マスク着用の習慣化で5人に1人が体調不良を経験
新生活様式において、大半の人が習慣的にマスクを着用するようになりました。今夏は特にマスクの着用が「熱中症」のリスクを上げることが話題になりましたが、その他にも、マスク着用は私たちにいくつもの体調面での不調やストレスをもたらしています。
実際に小林製薬が実施した『マスクの使用実態調査』によると、マスク着用の習慣化により、5人に1人がマスク着用中に体調不良を感じており、「頭がぼーっとする」「頭痛」「顔がほてる」などの不調を感じているという結果がでています。
マスク生活での「マスクシンドローム」に要注意!
今井一彰 医師
みらいクリニック院長、相田歯科耳鼻科内科統括医長
内科医・東洋医学会漢方専門医副理事長、NPO法人日本病巣疾患研究会副理事長
コロナ渦の新しい生活様式では、マスクを習慣的に着用するようになりましたが、それは私たちの心身に「マスクシンドローム」とも言うべき症状をもたらしています。
「マスクシンドローム」とは、熱中症や肌荒れ、口臭などの自覚しやすいものから、表情筋の衰え、口呼吸のリスク増加、咀嚼機会の減少など意識するのが難しいものまで様々で、マスク着用による不調の総称を指します。
要注意!マスクシンドローム症状例
- 集中力低下
- 便秘
- 頭痛、めまい
- 気管支喘息
- 歯並び悪化
- 虫歯、歯周病
- 睡眠時無呼吸症候群
- 上気道炎
- ほうれい線、しわ、たるみ
- うつ状態
- 食事のムセ
- 肌荒れ
子供は特に注意が必要
大人も子供も、マスク着用の習慣化が健康トラブルを引き起こす可能性があることは変わりません。しかし、子供は健康面での症状に陥るだけでなく、将来の見た目にも大きく影響する可能性があるため、特に注意が必要です。
具体的には、「歯並びの悪化」「表情筋の衰えによる顔のたるみ」など。いまの子供は幼いうちからマスクとともに生活をする『最初の世代』なので、注意して対処していきましょう。
マスク生活がもたらす健康トラブルの原因
マスク着用の習慣化は多くの「マスクシンドローム」と呼ばれている健康トラブルをもたらす可能性があります。特に「口呼吸の増加」と「表情筋の衰え」が原因で起こるものが多く、その症状は深刻なものばかりで注意が必要です。
①口呼吸の増加
マスクは気道抵抗を高めるため口呼吸になりやすく、口呼吸は口内炎や歯周病の悪化のみならずアレルギー性疾患の増加にも繋がります。
【症状例】
睡眠時無呼吸症候群・便秘・集中力の低下・頭痛 etc.
以下の症状に当てはまる場合は、口呼吸をしている可能性が高いです。あてはまる項目をチェックしてみましょう。
口呼吸セルフチェック!
- 肩こり・首こりを感じる
- 集中力が低下する
- 目覚めが悪い
- 日中の眠気に襲われる
- ノドの違和感、へばりつく感じがする
②表情筋の衰え
マスクを常に着用していると、無自覚のうちに表情筋を使わなくなり、衰えていきます。表情筋の衰えは、うつ状態など感情変化やひいては食事中のムセなど誤嚥の危険性に繋がります。
【症状例】
老化(ほうれい線、しわ、たるみ)・食事のムセ・うつ状態 etc.
マスク生活で健康的な身体を保つための日々の対策
マスク生活において健康的な身体を維持していくには、しっかりと対策をしていかなかればいけません。そこで、今回は手軽にできるおすすめの対策をご紹介します。マスクシンドロームの予防をしていきましょう。