「顔汗」は手掌や足底と同じ量!?
汗を出す「エクリン汗腺」は、温熱刺激によって全身に発汗をきたし、体温調節に関与します。
エクリン汗腺は、一部を除くほぼ全身に存在し、額・手掌・足底・腋にもっとも多く集まります。
汗のケアとしては忘れられがちな“顔汗“ですが、顔の一部である額には、250個/cm2あり、汗をかいていると感じやすい手掌や足底と
同じ量の汗をかくことも!
平均的な成人に約300万個あり、1つのエクリン汗腺が分泌する汗の量は1分あたり約2~20nL(nL=10億分の1L)、全身に換算した場合、1日に産生する汗は平均700ml~10L(高温環境下、または激しい運動時)にもなります。
今年の夏は汗に注意…!
「暖候期予報」によると、夏(6月から8月)全般の気温は全国的に平年より高くなる予想。昨年、おととしの「暖候期予報」も全国的に高くなる予想(確率40%)でしたが、今年は高い確率が50%で一段と高く、さらなる猛暑の予報が出ています。
また、マスクをして過ごす夏はもう3年目。マスクによる暑さや蒸れが気になる人は63%以上も...!
マスク着用によって顔の表面が高温多湿になり、汗の分泌も活発になりますので、健やかな肌を保つためには汗のケアが必須です。
そんな中、コロナ禍で外出自粛が続き、運動機会が減っていることや、健康への関心が高まっていることから、「汗をかく活動」=
「汗活」が話題になっています。
サウナや岩盤浴、ランニングなど、ただ汗をかくだけでなく、より良い汗をかくための活動を意識している人が増えています。
汗が引き起こすトラブルとは?
①匂い
汗の匂いが気になる6つの原因
1. 汗の量が多い
2. 汗腺が衰えている
3. アポクリン腺の数が多い・大きい
4. 雑菌が繁殖しやすい
5. 汗のニオイが強くなる食べもの
6. ストレス・疲れがある
➁ニキビ
汗をかいたまま放置をしてしまうと、細菌が繁殖しやすい環境が作られたり、乾燥したりすることで、肌荒れしやすい状況に。
皮脂分泌が多いTゾーンはとくにニキビができやすい場所。汗をかいたらすぐにしっかりふき取るのが大事です。
③べたつき
汗には、べたつく汗とべたつかない汗があります。べたつく汗をそのままにしておくと、「かゆみ」や「匂い」の原因になってしまいます。
また、夏は冬よりも「乾燥」していることもあり、乾燥によって皮脂分泌が促され、さらにべたつく悪循環が生じやすいのです。
顔汗は「毛穴目立ち」にも大きな影響が…
2022年1月、ポーラは長年の研究から、肌や体内だけではなく、汗の成分も「糖化」して、毛穴目立ちに影響を及ぼしていることを発
見しました。
汗が糖化する、「糖化汗」の仕組みをご紹介します。
「汗が糖化する」とは?
汗中のAGEsは毛穴を目立たせる?
汗は表面張力が低いことから肌になじみやすく、毛穴に入っていく可能性も高いと考えられています。
そのため、毛穴に入った汗中のAGEsが肌に悪影響を及ぼし、毛穴がすり鉢状に開いたり、毛穴周辺でたるみが生じたりすることで、大人の肌悩みのひとつ「毛穴目立ち」のリスクが高まります。
汗が糖化する「糖化汗」が、今年の夏の顔汗ケアのポイント、といえるのです。
肌の糖化が老化の要因となることは、研究でも解明済みです。
タンパク質と糖が結びつくことで最終糖化産物AGEsが生成され、たるみやくすみの一因となることから、「糖化ケア」としても注目されています。
そんな肌には、かならず“汗”が存在するにも関わらず、糖化研究では注目されていませんでした。本来は体温調節のほか保湿など、肌の健康を保つ役割を持つ“汗” ですが、汗の成分にはタンパク質と糖が含まれるため、それらが結びつき、糖化リスクが…!