白いおりものは病気?白い塊が生理前に出るのはなぜ?【医師監修】

白いおりものは病気?白い塊が生理前に出るのはなぜ?【医師監修】

おりものは女性にとって妊娠や婦人科系の異常を知らせてくれる大切なサインです。そんな大切なおりものに白い塊が混じることがありますが、これは病気のサインなのでしょうか?気になる白い塊が混じったおりものについて、東京医療保健大学の米山万里枝教授にお話を伺いました。

記事の目次

  1. 1.おりものに白い塊がベタベタ!いったいどうしたの?!
  2. 2.おりものとはそもそもどういうもの?
  3. 3.白い塊のおりものが増える2つの理由
  4. 4.白い塊のおりものは下着を汚す!予防法は?!
  5. 5.白い塊のおりものが増えた時には病気の可能性も!
  6. 6.白い塊以外にもおりものの異常がある時も!
  7. 7.白い塊のおりものは出る時期に要注意!!

白いおりものが大量に出る病気には、子宮膣部びらんがあります。

びらんというのは、ただれのことで、子宮膣部びらんは、子宮膣部が女性ホルモンのエストロゲンの影響で、ただれてしまうことをいいます。

痛みなどの自覚症状はありませんが、びらんでただれている面積が大きくなればなるほど、白から黄色っぽいおりものの量が増えていくのが特徴です。

また、びらんの部分は皮が薄くなり、血管が透けて見える状態になっていることから、性交や排尿、排便といった少しの刺激で出血しやすいのも特徴です。

正人女性の8割は持っていると言われ、特に病的なモノが強いものではないので、治療はせずに経過観察することが多いのですが、不正出血などの症状がひどい時には、レーザーメスなどで焼いて治療することもあります。

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以前は無臭のおりものだったのに、突然変な臭いがする。 以前は白っぽい透明のおりものだったのに、何だか黄緑色になっている… 黄緑や緑のおりものは病気のサインの可能性が高いです。 場合によっては、将来不妊の原因になったりするかもしれません。

③子宮頸管炎

白いおりものが大量に出る病気には、子宮頸管炎もあります。

子宮頸管というのは、子宮の下にあり、膣とつながっている細い管になります。子宮頸管炎というのは、この子宮頚管に何らかの細菌が感染することで起こる感染症です。

クラミジアや淋病、性器ヘルペスなどの性感染症によって発症することも多いのですが、タンポンやコンドームなどの異物が長期間膣の中に入っていることでも、発症することがあります。

症状が出ないことも多いのですが、おりものが大量に増えることが主な症状となります。

炎症がそれほど進んでいない時には、白っぽいおりものが沢山出ることがありますが、炎症が進んでしまうと黄色っぽいおりものや膿のようなおりものが出てくることがあります。

④トリコモナス膣炎

白っぽいおりものが大量に出る病気には、トリコモナス膣炎もあります。

トリコモナス膣炎というのは、トリコモナス原虫が性交渉によって感染して、膣の中で増殖して発症する性感染症になります。白い塊のようなおりものの他に、かゆみなどの症状があります。

トリコモナス原虫に感染しても、女性の半数以上にはなかなか症状が出ない、ちょっと厄介な病気なのですが、パートナーの発症や、おりものの異常やデリケートゾーンのかゆみなどの異常を感じた時には、早期に病院で検査を受けましょう。

トリコモナス膣炎にかかった時のおりものの変化は、白っぽい感じから黄色か灰色のようなおりものが、泡だって悪臭を放つことが特徴になります。

また排尿痛や性交痛、デリケートゾーンのかゆみや腫れ、ただれといった症状が出ることがあります。

白いおりものが増えたりかゆみが出たりするトリコモナス膣炎の治療はトリコモナス原虫を退治する飲み薬を服用することが基本となります。

パートナー間でピンポン感染をすることが多いので、パートナーと一緒に治療を進めることが大切です。

白い塊以外にもおりものの異常がある時も!

