「君」は恋愛経験が豊富で小悪魔チックな印象を受けます。何を考えているのかわからない「君」に「僕」は戸惑い、本気になる気持ちを持て余しているような切なさが、叶わない恋を思わせてなんと言えない気持ちにさせられます。
ちょっとひどいんじゃない あんまりじゃない
恋がなんだかもうわからないんだ
君が教科書になってくれるかい
「いいよ」って 君が言うなら 暇はいくらでもあるから
「君」の核心に触れることはできないこと、それをなげくようなサビです。恋がわからなくなるほど、強く「君」だけを見ている「僕」。それでも「君」は「僕」だけを見ることはない、そうどこかでわかっていながら諦めることもできない。
そんな歌詞をバラードのように静かにしっとりと歌い上げます。叶わない恋をしている人に強く共感を得られる曲です。
5位:前前前世
新海誠監督の映画「君の名は。」の主題歌として書き下ろされた楽曲。RADWIMPSを有名にしたきっかけの曲でもあります。
君の前前前世から僕は 君を探しはじめたよ
そのぶきっちょな笑い方をめがけて やってきたんだよ
疾走感のある曲に、透明感のある歌詞。君の「前前前世」から探し出すほどの君と僕の「運命」を思わせます。
4位:君と羊と青
疾走感を感じるスピード感の強い曲です。早口な部分が多く、歌うのは難しいですが、音程は取りやすい曲です。
RADWIMPSの曲の中では短めな曲です。AメロやBメロでは日常を通してみた世の中のことが歌われますが、サビになると「君」が現れ、「君」を中心に回っている「僕」の世界観が伺えます。
君を見つけ出したときの感情が
今も骨の髄まで動かしてんだ
眩しすぎて閉じた目の残像が
今もそこで明日に手を振ってんだ
サビの部分の言葉のチョイスが野田洋次郎さんらしさを感じます。「骨の髄」や「目の残像」など難しい言葉が登場しますが、曲を聴いているとすっと体に入ってくるような清々しさがあります。
あの日僕らを染め上げた群青が
今もこの皮膚の下を覆ってんだ
最後の方に出てくる「群青」という言葉。曲名の「君と羊と青」の「君」と「羊」と「青」という漢字をくっつけると、「群青」になります。
曲を聴き終わった後もなぜか残る「群青」というフレーズ。そんな印象的な「群青」という言葉をそのままタイトルにするのではなく、バラすところが野田洋次郎さんの言葉選びのセンスが伺えます。
3位:グランドエスケープ
新海誠監督の映画「天気の子」のために書き下ろされた楽曲です。静かな音楽と綺麗なピアノが印象的。優しく「君」への思いを歌っています。
怖くないわけない でも止まんない
ピンチの先回りしたって 僕らじゃしょうがない
僕らの恋が言う 声が言う
「行け」と言う
静かに語りかけるような最初からは一変し、途中で手拍子を交えたコーラスも入ってきます。その演出が、「僕」の迷いをかき消すようで、前向きになれる曲です。