TikTokの利用を制限する動きが発生
TikTok等の中国アプリの利用制限へ各国が動き出す
- 自民党議員連盟が利用制限のための法整備を政府に要求
- アメリカを始め海外では既に利用制限へ大きく動き出している
- 中国への情報流出が懸念されたことや海外の動きに合わせた対応か
- セキュリティアプリや定期的なアップデートが安全利用のために必要
7月28日、自民党の議員連盟では中国アプリの利用制限について政府に提言する方針を固めました。中でも注目されたのが、今日本でも若者を中心に非常に人気の高いTikTokです。TikTokが使えなくなることで、SNSを中心に大きな議論を読んでいます。
現状は「制限」で禁止にはなっていませんが、TikTokの今後の利用が今後どう変わっていくのかは気になるところ。今回は、中国アプリの危険性と安全にアプリを使う上でのポイントをご覧ください。
アメリカやオーストラリアでも利用制限の動きへ
実は中国アプリの規制はすでに世界各国で始まっており、インドではすでに禁止が発表されています。また、アメリカやオーストラリアでも利用制限、禁止に向けての動きがすでに始まっています。
日本の中国アプリの利用制限への提言も、そのひとつとして考えられます。
2019年11月末までユーザーのトラッキングをしていた
TikTokは2019年11月末まで、ユーザーのMACアドレスを取得し、ユーザーのネットの追跡を行っていたことが判明しました。
ユーザーの識別・追跡をオプトアウトしていないAndroid端末の情報を収集していたとされていますが、2019年11月末にその機能をTikTokは停止。
現在のバージョンでのTikTokではトラッキングの機能はついていないとしています。
TikTok日本法人は「中国へのデータ提供はない」と説明
中国アプリの利用制限の発表の理由でもあるアプリを通じてのデータ提供の可能性についてTikTok本社にも多くの利用者から問い合わせがありましたが、それを受けてTikTok日本法人は「中国へのデータ提供はない」と説明しています。
なぜ中国アプリが制限されているのか
中国アプリの利用制限、禁止の動きが高まっている理由の一つはアプリを利用することによる個人情報の流出です。スマホに蓄積されたデータがアプリを通じて流出しているのではないかという危惧が理由のひとつです。
そして、もうひとつが政治的な面を見てのことです。アメリカ、オーストラリアをはじめとした各国と足並みを合わせるため、各国の中国アプリへの対応と合わせた措置と言う意味でも、中国アプリの制限は始まろうとしています。
中国アプリの利用で個人情報が流出してしまうのか
中国アプリの利用制限の理由として挙げられているのが、個人情報の流出です。中国アプリを利用することは、本当に危険なのでしょうか?
実のところ、アメリカのポンペイオ国務長官などは「TikTokユーザーの個人データが中国共産党の手に渡っている」と発言していますが、中国アプリの危険性に対する証拠や根拠を正式に発表はしていません。
また、電子メールサービスを展開するProtonMailは7月23日、一連の中国アプリの危険性に対して「アクセスへの介入や情報操作などセキュリティの脆弱性がある」「TikTokは個人情報の収集や中国の検閲を拡大するためのツールとして利用しているのではないか」「中国アプリの利用者数が今後増加していくことで、データ収集可能な絶好のツールになる可能性がある」とコメント。
実際に情報の流出等があったかは定かではありませんが、こうした不安材料が利用制限の動きへ発展させてしまっているのでしょう。
不正アプリ等の利用で起きる危険
中国アプリに限らず、怪しいアプリは多くあり、インストールするだけでもスマホを通じて被害が出てしまうアプリも存在します。
トレンドマイクロ社の調査によると、200万以上のアプリを解析した結果30万ものアプリに「利用者に危害を加えるアプリ」として分類されました。
中にはGoogle Playの審査をくぐり抜けたアプリもあり、突然うっかりアプリを通じたネット被害に遭ってしまう可能性もあります。
不正アプリの利用により
・個人情報や電話番号が抜き取られてしまう
・スマホを通して個人の位置情報が特定されてしまう
・アドレス帳が抜き取られ、知人の連絡先が流出してしまう
・スマホが乗っ取られ、遠隔操作されてしまう
・ネットやブラウザの履歴が読み取られてしまう
などといった危険が及ぶ可能性があります。