意味は「余計な発言をしてしまったがために、かえって不幸を招いてしまった状態」です。このことわざに出てくる「口」は「発言」のことを指しており、自分が話してしまったことがきっかけで災いを招いてしまう様子を表しています。
由来は、蛙は蛇がいることに気づき危険を察知すると途端に大きな声で鳴き声を発するため、それが原因となって捕まってしまい食べられてしまうという様子から来ていると言われています。
自分や誰かが発した発言がかえって混乱を招いたり反感を買ってしまったときに使用することができます。
⑨春は蛙が目を借りる
春になるとその穏やかな温かさですぐに眠たくなってしまうという人も多いと思いますが、意味は「春の季節になると蛙が人間の目を借りてしまうためよく眠たくなってしまう」という俗説からきています。
由来は、蛙は冬眠を終えると産卵を行うためいったん地上に出てきますが、産卵が終わるとまた夏まで土の中に隠れてしまい、この期間蛙のオスとメスが会うことがないことから「目の離れ時(めのかれどき)」と言われることがあり、そこから「目を借りる」と言われるようになったと考えられています。
春になって常に眠そうにしている友人にこのことわざを使うことができるでしょう。
⑩カエルがおたまじゃくしの頃のことをことを思い出せぬ(韓国)
意味は「成長したり、成功を収めて身分や役職が以前よりもよくなったとき、過去の弱い自分を忘れて偉そうにする人のこと」です。このことわざは韓国の表現ですが、意味は非常に納得できる内容となっています。
会社や部活の中に、少し成績が良くなって立場が上になったからといってそれまでは自分と同じような立場だった人間に対して威張ってしまう人がいるかもしれません。そんな人にはまさにこのことわざが当てはまります。
⑪カエルのよだれは白鳩には届かない(フランス)
意味は「気に食わないことや嫌なことを言われたとしても、自分の価値が下がるわけではない」です。このことわざも蛙が醜いものとして考えられており、蛙がつばやよだれを白鳩に向かって吐いたとしても白鳩まで届くことはなく、汚されることはないという意味が込められています。
由来は、昔フランスでは蛙は醜いもので、逆に鳩は高潔なものであるとして考えられており、醜い蛙がどれだけ鳩を汚そうとしてもすべては無力で意味のない行為であると考えられてきたことから来ています。
他人から一方的に悪口を言われた友人に対して慰めの言葉として用いることができるでしょう。
「蛙」を使った英語表現4選
日本でよく話される「蛙」をつかったことわざや慣用句を紹介しましたが、「蛙」を使った表現はさまざまな国で用いられていることも特徴的です。
ここでは蛙という意味の「forg」を使った英語での表現を4つ紹介します。
①a small frog in a big pond
意味は「大人数の中にいるちっぽけなひとり」です。蛙は池の中ではごく小さな生物の中の一種でしかなく、地味で目立つことのない存在であるというようなさみし気なニュアンスを持っているフレーズとなっています。
自分に自信のない人が自身をさげすむ時に使ったり、地味で気の小さな人のことを皮肉まじりに表現する際に用いたりします。
英語でも蛙はマイナスの意味で用いられることが多いようです。
②a big frog in a small pond
意味は「井の中の蛙大海を知らず」と同じと言えるでしょう。「a big frog(大きな蛙)」は所詮小さな池のなかでのみ大きいだけであり、外の世界を知らないのに威張っている哀れな人であるというようなイメージを表した表現となっています。
英語の文章中には「大海を知らず」というような単語は登場していないので厳密には「井の中の蛙」だけのフレーズとなっていますが、使われ方は日本の井の中の蛙大海を知らずとほとんど同じとなっています。
上述の表現とは「small」「big」が逆になって使われているので注意してください。
③knee-high to a frog (a toad)
意味は「非常に背丈が低い」です。「Knee-high」は膝までの高さを表しており、膝の高さが蛙の全長くらいまでしかないという意味になっています。
転じて、小さい子供や幼い様を表します。
④have a frog in the (one's) throat
意味は「のどの調子が悪く、ガラガラの声である」です。直訳するとのどの中に蛙が入っているという意味なので、イメージは蛙が呼吸や発声を邪魔して声が汚くなるといった感じですが、使い方としてはのどがかれている人ならだれに対しても使うことができます。
蛙の見た目や特徴には直接は関係しませんが、こちらも悪いイメージとして蛙が用いられており、海外ではよく使用される英語表現の一つとなっています。