花魁が日常で使う言葉は?
花魁たちが日常で使う言葉も時代の流れと共に移り変わっていきました。吉原の時代は江戸初期、江戸中期、江戸後期に分けることができます。そこで花魁たちの日常使っていた言葉を時代ごとにご紹介します。
江戸初期の花魁言葉は?
・ぬし、おきちゃ、そさま、とのたち→お客のこと
・かのさま→あのお方様
・ぞっとする→好きな客を見つけた時の言葉
・おてき→あなた
・よたろう→客を罵る言葉
・しわ虫太郎→けちな客
・油虫→お金を持たない冷やかしだけの男のこと
・きんちゃきんじゅうろう→馬鹿
・いさみ→お酒
・夕もじ→夕方
・いこう→たいそう・とても
・ほんに→まことに
・てんとう→神に誓って
・語りましたし→ゆっくりお話がしたい
・あよびゃれ→歩け
・こそぐったい→くすぐったい
・そうすべい→そうしましょう
・よしゃれ→やめなさい
・よんできろ→呼んできなさい
・早くうっぱしろ→急ぐこと
・むしかたい→お腹が痛いこと
・~しゃんす→~なさる
・~んす→行かんす(いらっしゃる)、書かんす(お書きになる)
・しんもじ→本心(手紙用語)
・すいさんがまし→無礼だ(手紙用語)
・しんぞ→神に誓って(手紙用語)
江戸中期の花魁言葉は?
・おかさん→女将さん
・ごてさん→ご亭主さん
・主→自分の客
・饅頭くさい→禿を悪くいう言葉
・とんちき→あまりありがたくない客
・しんござ→武士客を軽蔑する言葉
・げびぞう→さもしいこと(人)
・どうしんしょう→どうしましょう
・よくいうものだ→わかりきったことだ
・ほんだんすかえ→本当ですか?
・ほんにか→本当か
・~なんす→なさいます
・~んす→行かんす(参ります)
江戸後期の花魁言葉は?
・わちき→私
・あの人さん→名前が分からない客のこと
・おいでなんし→いらっしゃいませ
・申しんした→申しました
・見申したようでおす→どこかでお会いしましたわね
・おがみいす・おがむによ→人に頼むときの言葉
・きいした→来た
・じれっとうす→気がせきます
・待ちなんし→ちょっとお待ちなさい
・待っていんすにえ→待っていますからね
・もちっといなんし→もう少しいなさいよ
・何とでもお言いなんし→何とでもおっしゃい
・どうなんした→どうなさいました?
・ようす→ようございます
・わっちといえばかたっきし→私といえばまるっきり
・わっちゃあ嫌→私は嫌よ
・まいりんすまい→行きますまい
・やめなんし→やめなさい
・よしなんし→よしなさいよ
・てもせわしのうおざんす→慌てなさるな
・むごうありんす→客の冷淡な態度をなじる言葉
・こはばからしゅうありんす→馬鹿らしいことです
・しゃれなんすな→客の発言をたしなめる時に使う言葉
・無駄をしなんす→無駄なことをなさいます
・すかや、好きいせん→好きません
・いいむしだっけね→いい気なものですね
・いい雨だっけね→居続ける客を皮肉る言葉