1949年公開、主な出演者は原節子さん、大河内傳次郎さんです。製作・配給は東宝のモノクロ映画です。
思想弾圧事件の「滝川事件」と、ソ連のスパイ事件の「ゾルゲ事件」をモデルに脚本されました。ファシズム時代に自らの信念を曲げずに生きる女性を描き、GHQからの奨励を受けた民主主義映画でもあります。この映画は第20回キネマ旬報ベスト・テン第2位を獲得しています。
黒澤映画の人気作品ランキング第18位:生きものの記録
1955年公開、主な出演者は三船敏郎さん、志村喬さんです。製作・配給は東宝のモノクロ映画です。
核軍備競争に伴うビキニ環礁での第5福竜丸被ばく事件を受け、反核世論が過熱したことから原水爆の恐怖を映像化した社会派ドラマです。当時まだ35歳の三船敏郎さんが、70歳の老人を違和感なく演じて注目されました。この映画は第29回キネマ旬報ベスト・テン第4位を獲得しています。
黒澤映画の人気作品ランキング第17位:影武者
1980年公開、主な出演者は仲代達矢さんです。東宝と黒澤プロダクションで製作して、東宝が配給したカラー映画です。
黒澤明さんが「デルス・ウザーラ」から5年ぶりに監督を務めた作品です。久々の時代劇であり、黒澤明さんが手がけた映画の中で唯一実在する戦国武将のエピソードを取り上げています。
戦国時代、武田信玄の影武者として生きることになった小泥棒の可笑しく悲しい物語。海外版プロデューサーには敬愛するフランシスコ・フォード・コッポラ、ジョージ・ルーカスが選ばれました。
日本映画の歴代映画興行成績1位、世界でも評判で第33回カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞しました。
黒澤映画の人気作品ランキング第16位:野良犬
1949年公開、主な出演者は三船敏郎さん、志村喬さんです。東宝と映画芸術協会が製作して、東宝が配給したモノクロ映画です。
黒澤明さんが初めて手掛けた犯罪サスペンス映画。終戦直後の東京で、拳銃を盗まれてしまった新人刑事がベテラン刑事と犯人を追い詰めるストーリー。この映画は第23回キネマ旬報ベスト・テン第3位を獲得、昭和24年度の芸術祭賞を受賞しています。
黒澤映画の人気作品ランキング第15位:酔いどれ天使
1948年公開、主な出演者は三船敏郎さん、志村喬さんです。製作・配給共に東宝のモノクロ映画です。黒澤×三船コンビ最初の映画でもあります。
闇市を支配するまだ若いやくざと、貧乏だが一途なアルコール依存の中年医師との交流を軸に物語が描かれています。戦後の風俗を鮮やかに描写、ヒューマニズムを感じることができる作品です。この映画は第22回キネマ旬報ベスト・テン第1位を獲得しました。
黒澤映画の人気作品ランキング第14位:醜聞(スキャンダル)
1950年公開、主な出演者は三船敏郎さんです。製作・配給は松竹のモノクロ映画です。東宝争議のため他社で撮った、黒澤明さん初めての松竹作品です。
無責任なマスコミによる言論暴力に不快感を持った黒澤明さんが、過剰なジャーナリズムを問題視した作品です。雑誌社のカメラマンに隠し撮りをされ、嘘のスキャンダルを広められた青年が編集者と法廷で戦います。この映画は第24回キネマ旬報ベスト・テン第6位を獲得しました。
黒澤映画の人気作品ランキング第13位:乱
1985年公開、主な出演者は仲代達矢さんです。ヘラルド・エースとグリニッチ・フィルム・プロダクションが製作、東宝が配給した日本とフランス合作のカラー映画です。黒澤明さんが監督を務めた最後の時代劇、ライフワークであり「人類への遺言」とも語っています。
架空の戦国武将・一文字秀虎をメインに、3人の息子との晩年の確執や息子たちの間の争いを描いています。悲劇「リア王」や逸話「三本の矢」を組み込んだ人間模様は衝撃的な結末を招きます。
この映画は国内外で様々な賞を受賞して、4Kによるデジタル修正が行われ2017年に再公開されました。