【はじめに】アイヌ民族って?末裔の芸能人が気になる!
アイヌという言葉は、学校の授業や日々の生活の中、またテレビなどのエンタメ情報で一度は耳にしたことがあると思います。しかし、具体的にどういう民族かと言われると答えるのが難しくはないですか?
今回の記事では、まずはアイヌ民族についてご紹介した後、気になるアイヌ出身の芸能人についてもお話したいと思います。これを機に、アイヌ民族について詳しくなってみましょう!
アイヌ民族の文化や伝統
アイヌ民族と言われて、まず何を思い浮かべますか?筆者はすぐに真っ白な雪に染まった「北海道」を思い浮かべました。高校の修学旅行で北海道に行った際に、アイヌの伝統衣装に身を包んだ方たちに迎えてもらったことが今も記憶に残っています。
しかし、北海道に住んでいる人が全てアイヌ民族の末裔かというと、そういうわけではなく、むしろ少数派の民族なのですね。今は消えかけている文化もありますが、アイヌ民族には具体的な特徴があります。それでは、アイヌ民族の特徴について見ていきましょう。
狩猟採集民族
まず、アイヌ民族は「狩猟採集民族」であるということが一つの大きな特徴として挙げられます。植物が採れなくなる極寒の季節、アイヌの男性は山に入り熊や鹿を狩って生活していました。食料源としてはもちろんのこと、衣服なども動物を利用して作っていたのです。
日本は稲作が盛んであることからも分かるとおり、農耕文化が一般的ですよね。しかし、アイヌが暮らす北海道の一部の地域では、本州とは異なる生活文化があったのです。
北海道と本州が離れていることが関係しているのでしょうか?それとも、北海道の厳しい寒さが関係しているのかもしれません。どちらにせよ、アイヌ民族が狩猟採集民族であったのは、地理的な問題が深く関わっていると考えられますね。
居住地域は日本とロシア
アイヌ民族=北海道という漠然としたイメージがありますが、厳密に言うとアイヌ民族は北海道・樺太・千島列島、そしてカムチャツカ半島南部に住んでいました。そのため、日本とロシアの領土が決められた今、一部のアイヌ民族はロシア国民となっています。
以前は一つの民族であったのに、政治的な問題で別の国民になるとは、少し複雑ですね。また、現代では北海道だけではなく東京などで暮らす人たちもいるようです。
独自の言語「アイヌ語」がある
アイヌ民族には、独自の言語である「アイヌ語」があります。しかし、今や北海道だけではなく首都圏にも移住していることから、アイヌ語を話す人はとても少ないことが予想できますよね。実際、アイヌ語は無くなる可能性の極めて高い言語として認識されているようです。
せっかくなのでアイヌ語の単語をいくつか見てみましょう。
・アイヌ:人間、アイヌ民族
・ウパシ:雪
・カムイ:神
・キムンカムイ:ヒグマ(山の神)
・コンル:氷
・シタ:犬
・チカプ:鳥
・トノト:酒
・レプンカムイ:シャチ(沖の神)
何となく発音が日本語に似ているものもありますが、全く異なるものが多いですね。これだけ独立した言語が無くなるのは悲しいことでもあります。
アイヌ語が由来の珍しい苗字も!
前述のとおり、アイヌ語は日本語とは大きく異なる言語です。しかし、北海道の苗字には、アイヌ語を語源としたものがあるとのこと。
アイヌ語が由来の珍しい苗字をいくつかピックアップしてみました。
1.珍名(チンナ)
2.辺泥(ベテ・ベテイ)
3.閉伊(ヘイ)
4.煮雪(ニユキ)
5.知里(チリ)
6.秋辺(アキベ)
チンナさんやチリさんなどは、思わず聞き返してしまうくらい珍しい苗字ですね。このように、北海道には少ないながらもアイヌ語が残されているようです。
女性は入れ墨を入れる
アイヌの女性には口の周りに入れ墨を施すという不思議な習慣があります。この習慣を知らずに遭遇すると、少しギョッとしてしまいそうですね。
明治時代以前に日本で行われていたお歯黒と同様に、女性だけの文化であることが興味深いです。
アイヌ民族の歴史と現在について
先ほどもお伝えしたとおり、アイヌの末裔の方たちは北海道や首都圏で暮らしています。しかし、実際にアイヌ民族出身だと公言している方は少ないですよね?これには、悲しい歴史が関係しています。
アイヌの方々は、過去に本州の人間たちによって迫害された過去があるのです。そして、現代になってからも少なからず差別を受けた方がいるそうです。
このような理由により、アイヌ民族を名乗る人々が減り、アイヌの文化も衰退してしまいました。アイヌ文化が大切に扱われるようになった今、貴重な伝統が後世に残るように、守っていきたいですね。