あなたはTwitter運用の目的を「フォロワー数アップ」だけと思い込んでいませんか?
国内でもトップクラスのアクティブユーザー数を抱える「Twitter」は、今では個人利用のみならず、企業がブランドイメージ向上や集客のために利用することが珍しくなくなりました。
コロナ禍を経てオンラインでの集客が当たり前になった現代では、Twitterを含めたSNSマーケティングの注目度・重要度が大きく高まっている傾向にあります。
しかし、SNSマーケティングに興味を持って企業公式Twitterを始めた例の中には、フォロワー数は集まってもなかなか売り上げにつながらず、貴重な人的リソースがむやみに消費されることも多いのが現実です。
そこで改めて見直したいのが、Twitter運用での『KPI設定』です。
この記事では、Twitter運用を始める際に知っておきたいKPI設定の基礎知識と、KPI目標を達成して認知度向上や売り上げアップに貢献する施策について紹介します。
KPIとは?KGIとの違いは目標の大きさ
ビジネスシーンでは、「KPI」「KGI」の2つがセットで設定されることが多くなります。
まずはKPIとKGI、それぞれの意味について押さえておきましょう。
KPI=小目標(フォロワー数など)
KPIは、日本語で「重要業績評価指標」を意味する「Key Performance Indicator」の頭文字を取ったものです。
要するに、最終的なゴールを達成するための「小目標」だと理解していただいて構いません。
たとえば、1年で達成したい売り上げ目標を設定して、その目標を達成するために四半期単位や1ヶ月単位で決めるのがKPIです。
もし四半期単位や1ヶ月単位で決めたKPIを達成できなかった場合には、なぜ達成できなかったのかを分析し、ボトルネックを特定して改善につなげていきます。
そのためKPI設定では、具体的な目標数値を立てることが重要になります。
Twitterでの数値目標と言うと「フォロワー数」が第一に思い浮かぶかもしれませんが、それ以外にもKPIとするべき指標はいくつかありますので、後ほど紹介します。
KGI=大目標(売上など)
小目標であるKPIをクリアしていったのちに達成したい、最終的なゴールのことをKGIと呼びます。
日本語では「重要目標達成指標」と呼ばれる、「Key Goal Indicator」の頭文字からきています。
KGIは、「そもそも何のためにTwitterを運用するのか?」という問いに答えられるものである必要があります。
たとえば、売り上げアップを目的とするケースや、Twitterからオウンドメディアへの流入数向上を目的とするケース、ブランドの認知度向上を目的とするケースなどが考えられます。
このKGIが抜け落ちたまま、「ライバル企業が始めたから」と企業公式Twitterを始めたとしても、方向性がまったく定まらないままアカウントを運用することになってしまいます。
また、「10代〜20代の若者のブランド認知を上げたい」など、KGIによってはTwitterではなくInstagramやTikTokが適していることが判明することもあります。
まずはTwitter運用に求める成果や、Twitter運用を始める目的について明確に定めておくようにしましょう。
KPI設定の具体的な指標|フォロワー数だけがゴールではない
Twitter運用においては、KPI設定に使われる指標は1つだけではありません。
フォロワー数以外にも、インプレッション数やエンゲージメント数などさまざまな指標が用いられます。
ここからはTwitter運用のKPI設定で使われる指標について、代表的な5つの指標を紹介していきます。
・インプレッション数
・エンゲージメント数
・プロフィールへのアクセス数
・フォロー完了率
・フォロワー数
インプレッション数
インプレッション数とは、ツイートの閲覧回数を指します。
Twitterではタイムラインに表示された回数をインプレッション数としてカウントするため、厳密に言えば「ユーザーが閲覧する機会があった回数」を意味します。
Twitter運用のKPIではもっとも基本的な数値で、ブランド認知向上の指標としても使われます。
なお、自分のツイートを自分で閲覧した場合にも、インプレッション数に含まれます。
エンゲージメント数
エンゲージメント数とは、ツイートに対してユーザーがアクションを起こした回数の合計です。
