アーリアは日本語で「高貴な」を意味する用語でしたが現在は用いられていません。イランやインドに定住したアーリア人は「高貴な人種」という意味を示します。
中央アジアから進出した人々が自らをアーリアと名乗り、高貴な人種と称したといわれています。アーリア人は先住民族と異なり肌の色が薄く背が高い特徴を持ったそうです。彼らに征服されてしまった非アーリア人との対比に用いられた言葉でもあります。
アーリア人が持ち込んだ宗教がバラモン教です。バラモン教は後にシヴァ神など、土着の宗教を取り入れてヒンドゥー教に発展しました。古代アーリア人が特別視したのは戦争や雷の神・インドラです。日本では中国を経由して仏教として伝わって帝釈天として崇められています。
⑧ローカパーラ
ローカパーラは日本語で「世界の守護者」「世界をまもるもの」を意味する単語で、インド神話に登場する四方角・八方角の守護神の総称です。全てを包み込むような偉大さをイメージさせます。
守護神として配置される中でも有名な神は、東のインドラ、南東のアグニ、南のヤマでしょう。マヤは日本でエンマ大王として知られている存在ですよ。
ローカパーラは仏教の十二天の原型だと考えられています。ただし、年代によって多様化するため、インド神話の神々と仏教の十二天には一致しないケースも存在します。
かっこいいサンスクリット語3選!【名前編】
サンスクリット語の中でも名前として使われる単語を紹介します。日本語で表すと深くスピリチュアルな意味合いを持ちます。かっこいい意味を持つうえに、響きも清らかで美しいですよ。
①キラン
キランは日本語で「光の輝き」「光線」といった意味を表します。ネパールでは男の子の名前として一般的な単語です。輝くイメージを日本語で「キラキラ」と表すのは、キランに影響を受けていると考えられています。
海外でも通用する響きのかっこいいサンスクリット語のひとつです。海外では男性だけでなく女性にも名付けられるユニセックスな名称ですよ。光り輝く人生を歩める希望に満ちた名前といえるでしょう。
②マラスビン
マラスビンは日本語で「思想深い」「賢い」といった意味を表します。心や意、知力を意味する「マナス」が海外で変化した単語です。
マラスビンはインド神話に登場するヴィシュヌ神と関係のある単語です。ヴィシュヌ神はブラフマー、シヴァと共にヒンドゥー教の重要な存在で、ヴィシュヌ派では最高神として崇められています。
マラスビンの変化形である「マラスビーニ」という単語は女の子の名前として人気です。日本語では「賢明」という意味を表します。ヒンドゥー教の女神でシヴァ神の神姫とされるドゥルガー女神と関係する単語です。
③ボーディー
ボーディーは日本語で「悟り」「菩提(=仏の悟りの境地)」といった意味を表します。悟りは理解や感づくことを表し、感覚を研ぎ澄ませた知的なイメージを与えます。仏教に関係が深い単語で、人名として海外で人気が高いです。
日本でなじみ深い人形「だるま」のモチーフとなった達磨大師もボーディーダルマという名前を持っています。また、ボーディーは樹木の下でお釈迦様が悟りを開いた「菩提樹」の由来となる言葉でもあります。
かっこいいサンスクリット語2選!【名言編】
サンスクリット語のことわざや名言には、法典や文章に数多く残っています。その中でも、心を打つかっこいい意味を持つ名言を紹介します。
宗教に重きを置く文化によって、心を研ぎ澄ませるような名言が生み出されたのでしょう。心に染み渡り感覚を再生させてくれるかっこいい名言を確認しましょう!
①エーカム・サット・ヴィプラー・バフダー・ヴァダンティ
古代インドの聖典のひとつである「リグ・ヴェーダ」にある一節です。日本語に訳すと「絶対者となる者や心理はひとつ。しかし賢者たちはそれを様々に説く」と表すことができます。
全ての人類が目指している方向、神や志は同じです。しかし、それらを目指すための手段や方法、目的を示す言葉は導く者によって異なることを表しています。絶対者とは唯一の存在を指し、それこそ「アハム(=我)」であると語られています。
意志や信念をもって物事に取り組む姿勢を応援するような、気合の入った名言だといえるでしょう。
②ローカーハ・サマスターハ・スキノー・バヴァントゥ
マントラと呼ばれる、仏に対する讃歌や祈りを抽象的に表した短いことわざのような言葉の一節です。日本語に訳すと「生きとし生けるものすべて、世界の全てが幸せになりますよう」と表すことができます。「全てのものに幸あれ」と願う平和的で調和的な祈りです。
マントラは日本語で「真言」と漢訳されて、マントラを唱えることで瞑想の手助けや呪術的な効果があると考えられています。サンスクリット語の響きを体中に響かせることで心を浄化する効果があるそうですよ。
呼吸と動作を連動させるヨガの練習では、初めのマントラと終わりのマントラが活用されます。ダイナミックな動きの開始前後に唱えることで、心を清める効果が高いと考えられています。