パーソナルスペースが広い・狭いってどういうこと?
『パーソナルスペース』って言葉、聞いたことありますか?
直訳すると「自分の空間」ということなんですが、かなりざっくり言うと、「他の人の侵入を許さない」距離感のこと。他人がある一定の距離に近づいてくると、心理的に「いやだ~」と感じるのです。
ウィキペディアによると、「他人に近付かれると不快に感じる空間のこと」とあるので、遠からずといったところでしょうか?
パーソナルスペース(英:personal-space)とは、他人に近付かれると不快に感じる空間のことで、パーソナルエリアとも呼ばれる。
心の中は言わば、自分のだけの心理的なテリトリーです。そこを侵害されるとイヤッというのはわからないでもないですが、広い・狭いとはどこまでの範囲を言うのでしょうか?
たとえば電車やバスにひとりで乗ると、まわりはほぼ知らない人たちです。席が空いていたら、なんとなく端から座っていくと思います。
それは、無意識に知らない人と人との距離感を図っているからです。これがパーソナルスペースが「広い」ということです。
逆に恋愛関係にある人同士であれば、「スペースなんてないでしょ!」というくらい体と体がくっついていることもあり得ます。それはパーソナルスペースが「狭い」ということです。
ちなみに、一般的には女性より男性の方がパーソナルエリアが広いと言われているそうです。
パーソナルスペースが広い・狭い、どっちがいい?
一般論で考えると、パーソナルスペースが広いということは他人に対する警戒心や敵対心が強いということです。
だからどうしても自分を守ろうという防御心が強く働くことになります。そうすると少しオープンさに欠けると言えるでしょう。
では、パーソナルスペースが狭いということは心がオープンで、見知らぬ他人であっても警戒心なく近づけるということでしょうか?
決してそうではないようです。
もし電車の中で、いきなり知らない人にポンポンと肩をたたかれたらどうしますか?普通の感覚なら、不快に感じてその人と距離をとるかと思います。
なぜなら、あなたにとってその人は見知らぬ人で、まったく心を開いていないからです。むしろ、それが本来のパーソナルスペースとも言えます。
広いパーソナルスペースってどの範囲?
パーソナルスペースは、距離としてどのぐらい離れていれば広いと言えるのでしょうか?
相手によってその距離感は変わると言われていますが、アメリカの文化人類学者エドワード・ホールは『4つの距離帯』に分類しました。
1)密接距離:0~45センチ
家族や恋愛関係にある人など、好意があって、とても親しい間柄にある人たちとの距離
2)固体距離:45~120センチ
男女問わず、友だち関係やそこそこの好意がある人たちとの距離
3)社会距離:120~350センチ
手を伸ばしても、まず体に触れることはできない距離
公の場や仕事で上司と口頭連絡をする際によく見られる
4)公衆距離:350センチ以上
完全に公式の場でしか見られないような距離
アイドルグループのコンサートとファンとの間の距離ぐらい
あくまで身体的な距離ですが心の距離感を表す指標にもなります。
ただ、この距離感は男女や文化の違い、状況、相手との相性によっても変わってきます。
文化で考えると、なんとなく欧米人は日本人よりオープンな気がしませんか?
男女で考えると、女性の方が男性より気軽にボディタッチしてくる気がしませんか?
このように、パーソナルスペースはTPOに応じて変わってくるのです。
パーソナルスペースが広い男女の特徴は?
警戒心や防御心が強い人たちは、積極的に人とコミュニケーションをとらず、言わば自分の殻に閉じこもりがちな傾向があります。
他人に自分のパーソナルスペースを侵害されるのもイヤなんですが、自分が他人の心の中にズカズカ入り込んでいくことにも抵抗があるのです。
その特徴を一言で言い表せば、「素っ気ない」「一匹狼」「協調性がない」ということになります。
ただ、決して人嫌いというわけでも、相性が合わないというわけでもないのです。
さらに、近年クローズアップされているDVや公衆での暴力行為を行う人たちの共通の特徴として、パーソナルスペースが広いことがわかっています。
だからと言って偏見をもたないでもらいたいのですが、データとして暴力をふるう人や犯罪者は、暴力をふるわない人たちと比べて4倍ほどパーソナルスペースが広いと言われています。
特に男性は本能として強い縄張り意識があるので、どうしても女性よりパーソナルスペースが広くなる傾向があるようです。