具体的には、いいね・リツイート・返信のほか、アイコン・名前・ハッシュタグ・URLのクリック回数も含みます。
エンゲージメント数が多いほど、ユーザーにとってリアクションしたくなる投稿、つまり「刺さる投稿」だったと考えられます。
そのため、エンゲージメント数が多い投稿を分析して、次回以降の投稿に活かす姿勢も大切です。
なお、エンゲージメント数の合計をインプレッション数で割ると、エンゲージメント率が計算できます。
フォロワーが少なくインプレッション数が少なくとも、フォロワーのほとんどがリアクションしてくれてエンゲージメント率が高ければ、ユーザーの行動に結びついていると判断できます。
逆に、どれだけフォロワーが多くインプレッション数が稼げていたとしても、エンゲージメント数が少なければ意味がありませんので注意しましょう。
プロフィールへのアクセス数
1つのツイートから、アイコンやアカウント名をクリックしてプロフィールに遷移した回数が、「プロフィールへのアクセス数」です。
アカウントのフォローのためには、プロフィールは必ず通る動線ですから、いかにプロフィールへのアクセス数を増やすかは重要な指標となります。
ただしプロフィールへのアクセス数のみを増やしても大きな効果は見込めず、そこからフォローボタンを押してくれたかどうか、リンク先や固定ツイートをクリックしてくれたかどうかが大切です。
そのためにプロフィール文章やアイコン、ヘッダー画像などを改善してそれぞれの数値を向上させることが、Twitter運用では不可欠です。
フォロー完了率
フォロー完了率は、一定期間のプロフィールへのアクセス数に対して、フォローされた人数の割合を表します。
たとえば、1ヶ月の間にプロフィールへのアクセス数が1,000件あったとして、同じ1ヶ月で100人フォロワーが増えたとします。
この場合は、「1,000 ÷ 100 = 10%」という計算式でフォロー完了率が算出できます。
プロフィールの改善によってフォロー完了率が向上すれば、少ないアクセス数でもフォロワー増加が期待できるようになります。
フォロワー数
最後の指標が、フォロワー数です。
フォロワーが増えることで、自社の投稿がユーザーのタイムラインに表示される可能性が高まり、インプレッション数やエンゲージメント数の向上につながります。
これらの指標が改善されることで、Twitterのアルゴリズムからも高い評価を受け、話題のツイートとしておすすめ表示されやすくなる効果があります。
そのためフォロワー数を増やすこと自体は重要ですが、フォロワー数が増えただけでは売り上げ向上や購買促進にはつながらないため、唯一のKPI指標にしないように注意してください。
KPI・KGI設定の5ステップ|Twitter運用を成功に導くために
続いて、KPI設定の具体的な流れについて紹介しましょう。
1.Twitter運用の目的を固める
2.アプローチするターゲットを決める
3.KGI設定
4.KPI設定
5.達成期限を決める
それぞれの手順について詳しく解説していきます。
①Twitter運用の目的を固める
最初に決めておきたいのが、Twitter運用によって求めるものが何かという点です。
目的が定まっていないままTwitter運用をスタートしてしまうと、手段と目的が入れ替わってしまう危険性があります。
つまり、Twitterを使うこと自体が目的となってしまい、Twitter運用に投下する人的資源が無駄になってしまうのです。
Twitter運用の大まかな方向性として、基本的には企業の売り上げアップが目的となるでしょう。
その中でも、ブランド認知の向上、商品理解の促進、ファンの形成などの目的が考えられますので、自社に合ったものを選定することが大切です。
②アプローチするターゲットを決める
続いて、Twitter運用でアプローチするターゲットを決定します。
ターゲットをはっきりと決めておくことで、潜在的なフォロワーや顧客がどんな投稿を好むのかを予測することができます。
たとえば、都市部に住む20代女性をターゲットとするのであれば、そのターゲットが普段Twitterでどんなアカウントをフォローし、どんな投稿にリアクションしているのかをリサーチすることで、最適なアカウント運用につなげることができます。
