「悪女」は1982年にリリースされた11作目のシングルです。先にご紹介した「わかれうた」に続き、オリコンチャート1位を獲得し、80万枚越えの売り上げを記録するなど、異例の大ヒットとなりました。
その歌詞は、多くの恋する女性の共感を呼ぶものです。恋人に他の女性の影を感じている女性が、色んな嘘をついて恋人の気持ちを取り戻そうとするのですが、どうしても「悪女」になりきれない女性の切ない思いが描かれています。
恋人に新しい彼女ができた経験のある女性にとっては、涙なくしては聞けない曲でしょう。その涙が枯れるほど泣いて、また新しい恋に向かって歩いていってほしいという中島みゆきさんのメッセージかもしれませんね。
旅人のうた(1996)
「旅人のうた」は、1996年にリリースされた32作目のシングル曲です。この曲は、日本テレビ系ドラマ「家なき子2」の主題歌として起用され、オリコンシングルチャートでミリオンセラーとなりました。
中島みゆきさんが書く曲の世界には、人生観や愛のかたちが詰め込まれていますが、この曲も例外ではありません。
ドラマ「家なき子」のストーリーと重ね合わせて聞く人も多いと思いますが、頼れる人がどこにもおらず、孤独な中でも力強く生きるドラマの主人公の姿のように、生きる希望を失わずに強く生きていこうという中島みゆきさんからのメッセージかもしれませんね。
しかし曲は絶望を残して終わりません。聴いてまた「よし」と一歩踏み出すエネルギーを取り出すこともできます。
その根底に流れているのは、やはり「生きる希望」なのでしょう。
したたかに、誠実に、そしてくじけずに生きていきましょう。
麦の唄(2014)
「麦の唄」は、2014年にリリースされた44作目のシングルです。NHK連続テレビ小説「マッサン」の主題歌として依頼を受けて中島みゆきさんが提供した曲になります。
オリコン週間シングルチャートにおいて、初登場5位を獲得しました。この記録は、先にご紹介した「銀の龍の背に乗って」以来となりました。
中島みゆきさんへ主題歌をオファーしたドラマ制作側は、「あきらめない日本人への応援歌を作ってください」と要望したそうです。
ドラマでは、日本のウィスキー造りに奔走した夫婦の奮闘を描いていますが、時代を賢明に生き抜いた日本人の応援歌となっています。
中島みゆきの楽曲は世代を超えて心に沁みる!
中島みゆきさんが生み出す作品は、だれもが共感できる人生の経験を歌ったものであり、人生の苦しさや困難を乗り越えた先に希望が待っていること、そして前向きに生きることの大切さを描いています。
「人生の応援歌」たる中島みゆきさんの作品を、みなさんも改めて聴いてみてはいかがでしょうか。きっと元気を与えてくれるでしょう。