だいたい1時間周期で繰り返すこの睡眠ですが、加齢と共にそのバランスは不安定となり、とくにノンレム睡眠の割合が低下していきます。
お年寄りの目覚めが早い原因はこのレム睡眠とノンレム睡眠のバランスにあったのです。
分割睡眠は健康に良いと言われた訳
なぜ分割睡眠が健康にいいと言われるのでしょうか。本当に危険はないのでしょうか。
理由は睡眠のメカニズムにありました。
先ほどあげたように、睡眠は浅い眠りと深い眠りをだいたい1時間周期で繰り返しています。
5時間、6時間と長くなるとともにノンレム睡眠は覚醒(浅い眠り)へと近づき、レム睡眠の方は長くなっていきます。
なので2~3時間の眠りであっても脳がある程度休んだのであれば、起きて活動することに弊害がなくなるのです。
そして分割睡眠は短い睡眠を繰り返すことですから、再び眠りにつく時間が訪れます。
するとノンレム睡眠にも入りやすくなり、再び脳が休まるので、長時間眠る人と変わりなく休息がとれるというわけです。
分割睡眠は良いのか、弊害はないのか?
分割睡眠は暮らしによってよくもなり、悪くもなるでしょう。
ただ健康的との謳い文句には乗らないで、メリット・デメリットを把握することが大切です。
効果を理解し、危険のないように実行すれば、弊害なく健康効果は得られるでしょう。
ではデメリットについてもご紹介いたします。
分割睡眠のデメリット①:不眠症との区別
眠りについても目が覚めてしまい、眠れないので起きて、眠くなったら寝る。これを繰り返すことは分割睡眠ではなく単なる不眠症です。
分割睡眠はあくまで定めた時間で眠ることが原則。
まずは分割睡眠なのか、眠れなくて目が覚めてしまっているのかをはっきりさせることです。
睡眠は質が大切ですから、分割睡眠なら弊害ないと思い込み、むやみに行ってはいけないのです。
分割睡眠のデメリット②:体は休まらない?
もう一つのデメリットは、体を休める時間は短縮していると言う事。
脳を休める時間を先にとるので目覚めは良いかもしれませんが、体はもう少し休みたいのが本音でしょう。
そのために1日に何度も眠るのが分割睡眠ですが、体力のある方が向いているといっても過言ではありません。
例えば4時間眠り、8時間活動することを繰り返すのは「海軍式睡眠」と言います。これも分割睡眠の一つです。
また、ヨットレースの選手も長時間睡眠はとれないため、小刻みに眠ることを繰り返すのだそうです。
そうすることでレースの成績もあがるのだとか。
海上で長時間の睡眠は弊害がありそうなので、分割睡眠が良い手段なのでしょう。