一方でターゲット層が定まっていないと、若年層の女性向けの商品を販売しているにも関わらず、50代以降の男性がフォロワーとして集まってしまうなどの状況も考えられます。
これでは、どれだけフォロワーが増えたとしてもTwitter運用としては失敗に終わってしまいますから、ターゲットの選定は忘れずに行うようにしてください。
③KGI設定
Twitter運用の目的とターゲットが決まったら、KGI設定に進みます。
具体的には、次のようなKGI設定が考えられます。
・Twitter経由で100万円の売り上げを達成
・Twitter経由でオウンドメディアのアクセス数を50%アップ
・Twitter経由で実店舗への来店数を20%アップ
ゴールをどこに定めるかによって設定するKPIも変化するため、Twitter運用の目的に合ったものをKGIに設定しましょう。
④KPI設定
決定したKGIをもとに、続いてKPIを設定します。
・1ツイートあたり3,000インプレッション
・1ツイートあたり1,000エンゲージメント
・1ヶ月あたり1,000回のプロフィールへのアクセス数
上記のように、具体的な目標数値を決めることがポイントです。
目標数値を決定する際には、競合他社のTwitterアカウントを参考にしても良いでしょう。
1ヶ月や1週間といった期間を決めて、いくつかの競合他社のフォロワー増加やツイート数、エンゲージメント数などをチェックしてみます。
すると業界の平均値を算出できますから、その数値をKPIとして設定することをおすすめします。
なお、KPIはアカウントの成長とともに柔軟に変更して構いません。
Twitter経由の売り上げが増加したタイミングで、KPIを引き上げて運用リソースを増やすと、さらなる成果を見込めるようになるでしょう。
⑤達成期限を決める
KPIを設定した後には、必ずそのKPIの達成期限を設けるようにしてください。
1ヶ月ごと、もしくは四半期ごとにKPIの達成状況を振り返ることで、より効果的な改善施策を考えることができます。
KPIは、設定することよりも運用後の分析と改善がもっとも重要であることを理解しておきましょう。
KPIの効果測定はTwitterアナリティクスから要チェック
KPIの達成状況は、Twitterの公式機能である「Twitterアナリティクス」からチェックすることができます。
Twitterアナリティクスでは、アカウント全体のパフォーマンスに加えて、各ツイートごとのアクティビティ(反応)を確認することができます。
Twitter運用ではSNS分析ツールも数多く販売されていますが、Twitterアナリティクスを利用すると有料ツールなしでも十分な効果測定が可能です。
・ツイート数
・総インプレッション数
・プロフィールへのアクセス数
・フォロワー数
・ツイートインプレッション数
・エンゲージメント数
・エンゲージメント率
本記事で紹介した、上記のようなKPI指標もTwitterアナリティクスから分析することができます。
各ツイートごとの数字も確認できますので、バズったツイートやプロフィールアクセスを稼いだツイートの特徴を分析することも可能です。
エンゲージメント率が高いツイートを分析すると、ユーザーに求められている発信内容を見定めることもできるでしょう。
投稿時間や文章量、ハッシュタグの有無によってもパフォーマンスは変化しますので、反応が集まりやすい投稿の傾向を把握することが大切です。
KPI目標を達成するための5つの施策
最後に、設定したKPI目標を達成するために役立つ、5つの施策について紹介しましょう。
KPI設定後の、実際のTwitter運用の参考として活用してみてください。
定期的にツイートを投稿する
Twitter運用では、定期的にツイートを投稿してユーザーの目に触れることが重要です。
単純接触効果によって企業公式Twitterに親近感を持ちやすくなり、ブランド認知が高まることで第一想起を獲得できる可能性も高まります。
Twitter運用の担当者としても、不定期に投稿するのではなく、毎日定期的に投稿することをルール化した方が業務効率が上がるのではないでしょうか。
ただし、毎日投稿することが目的化してしまって、自社の商品と関係のない話題が増えてしまったり、ユーザーとのコミュニケーションが減ってしまったりしては逆効果です。
あくまでも無理のないペースで、定期的にツイートを投稿することを心がけましょう。
