『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』のアニメ版は2017年に制作・公開されています。実写版から20年以上経過してのアニメ化に、驚く人も少なくありませんでした。そこでアニメ映画にしかなないポイントをまとめてみました。
主人公たちの年齢が小6から中1に!
ドラマ・映画版では主人公たちは小学生6年生でした。そのため、まだあか抜けない少年たちと少しだけ大人びたなずな(奥菜恵)の対比が印象に残ります。
しかし、アニメ映画版は設定を中学1年生に変えており、少年たちにも、思春期にある独特な自意識や孤独感が感じられます。
2つのキャラクターの違いは、先に原作の映画作品を見たことがある人にとっては、面白いポイントとなるのではないでしょうか。
またこれを機に原作映画を観て、2作品を比較してみるのもおすすめです♪
主題歌は DAOKO×米津玄師の「打上花火」!
『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』のアニメ化にあたり、大きな話題となったのが主題歌「打上花火」です。この作品はDAOKOさんと米津玄師さんのコラボによって生まれました。
現在では大ブレイクを果たしているDAOKOさんと米津玄師さんですが、当時は知る人ぞ知るといった存在でした。まさに、時代を先取りしたコラボだといえるでしょう。
化物語など《物語シリーズ》の新房昭之が総監督&脚本は大根仁!
アニメ版『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』では岩井俊二監督はメガホンを取っていません。総監督には化物語など《物語シリーズ》、「シャフト」と「魔法少女まどか☆マギカ」の新房昭之さんが起用されました。
この作品でも、その映像美は高く評価されています。映画後半の幻想的なシーンの数々は見逃せないポイントです。
脚本には『モテキ』『バクマン』の大根仁さん、プロデューサー「君の名は?」の川村元気さんです。まさに日本映画界を席巻する旬の人材が起用され、大きな話題となりました。
劇中で広瀬すずが松田聖子の名曲をカバー
アニメ版『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』にしかないポイントの一つに劇中歌があります。主演の広瀬すずさんがカバーした松田聖子さんの名曲『瑠璃色の地球』です。
広瀬すずさんのみずみずしさが前面に出ており、オリジナルに負けない歌唱となりました。
《ネタバレ注意!》『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』のラスト
アニメ『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』は、実写版にはない魅力が数多く含まれた作品です。公開と同時に大きな話題となりましたが、ラストシーンには様々な憶測が飛び交いました。果たしてどういったラストシーンを迎えたのでしょうか。
タイムリープをした最後のシーン!典道はどこに消えたのか?
『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』は、なずなと典道という二人の中学生のひと夏の恋を描いた作品です。夏休みが終わり、なずなは予想通り教室にはいません。
ここでラストシーンと思いきや、教室に居るはずの典道まで教室から消えているのです。この展開に二人は駆け落ちに成功したのか、それとも違う世界にタイムリープしたのかが争点となりました。
原作の映画版と異なり、アニメ版ではタイムリープは何度か繰り返され、その度に分岐点となる「選択」を変えていきます。
「典道の脳内世界の話で、現実世界に戻れなくなってしまったのでは?」という人もいれば、「二人はタイムリープしながら生きている」など、観客からはさまざまな推測がおこりました。
物語の複雑さによって評価は分かれるかも…!
『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』はタイムリープが物語の軸になっているぶん、物語の構造が難解だといえます。
タイムリープの仕組みに関する説明もないため、話題となったラストシーンの解釈は個々の判断に委ねられているといえるでしょう。
物語の解釈を観客にゆだねる部分が大きいため、「意味は分からなかったけどきれいだった!」など映像美を評価する声が多かったのもこの作品の特徴でしょう。
『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』:映像美と抽象的な物語を楽しもう
『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』はなずなと典道の淡くてみずみずしい恋物語を描いた作品です。アニメ化されたことで、映像美という点では実写版を遥かに凌ぐ作品と言えます。
タイムリープが物語の軸になっていることから、難解すぎるとの声もあります。しかし、見る者の想像力を駆り立てる抽象的な物語は長く心に残る作品だといえるでしょう。