【凛】と【凜】について
近年名前として使われることが多い漢字として、「凛」「凜」のふたつが挙げられます。元々は女の子の名前としては比較的一般的だった漢字ですが、実は近年では男の子の名前としても人気が出てきています。
今回は、「凛」「凜」の意味や由来、そして実際の「凛」「凜」の人名への使用例についてご紹介していきます。
読み方
「凛」「凜」の読みは共通しており、どちらも「りん」と読まれ、これ単体で名前として使われることも多いですが、近年では他の漢字と組み合わせることも多く、その場合、名前の響きを優先して「り」と読む場合もあります。
実は漢字としては「寒い」「厳しい」という意味もあり、その意味から人名では使われることはほとんどありませんが、訓読み「さむ(い)」というのも存在します。
画数
「凛」「凜」は、どちらも画数は15画です。名前をつける上で、画数についても重要ですよね。15画は、字画数としては吉、比較的良い字画数だと言えます。
15画は穏やかで協調性のある人物が多く、人付き合いが上手いので、周囲の人々をまとめ上げるリーダーに向いた人格の方が多いです。その優れた人格から、心優しい人、平和主義な人、という印象を持たれる方も多いです。
ただ、その心優しさが合間って、気弱で引っ込み思案な方が多い字画でもあります。
由来
「凛」「凜」の由来は、「りん」という読みを表す「禀」という漢字に対して、氷や冷たいものを表す「冫(にすい)」が付けられることで誕生しました。
冷たい、さむいという意味合いから転じて、近年では物理的な冷たさだけでなく、心身が引き締まる、キリッとした、という場面で使われることも多いです。
意味
その由来どおり、「凛」「凜」の意味は「さむい・冷たい」の他に、「心身が引き締まる」という意味もあります。特に小説などを読んでみると、その登場人物を表す言葉として「凛とした」「凛々しい」という言葉が使われますよね。
その言葉どおり、キリッとした、引き締まった心身を持つ人を表現する上で「凛」「凜」という言葉を使うことが多いです。
違い
これまで、「凛」「凜」と2種類の漢字についてご紹介してきましたが、この2つの漢字にはどのような違いがあるのでしょうか。画数も同じとなると、人名で使う上ではどちらを使って良いのか迷ってしまう方が多いです。
実は、現在では「凛」「凜」、どちらも同じで使われています。どちらも冬の寒さや心身の厳しさを表す言葉ですが、現在国語辞典的な分類では、「凛」が俗字、「凜」が正字として分類されています。
正字というのは公用語として採用されている漢字、俗字が一般的に広く使われ昔から存在している漢字です。ただ、この正字と俗字の分類は常用漢字との分類とは異なり、現在では新字体は「凛」、旧字体は「凜」としての認識が最も強いです。
人名の場合はどちらの漢字を使っても良いですが、近年ではパソコンを使用して文字入力をする方も多いです。パソコンなどで入力してみると、まず新字体である「凛」が出ることが多く、入力の簡単さから「凛」を使う方が多いです。
イメージ
「凛」「凜」のイメージは、「凛とした」「凛々しい」という言葉どおり、キリッとした、神経が研ぎ澄まされた冷静で知性溢れる人物をイメージする方が多いです。また、本来の「凛」「凜」の意味である「さむい」から、寒い、冬、というイメージを持つ方もいます。
特に女性に使われることが多い理由は「りん」という響きの可愛らしさにもあります。女の子らしい、可愛い響きの名前は呼ばれる時はもちろん、名乗るときも可愛らしく、素敵な印象になりますよね。
【凛】・【凜】に込められる想いとは
それでは、「凛」「凜」という漢字を名付けることには、どのような願いや想いを込めることができるのでしょうか?ここで、「凛」「凜」に込められる想いについてご紹介していきます。
まっすぐと芯の通った上品で気品のある人になってほしい
「凛とした」という言葉の通り、まっすぐと、芯の通った綺麗な人になってほしい、という気持ちが込められています。上品で気品溢れる人物は、他人から見てもとても素敵で魅力的な人物ですよね。