黄色くホクホクとしたぎんなんは、イチョウの樹になる実の種の中身です。9月頃から11半ばまでが収穫期です。いくつかの種類がありますが、食用の中では実の大きい「藤九郎(とうくろう)」という品種が人気です。
βカロテンやビタミンCの他に、マグネシウムやリン、鉄といった骨を丈夫にするミネラルが豊富です。しかし、ぎんなんにはメチルビリドキシンという中毒物質があるので食べ過ぎには注意しましょう。
④サトイモ
サトイモは通年流通していますが、9月下旬ごろから旬を迎えます。お正月の縁起物として欠かせない野菜で、ジャガイモやサツマイモが出回らない江戸時代にはイモの代表格でした。
カリウムが豊富で塩分を排出する役割を果たします。コレステロールの生成を抑制して、動脈硬化の予防にも効果があるそうです。シュウ酸という成分が含まれているので、素手で触ると痒みを発生さえることもあります。
⑤ゴボウ
縄文時代や平安時代に日本に入ったといわれる野菜です。初夏の新ごぼうや春先の若ごぼうといった種類もありますが、関東を中心に栽培される長細いゴボウは11月頃から旬を迎えます。
水溶性・不溶性の食物繊維がたっぷり。便秘解消に役立つうえに大腸がんの予防効果もあるそうです。その他にも、カリウムやカルシウム、マグネシウムといったミネラルも豊富です。炭水化物の一種であるイヌリンを豊富に含み、血糖値の改善や整腸効果が期待できます。
⑥春菊
キク科に属して春先には菊の花が咲きます。若い葉と茎を食用にして、11月から2月に旬を迎えます。すき焼きに欠かせない独特の風味が特徴で、柔らかい新芽はサラダにも最適です。
βカロテン、カリウム、ミネラルが豊富に含まれ、健康維持や骨を丈夫にする作用があります。独特の香りは自律神経に作用するので、胃腸の活性化や咳・痰の抑制に効果を発揮するそうです。
⑦ながいも
ながいもはいくつかの種類がありますが、最もポピュラーなのは東北地方で作られる長細い形状のながいもでしょう。春先に植えられて、11月頃から収穫されるものを「秋堀り」、3月頃からを「春掘り」と呼びます。
秋掘りはみずみずしく、豊富な栄養を含む皮ごと食べられます。ディオスコリンという成分は、インフルエンザの予防に効果的です。サトイモと同様にシュウ酸を含むので素手で触るのは避けましょう。
⑧白菜
生でも火を通しても美味しい白菜は、日本の食文化に欠かせない野菜のひとつです。11月頃から2月が旬で、霜が降りる晩秋にかけて甘みを蓄えて美味しくなります。
白菜の成分はほとんどが水分ですが、カリウムやカルシウムといったミネラルも含まれています。それほど多くはありませんがビタミン類も含まれます。特別な作用があるわけではありませんが、バランスの良い栄養を取れる野菜です。
⑨レンコン
蓮の地下茎の部分で、根っこのような見た目から「蓮根」と名付けられました。9月頃から出始めて11月から1月に旬を迎えます。秋口の新ものは柔らかく、冬に出たものは粘りや甘味が強くなります。
ビタミンCを豊富に含み、風邪の予防や疲労回復に役立ちます。ガンや老化の予防としても効果が期待できますよ。レンコンの切り口が変色しやすいのは、ポリフェノール類を多く含むからです。ポリフェノールは炎症止血作用が期待できます。