その五行に従って物事を考えると、丑三つ時というのはとても不吉な時間帯に当たるのです。
干支を24時間で区切って円にしてみると、ちょうど北東の方角に丑三つ時が来ますよね。
この北東の方角というのは陰陽道ではとても不吉な方角で、鬼の出てくる方角。「鬼門」と呼ばれていました。
「鬼門」というのは言葉の通り、鬼が出入りする門を意味する言葉です。
丑三つ時はこの「鬼門」の方角にあることから、幽霊や鬼が門を開けて入ってくる時間帯だと考えらていたようです。
平安京は陰陽師によって結界が張られていると考えられていましたが、丑三つ時にはこの結界の力が弱まり、幽霊が沢山入ってきてしまうので、外から出ると怖いことが起こると信じられていたんですね。
それに、平安時代は今とは違って「草木も眠る」時間帯。電気もなく、静かで真っ暗というだけでも幽霊が出てきそうです。
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【雑学:丑三つ時】逢魔が時も幽霊が出やすい
余談ですが、丑三つ時以外にも幽霊が出やすいとされている時間帯があります。
それが、「逢魔が時」です。
逢魔が時は、夕日が沈んで行く黄昏時を意味する言葉で、夕日の日差しが強くなる時間帯を指します。
夕日が強いと影が濃くなって相手の顔が見えなかったり、暗くなっていくと辺りが見えにくくなる時間でもありますよね。
この黄昏時という言葉は、そんな周囲が見えにくくなる時間帯に「誰そ彼」と聞いていることが由来になっていると言われています。
つまり、「あれは誰だ?」と聞いてしまうような時間帯ということですね。
こうした誰が誰なのかわかりにくい時間帯というのは、幽霊や鬼が人間に紛れて悪さをしやすい時間帯だと考えられていたので、「逢魔が時」、つまり「魔に逢う時間」と言われているんですね。
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【雑学:丑三つ時】人が寝ぼけやすい時間帯でもある
幽霊に遭う、鬼に遭うと考えると怖いような気もしますが、最近ではそれが幻想ではないかということが科学的に解明されています。
というのも、丑三つ時という時間は、人の脳が最も寝ぼけやすい時間なんだそうです。
寝ぼけている時には、何かを見間違えてしまったり、意味の分からないことをしてしまいがちですよね。
例えば干してある白いシーツを幽霊と見間違えてしまったり、黒い影を人に見間違えてしまったり…。
そんな風に寝ぼけた脳が勘違いを起こしやすい時間帯が丑三つ時というわけです。
そうした科学的な考えの無かった時代に何かを見間違えてしまい、幽霊だ!と騒いでいたというわけですね。
しかし、本当に寝ぼけていただけなのかどうか考えるのはあなた次第です。
もしかしたら本当に幽霊が出ていたのかもしれませんよね。
【雑学:丑三つ時】丑の刻参りをする人も…
丑三つ時は鬼門が開いて霊界との繋がりが強くなる時間帯です。
そうした時間帯にはもちろん、霊的な呪術もよく行われていました。
その呪術の一つとして有名なのが丑の刻参りです。
丑の刻参りとは、白装束を着た人がろうそくを立てた冠のようなものを被り、呪いたい人に見立てた藁人形を五寸釘で打つという呪術です。