が美しい様から昔より縁起のいい虫として言い伝えられてきました。法隆寺の国宝である「玉虫厨子(たまむしのずし)」にタマムシの羽が使われているなど、その美しさは昔から工芸品などにも使用されるほどです。
タンスに入れておくことで金運アップの効果をもたらしてくれるといった言い伝えも残っています。
そんな縁起のいいタマムシには「吉兆虫」といった別名があり、吉兆とはは良いことが起こることへの前触れであることを表しており、その吉兆という言葉が別名で使われるほどにタマムシは縁起のいい虫として扱われてきています。
フンコロガシ
フンコロガシはその名の通り動物のフンを転がして丸めるといった習性を持っている虫です。その様子を古代エジプトでは太陽が回っていることを想起させたために太陽信仰から象徴とされていた虫でもあります。
古代エジプトにおいて太陽は「復活や再生」を象徴しています。そんな古代エジプトにおいて太陽信仰を象徴するフンコロガシは縁起のいい虫であり、装飾品やアクセサリーなどにもモチーフとして度々登場しています。
また昆虫学者のファーブルの研究でも有名な虫であり、「Scarabaeus sacer(スカラベサクレ)」と呼ばれていましたが、その意味には「聖なる甲虫」とされており、ここにも縁起の良さが影響したネーミングとなっています。
日本においては動物のフンを丸めて大きくしていくフンコロガシは生息していませんが、同じフン虫としてオオセンチコガネといった美しい姿をしたフンコロガシの仲間が生息しています。
黒いトンボは幸せを運んでくれる!
一般的に見かけるトンボとはちょっと色味が違った黒いトンボ。一見「黒」という色味は縁起の悪い印象を受けますが、実はとても縁起の良いということがお分りいただけたかと思います。
トンボのように暮らしの中でふと見かける虫たちに幸福を重ねることができるといった素敵な文化はこれからも大切にしていきたいものですね。
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