害虫リスクが高まる梅雨と夏。コロナ禍でリスクが高まる3シーン
湿度が高い梅雨や高温多湿な夏は害虫(蚊、マダニ、ゴキブリ、コバエなど)が活発に活動を行うシーズンです。例年通り対策が必要ですが、実はコロナ禍で変化した生活習慣の影響もあり、さらにリスクが高まるシーンが存在します。
今回は国立感染症研究所で、人や動物の病気を媒介する蚊の生態を研究している津田良夫先生が、日常の3シーンに注目し、害虫リスクが高まってしまう原因とその対策法について解説します。
津田 良夫先生
昭和29年、東京生まれ。長崎大学熱帯医学研究所、国立感染症研究所で病気を媒介する蚊の生態を研究。農学博士(京都大学)、医学博士(長崎大学)。2015年~2017年、日本衛生動物学会・学会長を務める。
現在、国立感染症研究所客員研究員、レック(株)技術顧問。著書に「蚊の観察と生態調査」(北隆館、2013年)、「日本産蚊全種検索図鑑」(北隆館、2019年)、「衛生動物の事典」(編著、朝倉書店、2020年)などがある。
シーン①在宅時間の増加で中食のゴミが増え、害虫「発生」リスクUP
急事態宣言の影響などで自宅で過ごす時間が大幅に増えました。そうした「おうち時間」の増加に伴い、中食の機会も増加しています。
また雨の日が続き外に出るのがおっくうになる梅雨の時期は、より一層の中食需要が高まることが予想されます。
こういった中食シーンの増加による生ゴミ問題がコバエやゴキブリなどの害虫発生のリスクを高めると、津田先生はお話してくださいました。
その際の害虫対策として、「幼虫」の発生を抑える対策と、「成虫」の発生を抑える対策の2つが大切なのだそうです。
<「幼虫」対策法>生ゴミスポットを週1チェック
対策のポイントはズバリ、生ゴミが溜まりやすい「生ゴミホットスポット」を確認すること。
早ければ1週間で卵から孵化してコバエが発生してしまうので、 1週間に一度は、 「生ゴミホットスポット」を中心に、家中に生ゴミがないか確認を行うべきでしょう。
<「成虫」対策法>餌で釣って退治するトラップグッズ
成虫への対策法は、餌で釣って退治するトラップグッズがおすすめです。
ゴキブリ対策におすすめのゴキブリ用置き型毒餌殺虫剤です。クリアカラーの本体なのでゴキブリと間違えてドキッとしません。
商品名:バルサンGキャップ
6個入り/12個入り
コバエ対策ならこちらがおすすめです。コバエが好きな香りで誘引し、トラップスリットに止まらせ、ビーズに潜らせて殺虫します。
商品名:バルサンコバエくるくる
(小瓶)/(小壺)
シーン②室内換気の意識が高まり外からの害虫「侵入」リスクUP
夏本番に近づくと、積極的な室内換気が大事になってくる時期になってきます。
そんな中で昨年は、コロナウイルスの影響で換気意識が高まりつつも、害虫対策の意識も強くあり、結果として網戸の売上が増加するなど新たな事象が起きています。
津田先生は「シーンごと」で対策法を変えていくのが重要だとお話してくれました。
<入り口対策法>「計画的換気」をすべし!
家中での害虫対策は、網戸などの「入り口対策」と室内に侵入した防虫を退治する「室内対策」というように、フェイズごとに対策があります。
入り口対策のポイントは「換気のタイミング」です。害虫(蚊、コバエなど)の活動が活発化するタイミングは、朝と夕暮れ時(=ちょうど洗濯物や外出・帰宅の時間帯)です。
そのタイミングでは、換気は控えた方がよいなど、換気の際には害虫の活発化する時間帯を避ける計画的な換気を行っていくことで、快適な夏を過ごしていくこと ができるでしょう。