普段と違うおりものが出てきた場合、「体の異常かも?」と不安になるかもしれませんね。気にしなくていい程度のことなのか、病気を疑うべきなのか、自分では判断できないものです。
白い塊のおりものは、増える原因として2つの事が考えられます。自分の症状と照らし合わせてみましょう。
白い塊のおりものは生理前に増えてくる!
生理周期の中で、正常な状態であれば、排卵期が終わって少し日数が経った頃から生理の前まで、白い塊状の粘りのあるベタベタしたおりものが増えていきます。
この他の時期にはあまり白いおりものは見られないことが普通ですが、おりものの状態というのは、ちょっとした健康状態に大きく左右されるものです。
というのは、女性の健康を司るホルモンバランスというのは、自律神経の影響を大きく受けるからです。
自律神経はちょっとしたストレスや疲れによって乱されやすく、ホルモンバランスも簡単に崩れてしまうからです。
ホルモンバランスが崩れたことで、おりものの成分や、膣の中の善玉菌のバランスが崩れて、おりものの量や粘りなどの状態に変化が起こることはよくあることです。
生理前に増えるのは排卵後のホルモンが原因
生理前に白くてどろっとした感じの、時には塊のように見えるほど粘りのあるベタベタしたおりものが出るのはいったいどうしてなのでしょうか。
生理前におりものの状態が、白くてドロッとベタベタと粘りがある感じになるのは、排卵後に分泌される黄体ホルモンの影響があります。
排卵後には、黄体ホルモンのプロゲステロンが大量に分泌されるようになります。
このプロゲステロンは、おりものの量を減少させるために、おりものの密度が増します。
そのために、おりものの状態が粘り気のあるドロっとした感じのベタベタしたおりものになり、色も白く濁った状態になっていくのです。
白い塊のおりものが増えるのは妊娠の可能性も!
排卵後に妊娠が成立していないと、いったんおりものの量が減って、生理が近づくにつれておりものが徐々に粘りのある白くてドロッとしたベタベタした状態になっていきます。
しかし、排卵期に受精して妊娠していると、おりものの量が減らずに、白いベタベタしたおりものが大量に出るようになります。
色も妊娠していなければ、生理の前にならなければに白く濁って来ないのですが、妊娠していると、排卵期が終わってすぐに白く変化することがよくあります。
おりものの状態というのは、ちょっとした体調の変化の影響を大きく受けるものなので、妊娠しているかどうかをおりものの量や色だけで判断するのはちょっと難しいのです。
いつもの生理周期と比べると、排卵期の後のおりものの量が減らない、大量のおりものが透明から白っぽくベタベタした感じにすぐに変化した、と感じるようなら、妊娠している可能性があります。
妊娠超初期に増えるのは受精後増加するホルモンが原因
排卵期に妊娠すると、どうして白い塊のおりものが増えるのでしょうか。
排卵期におりものが増えるのは、排卵期の少し前からエストロゲンという女性ホルモンの分泌量が増えることが関係しています。
排卵期に受精しないと、エストロゲンの分泌量が減るので、おりものの量も減ってしまいます。
しかし、排卵期に受精すると、エストロゲンの分泌量がさらに増えるので、白い塊のようなおりものの分泌量が増えるのです。
また、白い塊のようなおりものではなく、水っぽいおりものが増えるという人もいれば、着床出血によって、茶色やピンクのおりものになるという人もいます。
妊娠していても、おりものの状態には個人差が大きいので、おりものの状態はあくまでも参考程度に考えて、妊娠5週も待って妊娠検査薬を使うまで、妊娠したかどうかの判断は待つようにしましょう。
白い塊のおりものは下着を汚す!予防法は?!
特に病気ではなくても、粘りのある白い塊のおりものが大量に出て困ることがありますよね。
サラリとしているおりものであれば、それほど下着を汚すことはありませんが、病的なものではなくても、粘りのある白い塊のようなおりものが大量に出ると、下着を汚してこまることがあります。
臭いも気になるので、臭いを消す消臭効果が高いおりものシートを使うなどの対策を取ることもできますが、臭いが気になる粘りのある白い塊のようなおりものが沢山出ることを予防することは出来ないのでしょうか。
生理周期の中で、生理の前というのは、どうしても粘りのある白いおりものが沢山出る時期になるので、それは防ぎようがないことです。
しかし、他の時期に、白い粘りのあるおりものが増える場合には、膣や下着の中に雑菌が繁殖していることも考えられます。
白い粘りのあるおりものを予防するためには、デリケートゾーンの清潔を保つことが大切になります。
毎日の入浴で、水やお湯でデリケートゾーンを軽く流して清潔を保つとともに、通気性の良い清潔な下着を身に着けるなどして、デリケートゾーンを清潔に保つ工夫をしましょう。
あまり、白いおりものが増えることが気になる時には、薬局などで販売している膣洗浄剤やデリケートゾーン専用の石鹸を使ってみるのもお勧めです。
普通の石鹸やボディソープでゴシゴシ洗うと、かえっておりものの状態を悪くするので、清潔にしたいときには、デリケートゾーン専用の商品を使うようにしましょう。
白い塊のおりものが増えた時には病気の可能性も!
粘りのある白い塊のようなおりものが増える原因には、生理周期の中で自然に起こったり、受精して妊娠したことでおりものが増えたりすることもあります。
しかし、何らかの病気によって白い塊のおりものが増えることもよくあります。
白いおりものが出る病気にはどのようなものがあるのか、ここからみていきましょう。
①カンジタ膣炎
白い塊のようなおりものが大量に出る病気には、カンジダ膣炎があります。
カンジタ膣炎は、カンジタ菌という私たちの体にいつもいる常在菌のカビの一種が、膣の中で異常増殖して発症する病気で、おりものの異常とかゆみが特徴的な症状となります。
性感染症と勘違いしている人も多いようですが、かゆみなどの原因となるカンジタ菌は常在菌で、体調不良によるホルモンバランスの崩れなどが原因になる病気なので、外陰部のかゆみやおりものの異常があっても、性感染症ではありません。
カンジダ膣炎になると、かゆみとともにカッテージチーズやヨーグルトのような白くてぼそぼそとした感じのおりものが大量に出ます。
生理前の白くてドロッとベタベタとするようなおりものの状態とは明らかに状態が違うのと、かゆみが強いのが特徴です。
かゆみが強いカンジタ膣炎は、治療法はカビを退治する抗真菌剤を使って治療をします。塗り薬か膣剤か、内服薬を使うのかは、その時の医師の判断によって変わります。
かゆみが強いからといって、市販のデリケートゾーンのかゆみ止めを使うと症状が悪化します。
自分で治療したり、自然治癒することはないので、白くてぼそぼそとした感じのおりものがかゆみとともに出た時には、市販のかゆみ止めを使わずに必ず病院へ行くようにしましょう。