おりものというのは、女性にとって婦人科系の病気や異常を知らせてくれる大切なサインになります。

おりものの異常というのは、白い塊が大量に出てくること以外にも、臭いや色の異常などに現われることもあります。

どのような異常が現れたときに、どのような病気の可能性があるのか、おりものの状態についていろいろと見ていきましょう。

①おりものの臭いの異常

膣の中というのは、通常は善玉菌である乳酸菌がたくさんいて、弱酸性に保つことで、膣の中やデリケートゾーンの清潔を保ってくれています。

そのために、健康な状態のおりものというのは、少しつんとするような酸っぱい臭いがするものです。

ところが、体調に異常があると酸っぱい臭いが強くなり、なんらかの感染症になると、魚が腐ったような悪臭がすることがあります。

酸っぱい臭いがきつくなり過ぎる時には、ストレスや疲れがたまりすぎていて、ホルモンバランスが崩れていることが考えられます。

魚が腐ったような悪臭がするときには、トリコモナス膣炎の他に、細菌性膣炎や淋病が考えられます。

これらの病気の中には、悪臭の他に、かゆみが強くなることもあります。

おりものからかゆみを伴う悪臭がする時には、自分では治療することはできないので、早めに病院へ行くようにしましょう。

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妊娠をするためには、排卵日を正確に知ることが大切ですよね。おりもの状態で排卵日がおおよそわかると言われていますが、いったいどういうことなのでしょうか?!この記事では排卵日に特徴的なおりものの量や卵白みたいな粘り気、色や、出血の茶色の意味についてお伝えします。

②おりものの色の異常

おりものの異常は、色に現れることもあります。

健康な状態のおりものというのは、透明から白っぽい感じ、もしくは淡いクリーム色です。

排卵出血や生理前生理後、着床出血などで多少の出血がある場合には、血液が混じって若干ピンクや茶色になることもあります。

しかし、排卵出血や、生理前生理後、着床出血といった理由がないのに、おりものの色がピンクや茶色になる時には、何らかの原因で不正出血が起こっていることが考えられます。

また、感染症にかかると、膣や子宮の中で起こる炎症によって、クリーム色とは言えないような、黄色や黄緑色のおりものが出ることがあります。

出血する心当たりがないのに、おりものの色が茶色やピンクになるときや、黄色や黄緑などの色の変化がおりものになった時には、病院でその原因を特定して、治療をすることが必要になります。

③おりものの量や状態の異常

おりものの量というのは、生理周期によって変化するものです。排卵期が一番多くて、次に生理の前後が多い時になります。そして、生理の後から排卵期までと、排卵期から生理が始まるまでの間には、いったんおりものの量が減る時期があります。

しかし、生理周期を通しておりものの量が減らずに、大量のおりものが出続けることがあります。

ピンクや茶色の水っぽいおりものが、大量に出続けるようなら、クラミジア感染症にかかっている可能性があります。

クラミジア感染症は早めに治療しないと、不妊症になってしまう可能性も高く、また、感染力がとても強いのでパートナーに何度も移してしまう可能性もあります。

おりもののように異常を感じたら、すぐに病院に行くようにしましょう。

④不正出血がある時も!

おりものに、ピンクや茶色の色が付く時には、不正出血の可能性がありますが、おりものに色がつくという程度ではなくて、明らかに生理ではないのに出血する不正出血が起こることもあります。

不正出血が起こる原因には、疲れやストレスがたまっているといった生活習慣の乱れの場合もありますが、無排卵月経や、子宮がんなどの病気も考えられます。

不正出血が起きた時には、原因を特定して、治療が必要であれば治療を進めることが大切です。

生理ではないのに、出血が起きたり、生理が異常に長引いたりするような場合には、早急に病院へ行くようにしましょう。

⑤水っぽいものが多い状態の異常

いつもと違う水っぽいおりものだった場合、排卵期であることが考えられます。

排卵期の女性の体は、妊娠に向けた働きをします。水っぽいおりものは、精子を包みやすくするためなのです。量が増えるのもそのためなのです。

しかし、生理が近付くにつれ、次第におりものの量も減っていきますので心配することはありません。

また、あまりにもおりものの量が多すぎると感じる場合は、クラミジア感染が疑われます。クラミジア感染は9割以上が性交渉による感染です。疑わしい場合は、早めに受診するようにしましょう。

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白い塊のおりものは出る時期に要注意!!

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