なお、TwitterのPC向け画面からは、投稿日時の予約ができる機能も公式で用意されていますので、積極的にご活用ください。
ユーザーとのコミュニケーションを図る
Twitter運用を始める企業の中には、Twitterをただの集客ツールとして捉えてしまうケースも少なくありません。
しかしTwitterは本来「SNS」、つまりユーザー同士の交流を目的とした媒体です。
そのため、企業からユーザーへの一方通行のやり取りになってしまうと、思うような成果につながらない可能性が出てきます。
たとえば、Twitter検索から社名や商品名、ブランド名でエゴサーチしてみて、返信やいいねなどのアクションをこちらから起こしていくことも大切です。
好意的なツイートにコメント・リツイートするだけではなく、ネガティブなツイートにも丁寧にフォローしたりヒアリングしたりすることで、ブランドに親近感を抱いてもらいやすくなります。
単なる情報発信ツールとして捉えるのではなく、ユーザーとのコミュニケーションを取るツールとしてTwitterを運用していきましょう。
Twitterキャンペーンを利用する
Twitterキャンペーンは、フォロー&リツイートで応募すると景品が当たるなどの形式で、アカウントの認知を広める施策を指します。
Twitterキャンペーンには以下のような形式もあり、KPIに合わせて検討されます。
・フォロー&いいねキャンペーン
・フォロー&ハッシュタグ投稿キャンペーン
・フォロー&写真投稿キャンペーン
Twitterキャンペーンを活用することで、これまで企業公式Twitterの存在やブランドの存在を知らないユーザーにアプローチして、認知度を高める機会を作ることができます。
ユーザーにとって有益で魅力的なアカウントと判断されれば、キャンペーン後もフォローを継続してくれる可能性も高まるでしょう。
ただし、Twitterキャンペーンを検討する際にも、キャンペーンの目的(KGI)や数値目標(KPI)を決めて、どんな成果のために取り組むのかを明確にすることが大切です。
プロフィールを充実させる
Twitter運用では、フォロワー数やフォロー完了率が重要なKPI指標として設定されることも多くあります。
プロフィールやヘッダー画像、固定ツイートなどによってアカウントをフォローするか判断されることも多いため、プロフィールへのアクセス数を増やすと同時に魅力的なプロフィール作りにも力を入れる必要があります。
会社やブランド名が一目でわかるキャッチフレーズを設定したり、企業のイメージキャラクターを掲載したりと、ユーザーの記憶に残るような印象的なプロフィールを作成しましょう。
具体的にどのようなプロフィールを作ればいいのかを考える際には、競合他社でフォロワーを多く獲得しているアカウントを参考にすると良いでしょう。
企業色を強めすぎない
そもそもTwitter運用では、企業公式Twitterは伸びにくいと言われています。
その背景には、TwitterをはじめとするSNSは「人と人とのコミュニケーション」がメインになっており、「企業と人のコミュニケーション」には向かないという特性があります。
そのため、企業としての人格を押し出すよりも、中の人の色を強めた方がTwitter運用では成果につながりやすくなります。
ただし、一人の担当者のみに運用を任せてしまうのは、属人化が進み業務効率が低下する可能性もあります。
チーム内で誰が運用しても同じく運用できるようルールを決めながら持ち回りでツイート作成・返信作業を担当するなど、バランスを取りながら運用していくことをおすすめします。
Twitter運用ではフォロワー以外のKPIも要検討
Twitter運用では、フォロワー以外にも検討しておきたいKPI指標がいくつかあります。
KGI設定と合わせて、数値・期限を明確にしたKPIを設定することで、Twitter運用の成果を大幅に高めることも可能です。
また、決めたKPIを達成するための施策として、定期的な投稿やユーザーとのコミュニケーション、担当者個人の人格も出しながら運用することが有効になりますので、ぜひ参考にしてみてください。
なお、KPI設定を含めたTwitter運用でお悩みの方は、DolphinのSNS運用サービスもご検討ください。
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