神社とお寺は宗教が違う
「神社仏閣」と、ひとまとめに称されることの多い神社とお寺。信仰という点では同じでも、いざ違いを話すとなると「神様」と「仏様」程度の違いしか浮かばないものです。
なかなか学ぶことも少ないかと思いますが、この機会に神社とお寺の違いを見ていきましょう。明日誰かに話したくなるかもしれませんね。
神社は神道
神社は神道の教えの元、日本古来の神様を祀っています。小さな鳥居にお賽銭箱だけがあって無人のひっそりとした神社もあれば、明治神宮や伊勢神宮といった「神宮」と名の付く格式高い神社まで数多くの神社があります。
神道での死後の世界に関する概念を知っていますか?このへんに神社とお寺の違いがみえてくるかもしれません。
神道では、死後、御霊は神様と同様に永遠に残ると信じられています。神々の居られる天上他界、そして夜見(よみ)、常世(とこよ)と3つの他界があるとされています。
神道は現世中心の信仰と思われています。それは、祭祀によって、神や御霊が現世の人々に幸いを授けてくれることから言われているのです。
お寺は仏教
お盆やお彼岸のお墓参り、きちんと行っていますか?お寺は仏教に基づく教えから成り立っています。中国・インドから伝わり、本堂には仏像があり僧侶が仏法をおさめています。
どちらかというと、神道よりも仏教に馴染みのある人のほうが多いでしょう。自宅に仏壇は無くても実家にある、または本家にある、といった感じではないでしょうか。
仏教で死後の世界はというと…それはそれは長い旅路となります。三途の川を渡るあたりから、延々と罪の重さを量られていきます。親より先に死んでいないか、虫を殺生していないか、盗みはないか不貞はないか…そして35日目に来世での行先が言い渡されるのです。
42日目に行先への細かな条件が加えられ、49日目に行先が決まります。四十九日法要は、この時に良い来世に行けるよう祈る法要なのです。
奈落と呼ばれる8つの地獄は罪の深さによって決まるとされています。浄土へ行けなかった場合、子孫が一周忌、三回忌、七回忌…と法要を重ねていくたびに故人の罪が軽減されていき、長い時間をかけてようやく浄土へと向かっていくのです。
神道が現世中心の信仰ならば、仏教は故人を救うための信仰と言えるかもしれませんね。
神社とお寺を簡単に見分けるポイント
名前
神社は必ずしも「○○神社」という称号ではないですよね。○○神宮、○○宮という名称もあります。神宮・宮以外を神社に統一したのは近代のことで、以前は○○稲荷や○○明神といった名称であったものも今は○○神社と統一されています。
つまり、神社は名称ですぐわかるようになっているわけです。ただ、愛着が強く広く知られた名前の場合は、稲荷や明神といった名称を今でも使っている場合が多いのです。有名な神社ではなくても地元の方々が親しみを込めて従来の名称を使うこともあるようです。
鳥居があったら神社
神社といえば鳥居です。どんなに小さな神社でも必ず鳥居はあります。よくある日本○大ナントカというものの鳥居バージョンもあります。
・日本三大鳥居
厳島神社、伊勢神宮、春日大社
・日本三鳥居
吉野・銅の鳥居(かねのとりい)、安芸の宮島・朱丹の大鳥居、大阪四天王寺・石の鳥居
・日本三大石鳥居
日光東照宮、八坂神社、鶴岡八幡宮
神社に鳥居は必須なのです。
御本尊様が奉られていたらお寺
お寺には必ずご本尊を祀っています。お寺の中へ入ったことがある人なら、必ず目にしているはず。でも、大概は「ご本尊らしき仏像」くらいにしか思っていないかもしれませんね。
お寺の本堂に行くと、仏像が3体並んでいるはずです。中央がご本尊、両脇は脇侍と呼ばれ、宗派によって異なります。そこで、その3体を「右脇侍(我々から見て左手)」「本尊」「左脇侍(我々から見て右手)」の順に見てみましょう。
・真言宗…不動明王ー大日如来ー弘法大師
・天台宗…伝教大師ー釈迦如来他ー天台大師
・曹洞宗…螢山禅師ー釈迦如来ー道元禅師
・臨済宗(妙心寺派)…花園法皇ー釈迦如来ー無相大師
・浄土宗…法然上人ー阿弥陀如来ー善導大師
・浄土真宗(本願寺派)…蓮如上人ー阿弥陀如来ー親鸞聖人
・浄土真宗(大谷派)…九字名号ー阿弥陀如来ー十字名号
・時宗…真教上人ー阿弥陀如来ー 一遍上人
・日蓮宗…大黒天ー曼荼羅ー鬼子母神
・黄檗宗…隠元禅師ー釈迦如来ー達磨大師
宗派によりご本尊に違いがあるのがわかりますね。脇侍は開祖が祀られていることが多いようです。お盆やお彼岸にしかお寺には足を運ばないという人も多いことでしょう。
今度本堂まで行くことがあったら、ちょっと気に留めてみてください。ご先祖様を良き道へと誘ってくれる仏様です。
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今や、旅行会社で「御朱印ツアー」なるものまで販売するまでになった御朱印ブーム!御朱印ガールたちは御朱印集めに日本全国飛び回っていますよね。
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