スペイン人の名前の名前は長い!
芸術、美味しい料理、美女、フラメンコなどで有名なスペイン。そんなスペインは2つの苗字、長い名前、キリスト教の聖人の名、両親・祖父母の名が付けられるなど独自の名前の文化を持っていることをご存じでしょうか。
日本の名前の文化とは全く違って面白いので、今回はスペインの名前の文化について紹介していきます。
スペイン人の名前の構成
日本人の名前の構成は基本的に苗字+名で、国際結婚をしている人や帰国子女を除いて苗字、名を複数持っている人は少ないです。
しかしスペインの名前の構成は名+苗字2つで、名をたくさん持っている人がいるなど日本とは全く違っています。ここからはそんなスペインの名前の構成について詳しく紹介していきます。
名前+苗字でできている
スペイン人の名前は名+苗字で構成されています。名は複数付けられる場合があり、苗字は2つ付けられます。ミドルネームも使用されます。名が2つある場合、最初の名前で呼ぶか、2つをくっつけたニックネームで呼ぶことが多いです。
例えば「フアン・ホセ」の場合は「ホアンホ」、「フアン・カルロス」の場合は「ホアンカ」と呼ぶなどです。更にニックネームを短くする、例えば「ダニエル」が「ダニー」などの呼び方もあります。
名前が複数ある人もいる
スペイン人は名がたくさん付けられ、名が長い人がいます。例えばスペインが誇る芸術家であるパブロ・ピカソの本名はとても長く「Pablo Diego José Francisco de Paula Juan Nepomuceno María de los Remedios Cipriano de la Santísima Trinidad Ruiz y Picasso」です。
Pablo~Trinidadまでが名で、Ruizが父親の苗字、Picassoが母親の苗字です。パブロ・ピカソが母親の苗字を使ったのは父親の苗字であるRuizがスペイン語圏で平凡だったためではないかと言われています。
父方・母方の2つの苗字がある
スペイン人の苗字は父親の第一苗字と母親の第一苗字が付けられています。例えばスペインが誇る世界的なテニス選手であるラファエル・ナダルは本名が「Rafael Nadal Parera」ですが、「Nadal Parera」が苗字です。
第一苗字と第二苗字の間には「~と」を意味する接続詞、ハイフンが付けられることがあります。接続詞はスペイン語だと「y(イ)」、カタルーニャ語だと「i(イ)」ですが、省略される場合がしばしばです。
このように2つの苗字を戸籍簿に登録し、日常的に使用しているのは欧州でスペインとポルトガルだけで、個性的な苗字文化を持っています。
スペイン人の名前の特徴
日本では結婚したら夫の苗字を名乗り、親族の名、宗教絡みの名を付けることが少ないです。しかしスペインでは結婚しても苗字が変わりませんし、自分の子供に両親・祖父母の名を付けたり、キリスト教の聖人の名を付けたりする文化があります。
ここからはスペイン人の名前の特徴について紹介していきます。日本の名前文化とは全く違った名前の付け方をするので要チェックです!
結婚しても苗字が変わらない
日本では女性が結婚すると男性の苗字を名乗ることになりますが、スペインでは女性が結婚しても苗字が変わりません。19世紀の後半頃から子供の名前に夫の第一苗字と妻の第一苗字を付けるようになりました。
夫の名前はA(名)+B(第一苗字)+C(第二苗字)
妻の名前はD(名)+E(第一苗字)+F(第二苗字)
子供の名前はG(名)+B(第一苗字)+E(第一苗字)
シングルマザーの場合は自分の2つの苗字を子供に与えることが可能です。戸籍簿に名前を登録する際、昔は夫の第一苗字を先に置いて登録しましたが、現在は法改正により妻の第一苗字を先に置けるようになりました。
苗字の順番は親の話し合いで決めますが、決まらなかった場合はアルファベット順か、一番言いやすい順番になります。第一子に付けた苗字の順番は第二子以降にも受け継がれます。
しかし戸籍簿に苗字の順番が登録されたとしても18歳になると自分で苗字の順番を変えることが可能で、夫の苗字を重んじる日本とは違ってかなり自由な感じになっています。
苗字で上流階級かわかっちゃう!?
「de」は「~の、~出身の」という意味の前置詞です。スペインで「de」が付く苗字を持つ人は上流階級である場合が多いそうです。
それはスペインに限らずヨーロッパでは前置詞が付いている人は上流階級である場合が多いそうです。しかし「de」が単に出自を表していることもあります。